アルバム一枚「茄子」がテーマ!トルコ出身ギタリストの斬新な中東ジャズ

Önder Focan - AUBERGINE

トルコのギタリスト、オンデル・フォカン新譜のテーマは「ナス」

トルコのギタリスト、オンデル・フォカン(Önder Focan)の新譜『Aubergine』はそのタイトル/ジャケットどおり、野菜のナスをテーマにした興味深いジャズ作品だ。
……あれ?ナスって「eggplant」では…?と思ったが、イギリス英語ではナスは「Aubergine」というのだそうだ。

彼曰く「ナスはそれ自体は味もないが、料理において他の素材を引き立てる。これは音楽の低音に似ており、他の楽器の意味を高め、貢献する」とのことで、あまり音楽の中で目立たないが重要な役割を果たしている低音楽器に準えているようだ。そのコンセプトのとおりベースのソロで始まる(1)「Karniyarik」や、ナスと牛挽肉で作られるギリシャやトルコの伝統料理の名を冠し、曲中でさりげなく挟まれる変拍子も面白い(4)「Musakka」など、野菜へのリスペクトがジャズの語法で表現される様は確かに新鮮。

(3)「Melanzane alla Parmigiana」
曲名は薄切りもしくはスライスしたナスを揚げ、その上もしくは下にトマトソースとチーズを層状にのせて焼いたイタリア料理「パルミジャーナ」だ。

オンデル・フォカンは1955年生まれ、1970年から活動を続けるベテランのギタリスト/作曲家で、独学でギターを学びこれまでに10枚以上のリーダー作をリリースしている。今作ではベースにコソボ出身のエンヴァー・ムハメディ(Enver Muhamedi)、ピアノにウラズ・クヴァネル(Uraz Kıvaner)、ドラムスにブラーク・ジハンギル(Burak Cihangirli)を迎えたカルテットを軸に、曲によってトランペット、サックス、トロンボーンのホーンセクションが加わる。

Önder Focan – guitar, bouzouki
Enver Muhamedi – double bass
Burak Cihangirli – drums
Uraz Kıvaner – keyboards, piano
Şenova Ülker – trumpet, flugelhorn
Anıl Şallıel – tenor saxophone
Burak Dursun – trombone

Önder Focan - AUBERGINE
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