ミナス音楽を支えてきたデイヴィド・サントス、爽快なリズムとハーモニーのデビュー・アルバム

Deivid Santos - Em Casa

ミナスのベテラン、デイヴィド・サントスが初の自身名義作を発表

ブラジル・ミナスジェライスの音楽を裏方的に支えてきたプロデューサー/作曲家/マルチ奏者のデイヴィド・サントス(Deivid Santos)がキャリア初となる自身名義のアルバム『Em Casa』をリリースした。
サンバやフォホーといった土着のリズムに根ざしたミナスの風土らしい爽やかなジャズで、トニーニョ・オルタを彷彿させるまろやかな音色とテクニックのギターに加え、ピアニストのディアンジェロ・シルヴァ(Deangelo Silva)にアルバーノ・サレス(Albano Sales)、アコーディオン奏者トニーニョ・フェハグッチ(Toninho Ferragutti)、ベーシストのジョルジ・エルダー(Jorge Hélder)などブラジルを代表するミュージシャンが楽曲毎に立ち替わり参加し卓越した演奏を聴かせてくれる注目すべき作品に仕上がっている。

ギターを始めとしたマルチ器楽奏者であるデイヴィド・サントスは音楽教師、作曲家、アレンジャー、プロデューサーとしてミナスジェライス州南部のポソス・デ・カルダスやその周辺などで生まれた様々な優れた音楽作品の制作で知られているが、彼自身のファーストアルバムの制作とリリースには長い時間を要した。そんな中で未曾有のパンデミックが訪れたことを契機として、彼自身が振り返りの時間を多く過ごせたこともあり、“家で”と題された今作のリリースに至った。

示唆的なタイトルの(1)「2020」ではトロンボーン、トランペット、サックスの3管をフィーチュア。さらにピアノにはミナス界隈音楽では既にその人気を確立するディアンジェロ・シルヴァ(Deangelo Silva)も参加し、ソロにバッキングに活躍する。

ブラジル北東部音楽フォホーのリズムである“バイアォン”を取り入れた(3)「Inquieto Baião」ではアコーディオンの巨匠トニーニョ・フェハグッチとデイヴィドのギターの掛け合いが最高に爽快。

バイアォンのリズムが軽快な(3)「Inquieto Baião」

(4)「Montanhas de Minas」はガットギターとフレットレスベースのユニゾンで始まるイントロや、ヴォイスも交えたミナスらしい爽やかで開放的な美しさを持った楽曲。

デイヴィド・サントスはこれまでにトニーニョ・オルタ(Toninho Horta)、セルジオ・サントス(Sergio Santos)、シモーネ・ギマランェス(Simone Guimarães)、エリマール・サントス(Elimar Santos)、レイラ・ピニェイロ(Leila Pinheiro)など数多くのミュージシャンの作品に参加。
その熟練の技を堪能できる完成度の高い作品だ。

Deivid Santos – electrica guitar, acoustic guitar, keyboards, synth, voice
Deangelo Silva – piano (1, 8)
Emilio Martins – drums (1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8)
Joabe Reis – trombone (1, 8)
Josué Lopez – tenor saxophone (1, 8)
Raphael du Valle – electric bass (1, 3, 4)
Sidmar Vieira – trumpet (1, 8)
Jorge Hélder – acoustic bass (2, 5, 6, 7, 8)
Toninho Ferragutti – accordion (3, 9)
Juarez Moreira – guitar (5)
Rodrigo Mendonça – flute (5)
Albano Sales – piano (6)
Rodrigo Mendonça – flute (7)

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