ロンドン発!優れた作曲とアンサンブルで聴かせる本格派ショーロバンド、Alvorada 新譜

Alvorada - Faz Tempo

ロンドンの本格派ショーロバンド、Alvorada 新作

イギリス・ロンドンを拠点とするバンド、アルヴォラーダ(Alvorada)。5人のメンバーで構成される彼らは、ショーロを中心としたブラジル由来の高揚感溢れる音楽を現代のロンドンの視点から捉え演奏する。2019年のデビュー作『First Light』以来の2枚目となる今作『Faz Tempo』ではほとんどをオリジナル曲でまとめ、ハーモニーもリズムもより複雑に洗練され、まさにブラジルの風を運ぶような優れた作品となっている。

メンバーは女性フルート奏者兼リーダーのレイチェル・へイター(Rachel Hayter)、クラリネット奏者のアンドリュー・ウルフ(Andrew Woolf)、カヴァキーニョ&パーカッションのジェレミー・シャヴェリン(Jeremy Shaverin)、そしてブラジルにルーツを持つ二人──7弦ギターのルイス・モライス(Luiz Morais)とパンデイロのアルア・ナシメント(Aluá Nascimento)。

(3)「Doce Do Lobo」(レイチェル・ヘイターとアンドリュー・ウルフの共作)

ショーロを確固たる軸としながら、サンバやフォホー、タンゴなどより幅広いスタイルからの影響も取り入れた楽曲はどれも素晴らしい。レイチェルとルイスによって作曲され、バンド全員でアレンジを考え完成させた最初のシングルである(1)「Borbulhando」は伝統的なショーロの形式に則りながらも彼らのあらゆる技術と芸術性の高さを示している。秀逸なテーマもさることながら、フルート、7弦ギター、クラリネット、パンデイロの順で繰り出されるソロは気持ちを昂らせてくれ、ショーロという音楽がいかに楽しいものかを改めて気付かせてくれる。

アルバムにはカエターノ・ヴェローゾ(Caetano Veloso)作の(5)「Sampa」のカヴァーも収録されている。

(10)「Gina」

ゲストとして、イスラエル出身でブラジル音楽に造詣が深い鍵盤奏者ロイー・ベン・シラ(Roee Ben Sira)が(4)「Chez Fred」に、そしてブラジルを代表するアコーディオン奏者ヴィトール・ゴンサウヴェス(Vitor Gonçalves)が(8)「Vinda Boa」に参加している。

Alvorada 略歴

ポルトガル語で「夜明け」を意味するアルヴォラーダは、2011年頃にフルート奏者のレイチェルとクラリネット奏者のアンドリューが出会ったことで始まった。そこに7弦ギター奏者でブラジル北東部生まれのルイスらが加わりバンドの形となり、2019年に最初のアルバムをリリースした。

Rachel Hayter – flute, alto flute, piccolo
Andrew Woolf – clarinet, bass clarinet
Luiz Morais – seven-string guitar
Jeremy Shaverin – cavaquinho, percussion
Aluá Nascimento – pandeiro, percussion

Guests :
Roee Ben Sira – piano (4)
Vitor Gonçalves – accordion (8)

Alvorada - Faz Tempo
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