ブラジルの女性SSWクラリッサ・フェレイラ、エコフェミニズムを主題にした初ソロ作『LaVaca』

Clarissa Ferreira - LaVaca

クラリッサ・フェレイラ、ナチュラル&オーガニックなデビュー作

ブラジル最南端リオグランデ・ド・スル州出身のシンガーソングライター、クラリッサ・フェレイラ(Clarissa Ferreira)による初のオリジナルアルバム『LaVaca』は、素朴な美しさを湛えた素敵な音に満ちた作品だ。

2018年に結成された女性グループ「As Tubas」で数々の舞台を経験してきた彼女が今作でテーマとするのはエコフェミニズム。エコフェミニズムとはエコロジーとフェミニズムの概念を掛け合わせた思想や社会・経済活動のことで、女性の抑圧と自然破壊には関連があるという考えに基づく。女性は自然とより密接に関係しており、女性の視点・経験を大切にすることが持続可能な社会を実現するために重要だという主張だ。

アルバムは全編、彼女が弾くヴィオラォン(ナイロン弦ギター)を中心に、弦楽四重奏やパーカッションなどアコースティック楽器中心の編成。クラリッサ・フェレイラ自身を中心に多様なゲストによるヴォーカルもナチュラルで、とにかく温かな耳障りが素晴らしい。

(4)「Flor extinta」

(2)「Abuelita」ではインドの民族楽器シタールがフィーチュアされるなど、インドの伝統的な文化や思想にも呼応する。曲種も多様性に富み、詩的・社会的なメッセージを抜きに単純に音楽として聴いても充分に素晴らしい作品だ。

(2)「Abuelita」
Clarissa Ferreira - LaVaca
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