メリーナ・モギレフスキー、アルゼンチン音響派の流れを汲み新たな魅力を開花させた3rd

Melina Moguilevsky - Huecos

アルゼンチンの気鋭音楽家集う、メリーナ・モギレフスキー新作

傑作だったデビュー作『Árbola』から早10年。アルゼンチンの女性シンガーソングライター、メリーナ・モギレフスキー(Melina Moguilevsky)の第3作目となるアルバム『Huecos』がリリースされた。共同プロデューサーにOchoを率いるフアン・ベルビス(Juan Belvis)とマルチ奏者のルシアナ・ビターレ(Luciano Vitale)を迎え、アルゼンチン音響派の流れを取り入れつつもこれまでの彼女の作品に見られたオーガニックな感触を失わない、美しく先鋭的なフォーク・ミュージックとなっている。

10拍子の(1)「Escondite」は水中を漂うような音風景が綺麗な曲で、“隠れ場所”を意味するタイトルどおり、どこか秘め事のような高揚感と危うさが魅力的だ。

(1)「Escondite」

アコーディオン奏者のセサール・レルナール(César Lerner)をフィーチュアした(3)「Todo el sentido」はフレンチ・ポップが香り、ブラジルのSSWヴィトール・ハミル(Vitor Ramil)と吹奏アンサンブルが参加する(4)「Respirar」も二人のヴォーカルの掛け合いや器楽アレンジが見事。

(6)「Algo que hacer」はフアン・ベルビスとの共作。“アルゼンチン音響派”を代表するギタリストのフェルナンド・カブサッキ(Fernando Kabusacki)も参加し、エレクトロニックとオーガニックの間を浮遊するサウンドが展開される。

(6)「Algo que hacer」

ラストの(7)「El fuego」にはコルドバ出身の気鋭アーティスト、カンデラリア・サマール(Candelaria Zamar)が参加し、より深淵へと誘うような音空間を提示してアルバムを締めくくる。

今作でメリーナ・モギレフスキーは、これまでに誰も見ていなかった彼女の中に潜む一面を見せてくれた。アルバムのジャケットにある象徴的で不思議な物体のように、それがなんなのかは未だ分からなくとも静かにその存在を主張し、語るべきときをじっと待ち続けているモノ……おそらくは誰もが少なからず心の中に持っているモノ……アルバムタイトルの「Huecos」とは、ギャップや隔たりといった意味のスペイン語らしい。

プエンテ・セレステ(Puente Celeste)のマルチ管楽器奏者マルセロ・モギレフスキー(Marcelo Moguilevsky)を父に、そして画家/心理学者の母を持つメリーナ・モギレフスキーのより芸術的な本質が現れてきた作品で、彼女にとっても大きなターニング・ポイントになりそうだ。

Melina Moguilevsky – vocal, chorus
Juan Belvis – synthesizer, piano, percussion, programming, vocal, chorus
Luciano Vitale – flute, violin, cello, electric guitar, acoustic guitar, bass, contrabass, synthesizer, drums, percussion, electronic percussion, chorus

Guests :
Vitor Ramil – vocal (4)
Candelaria Zamar – vocal (7)
César Lerner – accordion (3)
Pablo Jivotovschii – violin (3)
Alina Traine – arpa (5)
Fernando Kabusacki – electric guitar (6, 7)
Emiliano Álvarez – clarinet (2, 4), bass clarinet (4)
Fernando Chiappero – horn (2, 4)
Manuel Calvo – trombone (2, 4)
Javier Mareco – strings arrangement (4)

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