冒険心溢れるオーストリアの奇才デュオ。David Helbock & Julia Hofer『Faces of Night』

David Helbock & Julia Hofer - Faces of Night

デヴィッド・ヘルボック&ユリア・ホーファー 初デュオ・アルバム

クラシックを原点としながら、大胆なエレクトロニカやヴォイス・パーカッション、ポエトリー・リーディングや変則バンドなど様々な表現方法で毎回驚かせてくれるオーストリア出身の奇才ジャズピアニスト/作曲家、デヴィッド・ヘルボック(David Helbock)が新たにデュオの相手に選んだのは同郷出身のチェリスト/ベーシストのユリア・ホーファー(Julia Hofer)。相当名義の新譜『Faces of Night』は、冒険心と遊び心に溢れる二人のデュオ演奏に加え、フリューゲルホルンのローレンツ・ラープ(Lorenz Raab)、ダブルネック・ギターの鬼才マハン・ミララブ(Mahan Mirarab)、そして歌手ヴェロニカ・ハルチャ(Veronika Harcsa)というユニークな才能もゲストに迎えた楽しいジャズ・アルバムとなっている。

(1)「Woman’s Dance」。アルバムには2つの異なるヴァージョンを収録。
(2)「Dancing to Another Space」。二人のクリエイティヴな演奏が素晴らしい。アルバム収録版にはマハン・ミララブがギターで参加している

アルバムタイトル『Faces of Night』は、静と動、光と影など対立する要素が補完し合う“夜の境界地帯”を象徴し、即興によるインタープレイを重視したライヴのような臨場感で表現。収録曲の半分以上はデヴィッド・ヘルボックのオリジナル曲だが、ユリア・ホーファー作曲の(5)「Night Dances」も含まれ、他にはプリンス(Prince)の(4)「Purple Rain」、セロニアス・モンク(Thelonious Monk)の(11)「Round Midnight」、ゲオルギイ・グルジエフ(George Gurdjieff)の(1, 12)「Woman’s Dance」、エディ・ハリス(Eddie Harris)の(7)「Freedom Jazz Dance」、さらにはロベルト・シューマン(Robert Schumann)のモチーフである(9)「Theme from Schumann’s Piano Concerto」といった幅広い選曲も彼ららしさだ。

フレッテッドとフレットレスのダブルネックがトレードマークのイラン出身ギタリストのマハン・ミララブは3曲に参加し、特徴的なプレイで存在感を発揮。
ハンガリー出身のシンガー、ヴェロニカ・ハルチャはいずれもスタンダードのカヴァー、(7)「Freedom Jazz Dance」と(11)「’Round Midnight」で表現力豊かで魅力的なヴォーカルを聴かせてくれる。

David Helbock – piano
Julia Hofer – electric bass, fretless bass, cello

Guests :
Lorenz Raab – flugelhorn
Mahan Mirarab – guitar
Veronika Harcsa – vocals

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