アジア
- 2023-09-12
- 2023-09-12
チベットを代表するSSWユンチェン・ラモ。たった一滴の優しさから変わる人生、そして世界
チベット出身のシンガーソングライター、ユンチェン・ラモ(Yungchen Lhamo)。清く澄んだ高音、深みのある中低音、さらにはマントラも組み合わせてチベット仏教の瞑想的な表現を歌う彼女の音楽は神々しく、心に平穏を与えてくれる。新作『One Drop of Kindness』は美しく魅惑的で、心の底から素晴らしいと思わせてくれる稀有な音楽だ。
- 2023-09-11
- 2023-09-11
ベトナム系スーパーギタリスト、グェン・レ。独自の感性で綴る奇矯ジャズ『Silk and Sand』
ベトナム系フランス人ギタリスト、グェン・レ(Nguyên Lê)の新生トリオによる新作『Silk and Sand』。ベースにカナダ出身のクリス・ジェニングス(Chris Jennings)、パーカッションにモロッコ出身のラーニ・クリージャ(Rhani Krija)という俊英を迎え、アジアのテイストが感じられる彼らしい特別なギタージャズ/フュージョンを展開する。
- 2023-08-28
- 2023-08-29
天才女性ベーシスト、モヒニ・デイ。18年間の音楽活動の成果を示す驚愕のファースト・アルバム
1996年インド生まれ。10歳の頃からベーシストとして活動を開始し、天才少女の名を欲しいままにしたモヒニ・デイ(Mohini Dey)のデビューアルバム『Mohini Dey』がリリースされた。アルバムにはインド、アメリカ合衆国、イギリス、ハンガリーなどから凄腕のミュージシャンが集結。メタル、ロック、プログレ、ジャズと幅広い分野で女性ベーシストの頂点に君臨する彼女の圧巻の演奏を堪能することができる作品となっている。
- 2023-07-30
- 2023-07-30
モンゴル出身歌手Enji、ジョアナ・ケイロスも参加したアジア的抒情の傑作ジャズ・ヴォーカル作
モンゴル出身の歌手エンジ(Enji)が待望のサードアルバム『Ulaan』をリリースした。前作から引き続きポール・ブランドルがギターを、モンゴル出身のムングントフチ・ソルモンバヤルがダブルベースを担当。さらに今作ではブラジルのクラリネット奏者ジョアナ・ケイロスとドラムス奏者マリア・ポルトガルが全面参加し、アジア的な雰囲気のソングライティングとブラジルの洗練された現代ジャズのエッセンスが魔法のように融合。前作を上回る素晴らしい作品に仕上がっている。
- 2023-06-06
- 2023-06-05
ジャズ、ラテン、スリランカ伝統音楽などが混在する強烈プログレ。Thriloka のデビュー作『Bisura』
スリランカのプログレッシヴ・ロックバンド、Thriloka による2009年作『Bisura』が面白い。“3つの世界”を意味するバンド名の彼らは、パーカッション奏者パバル・ウィジェグナワルダネ(Pabalu Wijegoonawardane)を中心に、ロックなギター、ジャジーなピアノがエスニックな旋律の中で飛び交う。ほかの多くのプログレバンドと同じようにクラシックやロック、ラテン、ジャズなどの要素を混ぜ合いながら、Thrilokaはスリランカ独自の音楽文化を反映していく。
- 2023-06-03
- 2023-08-19
ポーランドのEABS×パキスタンのJaubi、7,000kmの距離を超えた革新的バンド同士の初コラボ!
ポーランドの革新的ジャズ・クインテットのEABSと、パキスタンのスピルチュアル・ジャズバンドのJaubiがコラボレーション!ヨーロッパとアジア、その伝統と革新が入り乱れた圧巻のアルバム『In Search of a Better Tomorrow』がリリースされた。これは2023年のジャズ/グローバル・ミュージックのひとつの事件のようなものだ。
- 2023-05-10
- 2023-09-18
どこまでも澄んだ音色に心が奪われる。ペルシャのケマンチェ&西アフリカのコラの幽玄な即興デュオ
イラン出身のケマンチェ奏者カイハン・カルホール(Kayhan Kalhor)と、マリのコラ奏者トゥマニ・ジャバテ(Toumani Diabaté)がデュオを組み、事前の取り決めをほとんど何も行わずに即興で演奏したアルバム『The Sky Is the Same Colour Everywhere』。ペルシャと西アフリカ、ふたつの伝統的な弦楽器が奏でる音楽は国や言葉、文化の壁に阻まれず、どこまでも幽玄で美しい。
- 2023-01-23
- 2023-01-23
心落ち着く至高のギター・ミュージック。名手トーパティ、2022年の新作『True Love』
インドネシアを代表するギタリスト、トーパティ(Tohpati)の最新アコースティック・アルバム『True Love』。柔らかなガットギターを中心とした聴き心地の良いジャズで、リラックスしたいときや、作業に集中するためのBGMとしても重宝する作品だ。
- 2022-10-22
- 2022-10-22
上海発。ボーダーレス・ジャンルレスな新世代の歌姫ヴォイジョン・シー、傑作デビューアルバム!
