ジャズの常識を覆す個性派ベーシスト、ハリシュ・ラガヴァン 待望の2ndアルバムが登場

Harish Raghavan - In Tense

NYの個性派ベーシスト、ハリシュ・ラガヴァンの第二作

前作『Calls for Action』から3年、ハリシュ・ラガヴァン(Harish Raghavan)の2作目のリーダーアルバム『In Tense』がリリースされた。従来のジャズ・ベーシストの常識に当てはまらない個性の持ち主として知られることになった彼が、さらにチャレンジングな“新しいジャズ”を提示した素晴らしい作品だ。

個性的な作風やプレイスタイルは早速(1)「Ama」で遺憾なく発揮される。思慮深く組み立てられたテーマ、シンセの音色、ギターのチャールズ・アルトゥラ(Charles Altura)がつくる空間も素敵だが、なんといっても驚くべきは中間部のベースソロの発想だ。芸術音楽の新しい在り方を追い求めるように力強く確信的に弾かれる弦の低音に一種の神聖な感覚すら覚える。

(1)「Ama」

ハリシュ・ラガヴァンとともに音楽の空間を作り上げるのはヴィブラフォンのジョエル・ロス(Joel Ross)、ドラムスのエリック・ハーランド(Eric Harland)らで、未知のベクトルに向かうような超絶的なアンサンブルは圧巻の一言。NYのシーンの深さを知ることができる必聴の一枚だ。

Harish Raghavan プロフィール

両親が南インド出身のハリシュ・ラガヴァンは1982年シカゴ生まれ。16歳でベースをはじめ、それまでは主にムリダンガなどの南インドの打楽器を演奏していたという。
若手の登竜門セロニアス・モンク・コンペティションのセミファイナリストとしてシーンに知られるようになった彼はこれまでにアンブローズ・アキンムシーレ(Ambrose Akinmusire)、イマニュエル・ウィルキンス(Immanuel Wilkins)らジャズの新しい世代のミュージシャンとともに、無数のオリジナルなサウンド・アーキテクトを築き上げてきた。どこか謎めいた佇まいも魅力的で、彼の音楽は独特の世界観を纏っている。

Harish Raghavan – double bass
Eric Harland – drums
Charles Altura – guitar
Joel Ross – vibraphone, marimba
Morgan Guerin – tenor saxophone, electric wine instrument, bass clarinet

関連記事

Harish Raghavan - In Tense
Follow Música Terra