MPBを代表するSSWジョイス、新譜『ブラジルの歌』で表現する正真正銘のボッサ・ノーヴァ

Joyce Moreno - Brasileiras Canções

ジョイス・モレーノ新作『Brasileiras Canções』

ブラジルを代表するSSW、ジョイス・モレーノ(Joyce Moreno)が2022年新作『Brasileiras Canções』をリリースした。彼女のキャリア初期の作品、特に『Feminina』(1980年)、『Água e luz』(1981年)が大好きだが近年の作品はほとんど追うこともできておらず、少し聴いてもあまり刺さっていなかった自分にとって、今回のアルバムはサウンド面でもその初期2枚に通じるところがあり、かなり“ジョイスらしさ”を感じることができる大好きな作品だと感じた。

今作はジョイス・モレーノの42枚目のアルバムだという。いつものようにジョイス自身のガットギターと歌、瑞々しいソングライティングが中心にあり、ドラムス、ピアノ、ダブルベースが脇を固めるという彼女の歌を際立たせる意味でベストの編成。1948年生まれ、74歳。その年齢を微塵も感じさせない若々しい音楽は、彼女こそが今でも“ボッサ・ノーヴァ = 新しい潮流”そのものだと断言できる素晴らしい内容。聴き心地はどこまでも軽やかで爽やかだが、やっていることはとんでもなく複雑だ。

(1)「Todo Mundo」

収録曲はすべて新曲で、2020年以降に作曲され、2022年3月から4月の間にリオデジャネイロのアルト ド ウマイタにあるビスコイト・フィノ・スタジオ(Estúdio da Biscoito Fino)で録音された。夫であるドラマー、トゥッティ・モレーノ(Tutty Moreno)の全面参加はもちろん、モニカ・サウマーゾ(Mônica Salmaso)、ギターのルーラ・ガルヴァン(Lula Galvão)、エレクトリック・ギターのシコ・ピニェイロ(Chico Pinheiro)、フルートのテコ・カルドーゾ(Teco Cardoso)といったブラジルきっての名手たちも参加。
楽曲の共作者としては(6)「Nas Voltas do Tempo」にはマルコス・ヴァーリ(Marcos Valle)が、(10)「Quem Nunca」と(12)「Alimento」にはクリストヴァン・バストス(Cristovão Bastos)がクレジットされている。

Joyce Moreno – vocal, guitar
Hélio Alves – piano
Jorge Helder – double bass
Tutty Moreno – drums

Guests :
Mônica Salmaso – vocal (2)
Moacyr Luz – vocal (8)
Alfredo Del-Penho – guitar, vocal (10)
Teco Cardoso – flute (2)
Marcos Nimrichter – accordion (9)
Lula Galvão – guitar (2, 3, 8)
Chico Pinheiro – electric guitar (11)

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