レゲエとボサノヴァに恋するクロード・フォンテーヌ、程よい軽さが心地よい新作『La Mer』

Claude Fontaine - La Mer

Claude Fontaine 新譜『La Mer』

レゲエとボサノヴァを60〜70年代のフレンチポップ・テイストで歌うアメリカ合衆国のシンガーソングライター、クロード・フォンテーヌ(Claude Fontaine)の2ndアルバム『La Mer』がリリースされた。
“ホンモノ”を求めるなら他を当たった方が良いが、気軽に夏の終わりのアンニュイをいい感じのムードで包み、なんとなくアダルトで小洒落た時間を過ごしたいなら、この作品をおすすめしたい。

前作は前半にレゲエ、後半にボサノヴァと楽曲が配置されていたが、今作はボサノヴァとレゲエが交互に配置されている。ボサノヴァ風の(1)「Vaqueiro」はあまりに単調なコード進行とグルーヴ感に乏しいベースは酷いものだが、カヴァキーニョはがんばっている。クロード・フォンテーヌの囁くようなヴォーカルは楽曲をより“軽く”する。──だが、この社会にはこのような音楽が似合う場面の方が遥かに多いのだ。そうしたシチュエーションでは、ここから始まるクロード・フォンテーヌというフランス風の名前を名乗るアメリカ人女性SSWのこのアルバムはうってつけだ。

(1)「Vaqueiro」

一瞬「Fly Me To the Moon」かと聴き紛うレゲエ・ナンバー(2)「Love the Way You Love」。
(3)「Green Ivy Tapestry」は今作中でもっともボサノヴァのコード感があり、サンバも意識した良曲だが、歌詞は英語。

(4)「Laissez-Moi L’aimer」はフランス語で歌われ、ますますレゲエとフレンチポップの境界を無邪気に曖昧にする。

(4)「Laissez-Moi L’aimer」

(5)「Concha do Mar」は、とても良い。1曲目であれほどグルーヴを感じなかったベースには素晴らしいグルーヴが生まれ、複数のパーカッションや鋭くリズムを刻むガットギター、そして彩りを添えるホーン隊も良い。メロディーはキャッチーで、彼女の“軽さ”がサウンドに良い方向でうまくマッチしていると感じる。今作のキラートラックだろう。

(5)「Concha do Mar」

“海辺のユートピア”でも、“夏の忘れもの”でも、なんとでも好きなように呼ぶがいい。あなたがもしレイヴェイ(Laufey)がお好きなら、彼女のこともきっと気に入るはずだ。つまり、期待を込めて見積もるなら、次のグラミー賞はクロード・フォンテーヌかもしれない。

Claude Fontaine – vocal
Tony Chin – guitar
Kleber Jorge – guitar
Ronnie McQueen – bass
Andre De Santanna – bass
Michael Hyde – piano
Lester Mendez – piano
Gibi Dos Santos – percussion
Rock Deadrick – percussion
Léo Costa – drums, percussion
Rock Deadrick – drums
Matthew DeMerritt – horn
Justin Kirk – horn
Chris Bautista – horn
Erm Navarro – horn
Amy Sanchez – horn

Claude Fontaine - La Mer
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