パーカッションも乱れ飛ぶスリランカのプログレバンド、Thriloka
スリランカのプログレッシヴ・ロックバンド、Thriloka による2009年作『Bisura』が面白い。“3つの世界”を意味するバンド名の彼らは、パーカッション奏者パバル・ウィジェグナワルダネ(Pabalu Wijegoonawardane)を中心に、ロックなギター、ジャジーなピアノがエスニックな旋律の中で飛び交う。ほかの多くのプログレバンドと同じようにクラシックやロック、メタル、ラテン、ジャズなどの要素を混ぜ合いながら、Thrilokaはスリランカ独自の音楽文化を反映していく。
彼らの音楽性は良い意味で粗野と洗練のちょうど狭間のような感覚で、おそらくはメンバーそれぞれが異なる音楽的嗜好やバックグラウンドを持っていながら、ある意味奇跡的な反応が発生したバンドなのだろう。
本作が彼らのデビュー作のようで、演奏には躍動感がみなぎる。世界中のあらゆる音楽の最高のものを融合するという絶え間ない探求の精神、そして伝統文化を発信するという使命感を持った良いバンドだ。
彼らは何枚かのアルバムをリリースしているようだが、サブスクではこのデビュー作『Bisura』しか聴くことができなかった。