ファビアーナ・コッツァ、ネイ・ロペスの新曲を歌う! サンバの伝統美が満載の新譜『Urucungo』

Fabiana Cozza - Urucungo

ブラジル新旧世代が集うサンバ新譜 ファビアーナ・コッツァ『Urucungo』

ブラジルを代表するサンバ歌手ファビアーナ・コッツァ(Fabiana Cozza)が、同じく伝説的サンビスタで今年80歳になるリオデジャネイロ出身の作曲家ネイ・ロペス(Nei Lopes)の新曲を歌ったアルバム『Urucungo』をリリースした。アルバムには7弦ギタリストのジアン・コヘア(Gian Correa)やバンドリン奏者エンリケ・アラウージョ(Henrique Araújo)といった現在のブラジル音楽シーンを代表する若手のほか、ゲストでイレッシ(Ilessi)やギンガ(Guinga)なども参加し正統派のサンバ・アルバムとして圧倒的なクオリティの作品に仕上がっている。

ファビアーナ・コッツァは1976年サンパウロ生まれの女性歌手。エリス・ヘジーナ(Elis Regina, 1945 – 1982)、エリゼッチ・カルドーゾ(Elizeth Cardoso, 1920 – 1990)、クララ・ヌネス(Clara Nunes, 1942 – 1983)といった存在と比較されるほど、当代最高の歌手と称えらている。その慈しみ深い声は今作でも圧巻で、ネイ・ロペスのサウダーヂを含んだ魅力的な楽曲をより輝かせる。

(1)「Dia De Glória」には老練の女性サンビスタ、レシ・ブランダン(Leci Brandão)がゲスト参加しファビアーナとともに歌う。
(2)「Urucungo」は弓形の楽器ビリンバウの別名をタイトルに冠しており、アフロブラジル音楽の特徴を持つ。アルバムのタイトルはファビアーナ・コッツァのこれまでの作品のほぼ全てのタイトルを考えた20年来の友人であるペルナンブーコの作家マルセリーノ・フレイリ(Marcelino Freire)が名付けており、ブラジルにおけるアフリカ起源の民間信仰の尊重や、反人種差別闘争におけるアーティストたちの貢献を称える意味合いも含まれているようだ。

(1)「Dia De Glória」

(3)「Já Não Manda Em Mim」はイヴァン・リンス(Ivan Lins)とヴィトール・マルチンス(Vitor Martins)、そしてネイ・ロペスによる楽曲で、この3人による共作は1982年にベッチ・カルヴァーリョ(Beth Carvalho)が歌った「Traço de União」以来とのこと。
(4)「Ofertório」は名作曲家フランシス・ハイミ(Francis Hime)との共作で、フランシス自身もピアノを演奏している。

(6)「Alquimias」には若手サンバ歌手の最高峰、イレッシ(Ilessi)が参加。

作曲家/ギタリストのギンガ(Guinga)をフィーチュアした(7)「Jurutaí」も特筆すべきだ。この曲はネイ・ロペスの詩がギンガ特有の哲学的な音楽の世界に完全に溶け込んでおり、ギンガ自身がかつて「Maviosa」というタイトルで自作の詩で歌ったものをアップデートしている。

ラストの(12)「Quesitos」にはネイ・ロペス自身がヴォーカルで参加し、高齢とは思えない伸びやかで美しい声でファビアーナとのデュエットを聴かせてくれる。

Alfredo Castro – percussion
André Fajersztajn – clarinet, clarone
Beatriz Pacheco – flute, soprano saxophone
Douglas Alonso – drums, percussion
Gian Correa – 7-string guitar, cavaquinho (12)
Henrique Araújo – bandolim, cavaquinho, tenor guitar (8)
Tiganá Macedo – percussion
Vanessa Ferreira – acoustic bass
Xeina Barros – percussion

Guests :
Leci Brandão – vocal (1)
Francis Hime – piano (4)
João Camarero – guitar (5)
Ilessi – vocal (6)
Guinga – guitar, vocal (9)
Nei Lopes – vocal (12)

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