中国・上海の若手ヴォーカリスト、ヴォイジョン・シー(Voision Xi, 喜辰晨)のデビューアルバム『Lost for Words』が素晴らしい。上海や台湾のミュージシャンを集めて制作された今作はアジアのジャズの未来を感じ取る上でも重要な作品となるだろう。
- 2022-09-24
- 2022-09-23
ボルネオ島の伝統文化を現代に伝えるSSW/サペ奏者アレナ・ムラン、洗練された2nd『Sky Songs』
マレーシア・サラワク州クチン出身のSSW/サペ奏者のアレナ・ムラン(Alena Murang)が台湾のレーベルから新譜『Sky Songs』をリリースした。彼女のルーツであるボルネオ島の先住民族ケラビット族らの伝統にインスパイアされた物語をサペの温かな音色に乗せて歌う、聴きやすく素晴らしい作品に仕上がっている。
- 2022-05-30
- 2022-10-01
インド生まれのクラリネット奏者アルン・ゴーシュ、多様な楽器を自演した注目の新作
インド系イギリス人クラリネット/マルチ奏者、アルン・ゴーシュ(Arun Ghosh)の5枚目のアルバム『Seclused in Light』は、適度にポップで適度にエキゾチックな、なかなか他にはない興味深いジャズ作品だ。インド・コルカタに生まれ、イングランドのボルトンで育ち、マンチェスターで成熟し、現在はロンドンに住む彼の音楽は、その豊かな地理的土壌を強く反映したミクスチャー音楽となっている。
- 2022-05-21
- 2022-10-01
南インド音楽と現代ジャズの驚くべき融合、才媛アプールヴァ・クリシュナのグローバル・デビュー
カルナーティック音楽に精通し、ジャズやフラメンコ、ラテンといった様々な音楽へと発展的融合を試みるヴァイオリニスト/作曲家アプールヴァ・クリシュナ(Apoorva Krishna)の『Intuition』は驚きに満ちた作品だ。コンテンポラリー・ジャズと南インド音楽の融合と一言で片付けてしまうにはあまりに軽く、彼女がさまざまな音楽的実験を経て辿り着いた成果を斬新で心地よいリスナー体験にまで昇華させ届けてくれる大傑作。
- 2022-02-02
- 2022-10-01
【インタビュー】日々の暮らしにやさしく寄り添うアンサリー新譜『はじまりのとき』
アン・サリーの新譜『はじまりのとき』は13曲中10曲がオリジナルで、これまで以上に彼女の等身大の感情が素直に現れている。飾らない言葉とメロディーがすっと心の隙間に染み込んでくるような彼女の歌は、多くの人にとってこれからの人生で大切な宝物になるだろう。音楽家としてだけでなく医師・母親として日々の生活を送るアン・サリーさんに、これらの楽曲が生まれた背景などを伺ってみた。
- 2021-11-26
- 2023-03-12
中華と北欧の文化をつなぐチェコ出身SSW、バルボラ・シュウの素晴らしいデビュー作
チェコ共和国に生まれ、台湾とフィンランドで生活するバルボラ・シュウ(Barbora Xu, 中国名:許寶靈)は中国の古筝(グーチェン, gu zheng)とフィンランドのカンテレというともにツィター属の撥弦楽器を操る珍しいシンガーソングライターだ。デビューアルバムとなった『Olin Ennen』では、中国とフィンランドという約6,000kmも離れた地同士の文化の驚くべき共通項を、それぞれの地域で古くから用いられている同属の楽器を通して静かに描き出す。