チェ・スダカ、20周年の集大成的アルバム『20 Años』
近年のバルセロナで最も成功したバンドのひとつ、チェ・スダカ(Che Sudaka)の物語は南米アルゼンチンやコロンビアからの不法滞在者たちが生活のためにストリートで演奏していたところから始まった。行き場のないぎらぎらとしたエネルギー、反抗的だが楽天的な歌詞、ラテンアメリカのフォルクローレやスカ、レゲエ、ロックなどの雑多なミックスといった分かりやすい音楽性で彼らはたちまち人気者となり、いつの間にか音楽の
いまやカルト的な人気を誇る彼らの10枚目のアルバム『20 Años』は、その名の通り2002年の結成から20周年を記念した集大成的な内容になっている。ゲストには南米やヨーロッパの様々なアーティストたち──Piero、Sergio Rotman、Las Manos de Filippi(以上アルゼンチン)、Marta Gómez、Doctor Krapula(以上コロンビア)、Dubioza Kolektiv(ボスニア)、La Pegatina(スペイン)、Locomondo(ギリシャ)、Mal Élevé(ドイツ)、Los Rabanes(パナマ)、Desorden Público(ベネズエラ)、Barrio Calavera(ペルー)──を迎え、昔と変わらぬ不屈のジプシー・パンク精神に溢れた音を聴かせてくれる。
収録された曲はどれもダンサブルで陽気だが、特にアコーディオンの音色がそうさせているのか、どの曲にも共通して深い哀愁も漂う。彼らの音楽はいつも、そんなところがぐっとくるのだ。
アルバムのリリースに合わせ、現在バンドは「20 años sin fronteras」(国境のない20年間)と題したツアーをヨーロッパで行なっている。