EWI、ギター、ベース、ドラムスの4人組 MOAV
『Moav』は古いヘブライの歌をカヴァーし現代的なアレンジと演奏で聴かせるイスラエルの4人組バンド、MOAVのデビューシングル。3曲のみの収録だが、イスラエルの伝統に寄ったテクニカルなジャズ/フュージョンのサウンドが非常に魅力的だ。
現代的なジャズとワールドミュージックのスタイルで斬新なアレンジを加えられたヘブライの古い楽曲と、電子楽器も含め“外”からやってきた現代の楽器とのつながりは、音楽への新しい視点と、イスラエルの人々が経験してきた変化を表現する。
MOAVのメンバーは全曲のアレンジとEWI(ウィンド・シンセサイザー)を担当するエリ・ベナコット(Eli Benacot)、欧州や米国でも活動してきたベテランの女性ギタリストであるインバール・フリードマン(Inbar Fridman)、お馴染みPinhas & Sonsのベーシストのリオール・オゼリ(Lior Ozeri)、1997年生まれの新世代ドラマー、デヴィッド・サーキス(David Sirkis)と世代の幅も広い。
(1)「Ki Tavou」、(2)「Shalom rav Shhuvech」、(3)「Yefe Nof」はいずれもヘブライの伝統曲で、ローカルで特徴的な音階、深淵さを感じさせる曲調、随所に見られる変拍子など楽曲のアレンジ自体も楽しい。
MOAVの主宰者であるエリ・ベナコットはボストンのバークリー音楽大学を卒業したサックス奏者/作編曲家で、母国イスラエルにてリモン音楽学校、テルマ・イエリン芸術学校などで講師を務め、和音などに関する5冊の著書を持つなど音楽教育家としても知られている。
バンドはエリ・ベナコットがリモン音楽学校やテルマ・イエリン芸術学校に縁の深い3人のミュージシャンに声をかける形で2021年末に結成された。
MOAV :
Eli Benacot – EWI
Inbar Fridman – guitar
Lior Ozeri – bass
David Sirkis – drums