イタリア発の熱狂的ジャズ・コレクティヴ Addict Ameba、宇宙的カオスを醸す2nd『Caosmosi』

Addict Ameba - Caosmosi

酔狂のジャズ・コレクティヴ、アディクト・アメーバ新譜

イタリア・ミラノを拠点に活動するジャズ・コレクティヴ、アディクト・アメーバ(Addict Ameba) の2ndアルバム『Caosmosi』。10人編成のバンドが奏でる音楽はジャズ、アフロビート、ブラジリアン、サイケロックといった要素が豊かに混ざり合い、極彩色の地平へとリスナーを連れてゆく。アルバムのタイトルはフランスの哲学者フェリックス・ガタリ(Félix Guattari, 1930 – 1992)の最後の著書『Chaosmosis』にインスパイアされており、創造性と無秩序がもたらす無限の可能性を称賛している。

(1)「Look at Us」ではナイジェリア系英国人の詩人/スポークン・ワード・アーティスト、ジョシュア・アイデヘン(Joshua Idehen)をフィーチュア。祈りとも叫びともつかない声に導かれ、バンドリーダーであり作曲家のLorenzことロレンツォ・ファロルフィ(Lorenzo Farolfi)が弾くギターのカッティングが始まると、すぐにパーカッションや管楽器も絡み合って有機的なグルーヴで盛り上げる。

(2)「Caosmosi」にはブラジルやラテンの熱風が吹く。リズムだけでなくメロディー、コード進行も重視され、ワンコードで突き通すような種類の音楽とは一線を画しているのも彼らの音楽の特長だ。即興もあるが、全体的には構成が考え抜かれた作風。何よりもメロディックであるという点は彼らの大きな強みだ。

(2)「Caosmosi」

(6)「Ya Bled」にはチュニジア出身の俳優/ミュージシャンであるラビィ・ブラヒム(Rabii Brahim)が参加。現在イタリアで活躍する彼は祖国への愛を歌い、移民が異国の地で抱く郷愁や混乱について語っている。
ラストの(7)「Por Nostalgia」はリズムも旋律も郷愁を感じさせ、アルバムの終幕に相応しい。

アルバムは全7曲を収録。合計28分間という尺は、この熱狂的なサウンドに浸れば一瞬のように感じられるだろう。

(2)「Caosmosi」のライヴ演奏動画

Addict Ameba :
Lorenz – guitar
Davide Boselli – bass
Alexandre Cayuela Castilla – percussion
Paolo Cerruto – voice, percussion
Lorenzo Faraò – saxophone
Julie Ant – drums
Edoardo Leveratto – trumpet
Beatrice Montinaro – percussion
Niccolò Pozzi – trombone
Thomas Umbaca – keyboards

Guests :
Joshua Idehen – spoken word (1)
Rabii Brahim – vocal (6)

Addict Ameba - Caosmosi
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