ギターと木管の美しいイタリアン・ジャズ・デュオ、ベアザッティ&カサグランデ

Francesco Bearzatti & Federico Casagrande - And Then Winter Came Again

フランチェスコ・ベアザッティ&フェデリコ・カサグランデ

イタリアのサックス/クラリネット奏者フランチェスコ・ベアザッティ(Francesco Bearzatti)と、同じくイタリアのギタリストのフェデリコ・カサグランデ(Federico Casagrande)の極上のデュオ作『And Then Winter Came Again』。音楽は穏やかだが、ジャズを軸にジャンルの壁なく活躍してきた誇り高き気鋭の音楽家である二人の実験的な精神がさりげなく詰め込まれた極上の作品となっている。

収録曲はすべて二人の共作としてクレジットされている。
ルーパーを用いたギターの多重録音の上で自由なクラリネットのソロが展開される(1)「Winter Blossom」に始まり、ゆるくスウィングする(2)「Nightwalker」での震えるサクソフォン、対位法を用いたクラリネットとギターの絡み合いが美しい(3)「Orchidée」など、随所でその音や音楽の美しさが際立つ。

(1)「Winter Blossom」

アルバムの中盤から後半は音楽的な面白味にやや欠ける曲も多いものの、音や演奏の美しさは、耳と心を委ねるに値する。

デュオのプロフィール

サックス/クラリネットのフランチェスコ・ベアザッティは1966年イタリア・フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州ポルデノーネ生まれ。ウーディネ音楽院でクラリネットを学び、その後渡米しニューヨークでサックス奏者ジョージ・コールマン(George Coleman, 1935 – )に師事した。アメリカではジャズだけでなくロックやポップスの分野での演奏、またDJとしても幅広く活躍。また、90年代にはドラマーのベン・ライリー(Ben Riley, 1933 – 2017)のバンドで全米ツアーも経験している。

フェデリコ・カサグランデは1980年イタリア・ヴェネト州トレヴィーゾ生まれのギタリスト。2006年にバークリー音楽大学を卒業し、2007年にはモントルー・ジャズ・フェスティバルのギター・コンクールで優勝した。これまでにリーダーまたは共同リーダーとして10枚以上のアルバムをリリースしており、代表作としてエンリコ・ピエラヌンツィ(Enrico Pieranunzi, 1949 – )とのデュオ作『Double Circle』などがある。

Francesco Bearzatti – tenor saxophone, clarinet
Federico Casagrande – electric guitar

Francesco Bearzatti & Federico Casagrande - And Then Winter Came Again
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