プリミティヴな“サウダーヂ”を体現するベルリンの多国籍バンド、A Panda do Sol『Homenagem』

A Panda do Sol - Homenagem

ドイツの多国籍ブラジル音楽バンド、A Panda do Sol 新作

フランス、ブラジル、ポルトガル、コロンビア、ドイツ出身の男女で構成され、ベルリンを拠点に活動するブラジル音楽グループ、ア・パンダ・ド・ソル(A Panda do Sol)はブラジル外に在りながらエモーショナルなサウダーヂ感に溢れた素晴らしいサンバを奏でるバンドだ。ギタリスト/SSWのフェリックス・ユエ(Félix Huet)を中心に2016年に結成された彼らの現時点の最新作『Homenagem』(2022年)は、ブラジルでサンバという素晴らしい音楽を築き上げてきた作曲家たちへの深い愛情が伝わる温かな作品となっている。

楽曲はすべてカヴァーで、パウリーニョ・ダ・ヴィオラ(Paulinho da Viola)やノエル・ホーザ(Noel Rosa)、ネルソン・カヴァキーニョ(Nelson Cavaquinho)といった著名な8人のサンビスタたちの作品を収録。ガットギター(ヴィオラォン)にカヴァキーニョ、パンデイロ、スルド、タンボリン、クイーカといったサンバの基本を成す楽器に加え、トランペット、トロンボーン、サックス、クラリネットの管楽器隊も組み込まれた9人編成のバンドのサウンドは本格的だが、どこかブラジル本土とは異なる空気感も生み出す。

(2)「Conversa de Malandro」。作曲はパウリーニョ・ダ・ヴィオラ

パウリーニョ・ダ・ヴィオラ作曲の(2)「Conversa de Malandro」の原曲は長調だが、今作でフェリックス・ユエはこれを短調にアレンジ。雰囲気をがらりと変え、まるで別の曲かのようにみせる。

その後に続くノエル・ホーザ作曲の(3)「Filosofia」やイズマエル・シルヴァ(Ismael Silva)作曲の(4)「Para me livrar do Mal」などもとにかく素晴らしく、日本に並んでサンバやボサノヴァをありのままに受容してきたフランスを始めとするヨーロッパの感受性や包容力を感じさせる。リスナーは今作を通じて、サンバという音楽が持つ普遍の魅力にあらためて気付かされるだろう。

A Panda do Sol :
Félix Huet – vocals, guitar 
Héléna Fontaine – vocals, cavaquinho 
Oscar Buschinger – clarinet, vocals 
Antonio de Silóniz – tenor saxophone 
Yannick Mäntele – trumpet 
Marleen Dahms – trombone 
Raúl Gonzalez – tamborim, agogo, ganza 
Camila Berrio – pandeiro, vocals 
Alex Rigaud – surdo

TRACKLIST & COMPOSERS :
1. Jarro da Saudade – Carmen Costa (interpreter) Daniel Barbosa, Mirabeau and Geraldo Blota (1956)
2. Conversa de Malandro – Paulinho da Viola (1965)
3. Filosofia – Noel Rosa (1933)
4. Para me livrar do Mal – Ismael Silva (1932)
5. Meu Viver – Elton Medeiros (1965)
6. Visita triste – Nelson Cavaquinho (1973)
7. Emilia (Emilio) – Wilson Batista (1941)
8. Silencio Tamborim – Candeia (1970)

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