Música Terra が選ぶ 2022年ベストアルバムTOP10【DJ mitsu編】

Música Terra(ムジカテーハ)ライターDJ mitsuが選ぶ2022年のベストアルバム。
基本、当サイトで紹介してきたもの中心ではありますが、取り上げきれなかった作品もここではPick Up。R&B~HipHop、Jazz、日本人アーティストまで、幅広い選出となりました。
共通するのは間違いなく「いい音楽」であること。
今年1年お世話になった作品を振り返っていきましょう。

第10位:Familia / Camila Cabello (アメリカ)

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フィフス・ハーモニー(Fifth Harmony)からソロ、そして更なる飛躍と新境地を感じさせてくれたソロ3作目。自らのルーツであるラテン音楽に振り切った楽曲構成により、2022年はアイドルではなくアーティストとしてのカミラ・カベロが生まれた年として記憶に残ることだろう。ワールドミュージックの観点からも見過ごすことの出来ない一枚。

Pick Up:「Bam Bam」

シングルカットされたエド・シーラン(Ed Seeran)とのコラボ曲。英語詞/スペイン語詞/ポップな楽曲の黄金比とも言える絶妙なバランスを備えた、世の中の恋に悩める男女に勇気を与えるメッセージソング。

第9位: Motherland Journey / Blue Lab Beats (イギリス)

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現行UKジャズの超重要アーティストが多数生まれる教育機関・トゥモロウズ・ウォリアーズ(Tomorrow’s Warriors)出身の2人組ユニットによる最新作。フェラ・クティ(Fela Kuti)などへのオマージュやアフリカ系アーティストが多数ゲスト参加するなど、アフロビートを積極的に取り入れた楽曲群は、UKジャズの新しい形を見せてくれたと言える。ロバート・グラスパー(Robert Glasper)の最新作「Black Radio Ⅲ」と同日発表ということで割を食ったが、勝るとも劣らないハイクオリティな作品に仕上がっている。

Pick Up:「Motherland Jorney」

フェラ・クティ(Fela Kuti)のボーカル音源を使い、解放感溢れるビートとともにカイディ・アキニビ(Kaidi Akinnibi)のサックスとポピー・ダニエルズ(Poppy Daniels)のトランペットが鳴り響く爽快なアフロJAZZナンバー。

第8位: Black Radio Ⅲ / Robert Glasper (アメリカ)

今年かなり話題となり、来日も果たしたロバート・グラスパーの「Black Radio」3作目。8位という位置に収まってしまったのはひとえにグラスパー作品への期待が高すぎるから。他のアーティストがこのクオリティを出してきたらもっと上位に来ていたはず。作品自体は文句なしにいいです。

Pick Up:「Why We Speak」

エスペランサ・スポルディング(Esperanza Spalding)とQ-Tipを迎えた楽曲。レアグルーヴのような感触が心地よい。

第7位: ・Heavy Metal Greasy Love / King Garbage (アメリカ)

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ジョン・バディステ(Jon Batiste)のグラミー獲得の影の功労者と言ってもいい、プロデューサーデュオの22年作。サウンドは全編通してオシャレなアメリカンソウルながら、HipHopのようなぶっといビートが鳴り響く、本当に不思議なクセになる作品。

Pick Up:「Snow」

上述のぶっといビートを下敷きにスリリングで展開の読めないあっという間の4分間。天才。

第6位: Capacity to Love / Ibrahim Maalouf(フランス)

Ibrahim Maalouf - Capacity to Love

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イブラヒム・マーロフ(Ibrahim Maalouf)の最新作は耳を疑うまさかのクラブミュージック。ゴリゴリのHipHopあり、R&Bあり、ダンスポップありと、とにかくやりたいことを詰め込んだ一作。いい意味で今年一番期待を裏切ってくれた作品。

Pick Up:「Money」

中毒性のあるマーロフのトランペットとエリック・ザ・アーキテクト(Erick the Architect)のゴリゴリのラップの奇跡のマリアージュ。最近のどのHipHopよりもHipHopしてるのが面白い。

第5位:Friends And Other Necessities / Swatkins (アメリカ)

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「トークボックスマスター」を自称するマルチ奏者、スティーブ・ワトキンス(Steve Watkins)の最新作。
往年のファンクマナーに則りながらも心地よいアレンジでハッピーヴァイブスが湧き出す、時間を忘れる至福の40分。良質な音楽とはまさにこのこと。

Pick Up:「Lost & Alive」

モーレア・マサ(Moorea Masa)のボーカルがとにかく伸びやか。サビのドラマチックな展開も思わずにやけてしまうほどの完成度。

第4位: Starfruit / MoonChild(アメリカ)

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新世代ネオ・ソウルバンド、ムーンチャイルド(Moonchild)の最新作の決め手は圧倒的な安定感。どんなシーンでも再生した瞬間に空気を変える存在感と楽曲のクオリティは、グラスパーの『Black Radio 』やノラ・ジョーンズ(Norah Jones)『Come Away With Me』のに初めて触れた時の感触。

Pick Up:「Tell Him」

空気を変えることのできる破壊力を秘めた一曲。レイラ・ハサウェイ(Lalah Hathaway)を迎えてはいるものの、アンバー・ナヴラン(Amber Navran)の繊細な歌声こそが、このバンドの空気を形作っている事の証左とも言える一曲。

第3位: Quicksand / Bialystocks(日本)

年末にリリースし、一気に心を奪っていった恐るべき日本の2人組バンドの最新作。
ジャズをベースに、ボーカルで映画監督でもある甫木元空(ほきもとそら)の世界観が強く反映された楽曲群が、身の周りにあるもの全てをドラマチックに変えてくれる魔法のような作品。

Pick Up:「灯台」

説明のしようがない不思議な高揚感と自己肯定感を与えてくれる楽曲。ファルセットで歌い上げる部分はKing Gnuのようでもあり、若い世代にも聴いてもらいたい一曲。

第2位: Fragments / Sala(日本)

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厳密にいうと今年の作品ではないが、今年アナログ盤がリリースされたこともあり選出。
6曲・約20分という短さもあるが、恐らく今年一番聴いたアルバム。19歳の複雑な感情・感性がこぼれることなく見事に楽曲という形にまとまった結晶とも呼ぶべきR&B作品。

Pick Up:「Bossa」

オシャレなトラックに乗っかるsalaの繊細なボーカルが心地よいコーヒーアンセム。才能溢れまくってます。

第1位: Not TiGHT / DOMi & JD BECK(アメリカ)

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これは正直迷わなかったというか、今年の音楽のハイライトとも言うべきアルバム。ジャンルレスにどこから切ってもいい音楽。しかもこんなにも若い二人がこれらを作り上げたという事実。聴くたびにワクワクが止まらない、これから先も聴き続けるであろう歴史的名盤。

Pick Up:「U DON’T HAVE TO ME」

客演が多く参加する本作の中でも珍しい、二人のボーカルが収録された楽曲。抑えの効いたアンニュイな歌い方が楽曲にもマッチしており、意外にこれがハマる。

いかがでしたでしょうか。ワン・ツーフィニッシュをいずれも若いアーティストが占めた22年。
一方でここには取り上げませんでしたが、R&B界においてはクレイグ・デイヴィッド(Craig David)ジョン・レジェンド(John Legend)といったベテランも立て続けに作品をリリースした年でもありました。

来年はまたどんな「いい音楽」と出会えるのか。

これからもMúsica Terra(ムジカテーハ)およびTwitterにて発信をしてまいりますので、皆さんの音楽ライフの一助になれば幸いです。では!

DJ mitsu 

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