エリック・クラズノーとスタントン・ムーアの新プロジェクト始動! オルガンジャズに浸る新譜

Krasno/Moore Project: Book of Queens

『Krasno/Moore Project: Book of Queens』

米国のジャムバンド・シーンの立役者の二人、ギタリストのエリック・クラズノー(Eric Krasno)とドラマーのスタントン・ムーア(Stanton Moore)が新たなプロジェクトを始動した。『Krasno/Moore Project: Book of Queens』と題された彼らの最初のアルバムで、卓越したグルーヴ・マスターの共演を楽しむことができる。

アルバムはオルガン・トリオを基本編成としている。オルガン奏者はエリック・クラズノーのバンド「E3」のオルガン奏者エリック・フィンランド(Eric Finland)。
演奏は全体的にブルースを基調としたジャズで、ファンクやロックなどにも影響を受けた即興による所謂“ジャムバンド”の範疇にあり、奇抜さはなくフレーズもマイナー・ペンタトニックの多用など斬新さもないが、リラックスした場末のジャムセッションを思わせるアンサンブルは最高に心地よい。

(3)「Slow Burn」

数曲でゲストも参加しており、(5)「Stay High」ではコリー・ヘンリー(Cory Henry)がシンセサイザーで参加。ピッチベンドを多用し、少し歪み気味でディレイを軽く乗せた音色はまるでギターのようだ。

(6)「Fever」にはサックス奏者のブランフォード・マルサリス(Branford Marsalis)が参加。ラストの(9)「I Wish I Knew How It Would Feel To Be Free」にはペダル・スティール・ギターの名手ロバート・ランドルフ(Robert Randolph)が参加し、ソウルフルな黒人音楽のエッセンスを加える。

(9)「I Wish I Knew How It Would Feel To Be Free」

Eric Krasno プロフィール

ギタリストのエリック・クラズノーは1976年米国コネチカット州生まれ。高校時代、バークリー音楽大学の5週間のサマー・パフォーマンス・プログラムに参加し、将来のバンド仲間となるドラマーのアダム・ダイチ(Adam Deitch)、ギタリストのアダム・スミルノフ(Adam Smirnoff)、サクソフォニストのライアン・ゾイディス(Ryan Zoidis)、ベーシストのエリック・クームズ(Erick Coomes)らと出会っている。

1999年にオルガン奏者のニール・エヴァンス(Neal Evans)とドラマーのアラン・エヴァンス(Alan Evans)と共にソウライヴ(Soulive)を結成し、ジャムバンド・ブームを牽引した。
ギタリストとして参加したテデスキ・トラックス・バンド(Tedeschi Trucks Band)とデレク・トラックス・バンド(Derek Trucks Band)でそれぞれグラミー賞を獲得。ノラ・ジョーンズ(Norah Jones)、アーロン・ネヴィル(Aaron Neville)、50セント(50 Cent)、ロバート・ランドルフ(Robert Randolph)といった幅広い世代/ジャンルのミュージシャンと共演。さらにプロデューサーとしても多忙な日々を送っている。

Stanton Moore プロフィール

ドラマーのスタントン・ムーアは1972年ルイジアナ州ニューオーリンズ生まれ。ニューオーリンズ・ジャズに強く影響されたファンク/ジャムバンド、ギャラクティック(Galactic)の創立メンバーであり、1998年の『All Kooked Out!』を皮切りにソロ活動や、Galacticのサックス奏者スケーリック(Skerik)と多弦ギタリストのチャーリー・ハンター(Charlie Hunter)と結成したガレージ・ア・トロワ(Garage a Trois)などでの活動でも知られている。

安定したリズムの中に独自のグルーヴを持ち、かつライヴ・エフェクトの探求など独自のプレイスタイルが魅力で、カリスマ的なドラマーとして絶大な人気を誇る。

Eric Krasno – guitar
Stanton Moore – drums
Eric Finland – mellotron, piano, keyboards, organ
Cory Henry – synthesizer (5)
Branford Marsalis – tenor saxophone (6)
Robert Randolph – pedal steel (9)

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