どこか懐かしい気分を誘う、ベルギーの新進エチオジャズバンド、Kolonel Djafaar

Kolonel Djafaar - Getaway

注目のエチオジャズバンド、コロネル・ジャファール新譜『Getaway』

ベルギーのエチオジャズバンド、コロネル・ジャファール(Kolonel Djafaar)の2ndアルバム『Getaway』がリリースされた。エチオピアに特徴的な音階(いわゆる“ヨナ抜き”、日本の演歌で用いられる音階と同一のもの)がアフロビート/ファンク/サイケロックがシームレスに融合するサウンドに乗り、どこか郷愁を感じさせる魅惑のグルーヴを生み出す。

テナーサックスのドゥイン・スミス(Doyin Smith)を中心として結成されたコロネル・ジャファールは2019年に『Forgotten Kingdom』でデビュー。2021年にBatov RecordsからリリースしたEP『Cold Heat』は多くのDJたちによって紹介され、世界的な知名度を得た。
今作は2022年2月に録音された3曲と、同年8月に新しいメンバーであるトランペッターのエミエル・ローリセン(Emiel Lauryssen)とギタリストのフィリップ・マタイセンセンス(Philip Matthhijnssens)が加わり録音されたそのほかの曲で構成される。

2022年のライヴ映像

アルバムはサーフミュージック風のギターのリフで導かれる(1)「Urban Dweller」で幕を開ける。力強いサックスやトランペット、オルガンのアンサンブル。そして強烈なグルーヴを生み出すベースとドラムスが雪崩れ込むとすぐに絶頂を迎え、3分半があっという間に過ぎ去る。

(2)「Ponyard」はエチオジャズらしさが満載。日本人にとっては、馴染み深い演歌のようでいて何故か異国情緒も漂うという不思議な感覚を味わえるのではないだろうか。

中東的な雰囲気が漂う(3)「I Call Her Winnie」、4管によるリフが印象的な(4)「Convoi Exceptionnel」、妙にムーディーな(5)「Kelmendi」、より実験的な(6)「Sirens’ Glitch」など、それぞれ少しずつ味付けの違う楽曲群には愛すべきいなたさがあり、多くの人の琴線を震わせるはずだ。

(6)「Sirens’ Glitch」

Kolonel Djafaar :
Doyin Smith – tenor saxophone
Lodewijk Lefevre – baritone saxophone
Emiel Lauryssen – trumpet
Tom Speelman – keyboards
Philip Mathijnssens – guitar
Jan De Groote – bass
Marcos Della Rocha – percussion
Anton Van Hove – drums

Dylan Meersman – trumpet (3, 4)
Willem de Mol – trombone (3, 4, 6)
Joris Wendelen – guitar (3, 4, 6)

Kolonel Djafaar - Getaway
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