個性的なブラジリアン・ネオソウルで輝くSSWシェニア・フランサ、極上のサウンドで聴かせる2nd

Xenia França - Em Nome da Estrela

シェニア・フランサ、珠玉の2ndアルバム『Em Nome da Estrela』

ブラジル・バイーア生まれのシンガーソングライター、シェニア・フランサ(Xenia França)が2ndアルバム『Em Nome da Estrela』をリリースした。前作『Xenia』(2017年)はここ日本でもアフロ・ブラジル系ネオソウルの傑作として高く評価されたが、今作も伝統的なブラジルの多彩なリズムに現代的なサウンド、ソフトな歌声が相まって極上のヴォーカル・アルバムに仕上がっている。前作につづきロウレンソ・ヘベッチス(Lourenço Rebetez)がプロデュースに携わり、アフロ・ブラジル音楽の現在と未来を示す傑作と言えるだろう。

ジャズ、ソウル、R&Bの洗練されたサウンドに絡むパーカッションが彼女の音楽をよりユニークで美しいものにしている。リズムだけに注目して聴いてみても相当に面白い。変幻自在に絡み合うパーカッション・アンサンブルの妙技に耳も心も奪われてしまう。

ほとんどはシェニア・フランサのオリジナル曲だが、今作にはアフロ・ブラジル音楽の偉大な先人のカヴァーも。ひとつはジルベルト・ジル(Gilberto Gil)作の(3)「Futurível」、もうひとつはジャヴァン(Djavan)作の(12)「Magia」を取り上げ、シンガーソングライターとしてのルーツを垣間見せる。

(5)「Dádiva」はサンパウロの同世代の女性SSW、ルイーザ・リアン(Luiza Lian)の楽曲。
ほかに特筆すべき点として、(8)「Ânimus × Anima」にはアルトゥール・ヴェロカイ(Arthur Verocai)が絢爛なストリングス・アレンジを聴かせ、そして(9)「Já é」ではヒコ・ダラサン(Rico Dalasam)がラップで参加しアルバムに豊かな色彩を添えている。

(1)「Renascer」

本作は2023年ラテングラミー賞ベスト・コンテンポラリーポップ・ポルトガル語部門を受賞した。

Xenia França - Em Nome da Estrela
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