地中海をぐるっと一周。伊サックス奏者ラファエーレ・カサラーノ、南欧・アラブ・北アフリカを繋ぐ新譜

Raffaele Casarano - Anì

ラファエーレ・カサラーノ、地中海周辺音楽を取り入れた意欲作

イタリア出身のサックス奏者、ラファエーレ・カサラーノ(Raffaele Casarano)の2022年新譜『Anì』。数曲でフィーチュアされたチュニジアのウード奏者/ヴォーカリストダファー・ヨーゼフ(Dhafer Youssef)の参加に象徴されるように、南イタリアを中心とし地中海沿岸やアラブ文化圏の音楽を繋ぐ見事な作品となっている。

今作の影のキーマンとも言えるダファー・ヨーゼフは(3)「Fly」、(6)「Malaspina」、(8)「Trance in Space」に参加し、ウードの演奏と彼独特の歌唱によって信じられないほど強烈なスパイスを与える。それに呼応するのがピアノのミルコ・シニョリーレ(Mirko Signorile)で、イタリアらしい美メロから中東音楽に基づいた旋律まで変幻自在のサポートが素晴らしい。

(6)「Malaspina」

(2)「Fight Back」ではニューヨークのラッパー、M-1 (Dead Prez)がゲスト参加。

ジャズ、地中海周辺音楽、エレクトロニックの豊かで生命力に満ちた融合に酔いしれる、最高の一枚だ。

Raffaele Casarano 略歴

ラファエーレ・カサラーノは1981年イタリア・プーリア州サレント生まれ。7歳からサックスを始め、レッチェ音楽院で研鑽を積み、2004年頃に自身の音楽活動を本格化させ、2005年にデビューアルバム『Legend』をリリースした。

これまでにパオロ・フレス(Paolo Fresu)、ロベルト・オッタヴィアーノ(Roberto Ottaviano)、エリック・レニーニ(Éric Legnini)、ラーシュ・ダニエルソン(Lars Danielsson)、エディ・パレルモ(Eddy Palermo)、ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ(Buena Vista Social Club)などとの共演歴を誇る。

Raffaele Casarano – alto saxophone, soprano saxophone, bass, programming, synth pad, electronic drum
Bonnet – programming, sound design
Mirko Signorile – piano
Marco D’orlando – drums
Alessandro Monteduro – percussions

Dhafer Youssef – oud, vocals (3, 6, 8)
M1 (Dead Prez) – rap (2)

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