総合芸術としての音楽を探求する6人組Aligaga、ユーモラスでクリエイティヴな新譜

Aligaga - Music Might Help

Aligaga、好奇心に満ちたクリエイティヴな新譜『Music Might Help』

オランダの音楽学校で出会った6人の若者たちにより2014年に結成されたジャズバンド、アリガガ(Aligaga)。2023年の新譜『Music Might Help』は、彼らの好奇心に満ちた音楽の世界観を存分に楽しめる作品だ。

バンドはイタリア生まれのベーシスト、フェデリコ・コルシーニ(Federco Corsini)がリーダーを務める。彼は理想主義的なポスト・シュルレアリスム・アーティストであり、その興味の範囲は詩から哲学、深層心理学、人類学、神秘主義と宗教から社会行動にまで及ぶという。カオスと調和が同時に存在する今作は、人生そのものがアートであるという彼の独自の世界観の表出なのだろう。

メンバーは他にデンマーク出身のアルトサックス奏者ヨン・センスマイヤー(Jon Sensmeier)、オランダ生まれのドラムス奏者ダニエル・ヨンカース(Daniel Jonkers)、ベルギー出身のテナーサックス奏者ヨース・ヴァンデューレン(Joos Vandueren)、同じくベルギーの鍵盤奏者レオナルド・シュタイガーヴァルト(Leonard Steigerwald)という編成。また、韓国出身のギタリストのキム・テジョン(Taejung Kim)もメンバーだが、今作では2曲のみの参加で実質的には準メンバー的なポジションとなっているようだ。

(1)「Trojan Alligator」のMV。ワニ役はAligaga準メンバーのキム・テジョン
※冒頭音量注意

アルバムには14曲が収録されているが、そのうち6曲は英語でのストーリーテリングとそのバックでインプロヴィゼーションが行われるというもの。ゲストシンガー、ヴァネサ・ディアス・ジル(Vanesa Diaz Gil)が歌うヴォーカル曲も2曲((3)「Hurrycane」と(14)「Il Mare」)あり、アルバム全体として非常に概念的な印象を受ける興味深い作品だ。

(5)「Untranslatable」のライヴ演奏

Aligaga :
Federco Corsini – double bass, voice
Leonard Steigerwald – piano, synth, voice
Daniel Jonkers – drums, percussions, voice
Joos Vandueren – tenor sax, effects, voice
Jon Sensmeier – alto sax, effects, voice

Guests :
Vanesa Diaz Gil – voice (3, 14)
Taejung Kim – guitar (12, 14)
Chaeyeon Lee – piano (story impros)
Ee – tenor saxophone (story impros)
Simon Vandueren – storyteller
Theun and Joos Vandueren – story characters

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