カンザスシティのトロンボーン奏者トレヴァー・ターラ、無国籍感も印象的な魅惑のJazz

Trevor Turla - And We Continue

カンザスシティのトロンボーン奏者 Trevor Turla デビューEP

米国カンザスシティ出身のトロンボーン奏者トレヴァー・ターラ(Trevor Turla)のデビューEP『And We Continue』が面白い。ブルース、ジャズ、ファンク、カントリー・ミュージック、そしてバルカン音楽など幅広い影響が伺える音楽性で、3管フロント含む大所帯での演奏はジャムバンド的な雰囲気もあり楽しい。

(1)「Barong」は哀愁漂う短調の曲で、どこかロマ音楽の香りがするエネルギッシュなトロンボーンの即興もたまらない。EPでは約3分と短めだが、ライヴではどこまでも盛り上がれそうな印象深い楽曲だ。

(1)「Barong」

今作はトロンボーン特有の温かさや気だるさ、ファンキーさを前面に押し出しており、編成された楽器だけを見るとフィドルやバンジョー、ドブロ・ギターといったアメリカのカントリー・ミュージックの要素が強いが、なぜか醸し出される無国籍感が魅力的だ。

Trevor Turla 略歴

最初に持った楽器はバグパイプで、8歳のときだったというトレヴァー・ターラ。11歳の頃に吹奏楽でトロンボーンを始め、12歳の頃に母に連れられてジャズ・トロンボーン奏者ワイクリフ・ゴードン(Wycliffe Gordon)を擁するビッグバンドの演奏を観たことが音楽の道を志すきっかけだったという。

ジャズやニューオーリンズの音楽に魅せられた彼はミズーリ大学カンザスシティ校音楽院(UMKC)に入学、伝説的サックス奏者ボビー・ワトソン(Bobby Watson)のもとで学んだ。その後はカンザスシティのトロンボーンとトランペットを製造する会社(B.A.C Musical Instruments)で働きながら演奏活動を行っている。
彼はまた、自身がヴォーカルとトロンボーンを務めるバンド、Sulu Moon の主宰者でもある。

(6)「And We Continue」

Trevor Turla – trombone
Daniel Dissmore – trumpet
Aryana Nemati – saxophone
Fritz Hutchison – guitar, banjo
Miki P – guitar, vocals
John O’Keefe – bass
Nik Douglas – drums
Carmen Dieker – fiddle
Jake Keegan – dobro
Chris Hazelton – organ

Trevor Turla - And We Continue
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