サン・アンドレウ出身マガリ・ダッチラ、瑞々しい才能が詰め込まれた新譜『La salut i la bellesa』

Magalí Datzira - La salut i la bellesa

バルセロナの若き才能、マガリ・ダッチラ新作

世界的に有名なスペイン・バルセロナの青少年ジャズバンド、サン・アンドレウ・ジャズバンド出身のベーシスト/歌手/作曲家マガリ・ダッチラ(Magalí Datzira)が新作『La salut i la bellesa』をリリースした。アルバムは全17曲40分というボリュームで、その中にはジャズやエレクトロ・ポップ、ヒップホップ、地中海の伝統音楽など様々なスタイルが宝石箱のように詰め込まれ、彼女の溢れ出る瑞々しい才能をさりげなく、誇らしげに示している。

“健康と美しさ”の意味をもつアルバムのタイトルのとおり、気負わず自然体で歌う姿が印象的だ。楽曲は歌や声による表現にフォーカスしており、コントラバスはもちろん彼女自身による演奏だが、それよりも日常のすぐ傍に寄り添うような親密な“歌”の表現力がこの上なく素晴らしい。

(1)「Hi ha un abisme」のMV。現実にいながらも、どこか浮ついた非現実の視点を取り入れている。

今作に通底したテーマは人生の若い時期に潜む深淵だ。恋愛の様々な段階やパラノイア、自分自身を大事にし、そして誰かから大事にしてもらうこと。大切な人々との繋がり。
彼女の歌は繊細かつ、魂が込められた豊かな表現力がありどこまでも魅力的だ。

Magalí Datzira プロフィール

マガリ・ダッチラは1997年スペイン・バルセロナ生まれ。7歳の頃からコントラバスを始め、ジョアン・チャモロ(Joan Chamorro)が主宰するユース・ジャズバンドであるサン・アンドレウ・ジャズ・バンド(Sant Andreu Jazz Band)に13歳で加入しベースを担当。同バンドの最初の国際的スターであるトランペット/歌手のアンドレア・モティス(Andrea Motis)とサックス/歌手エヴァ・フェルナンデス(Eva Fernández)が卒業したあとのフロントとして抜擢され、ベースを弾きながら歌う姿を披露。2014年には『Joan Chamorro Presenta Magalí Datzira』でアルバム・デビューを果たしている。

アコースティックベース、エレクトリックベースを弾きながら歌う成熟した表現力が魅力で、サックス奏者の兄イスクル・ダッチラ(Iscle Datzira)とのデュオ、ダッチラ・ブラザーズ(Datzira Brothers)での活動も行っていた。

2021年のソロ名義のEP『</3』、2023年の初のフルレンス・アルバム『Des de la cuina』も素晴らしい作品だ。

Magalí Datzira Sallas – contrabass, vocal
Toni Mora Tur – piano
David Gimeno Alemany – drums
Vernat (Bernat Tortajada Català) – electric guitar, acoustic guitar
Iscle Datzira Sallas – saxophone
Bruna González Subirà – cello
Rita Salgado Ricart – horn
Neus Aranda Parés – trumpet

Guests :
Mr. J. Medeiros – vocal (11)
Marco Castello – vocal (16)

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