ブラジルの歌姫ホベルタ・サーが20年のキャリアを振り返り、永遠のサンバを歌い継ぐ

Roberta Sa - Tudo Que Cantei Sou

ホベルタ・サー、キャリア20年を祝う新作『Tudo Que Cantei Sou』

デビューから20年のキャリアを祝うプロジェクトとして、ブラジルを代表する歌手ホベルタ・サー(Roberta Sá)が新作『Tudo Que Cantei Sou』をリリースした。ヴィオラォン(ガットギター)とバンドリンのみという最小限の編成ながら充実したサンバのグルーヴを生み出す二人の器楽奏者をバックに、その真っ直ぐに伸びる美しい声で、彼女の音楽的な原点に立ち返ったような魅力的な歌を聴かせてくれる。

「私が歌ったすべて」と訳される題のとおり、今作は彼女のこれまでのキャリアを振り返る回顧的な性質の作品だ。全14曲のうち、過去のアルバムに収録された曲の再録が11曲。(2)「Eu Sambo Mesmo」や(3)「Casa Pré-Fabricada」、(11)「Cocada」など彼女のキャリアにおける代表的な曲の再録もファンにとっては嬉しい。
残りの3曲は初録音で、ドーラ・モレレンバウム(Dora Morelenbaum)とゼー・イバーハ(Zé Ibarra)の共作(9)「Essa Confusão」や、マヌー・ダ・クイーカ(Manu da Cuíca)とマリーナ・イリス(Marina Iris)による(6)「Virada」といった世代に囚われない選曲は、ブラジルで脈々と受け継がれる音楽文化への自然なリスペクトと愛情の表れだろう。

今作は2025年9月16日、サンパウロのショーハウス、カーサ・ヂ・フランシスカ(Casa de Francisca)で行われ、無観客でライヴ録音された。楽曲のアレンジは今作の音楽監督も務めるバンドリン奏者のアラーン・モンテイロ(Alaan Monteiro)による。優れた技巧で中低域を支え、時にはソロでも魅せるヴィオラォン奏者はガブリエル・ヂ・アキーノ(Gabriel de Aquino)。

Roberta Sá プロフィール

ホベルタ・サーは1980年12月19日、リオグランデ・ド・ノルテ州生まれ。9歳のときにリオデジャネイロに移住している。
ヴォーカリストとしてのキャリアは2002年にヴォーカル・オーディション番組に参加したことに始まる。彼女は優勝することはできなかったが、その歌唱は強く印象を残し、その後フェリペ・アブレウ(Felipe Abreu, 歌手フェルナンダ・アブレウの兄)がヴォーカル・コーチとなりその後のショーへの参加を勧められた。ほどなくしてホベルタはプロデューサー/弦楽器奏者のホドリゴ・カンペーロ(Rodrigo Campello)と出会い、プロモーション用として『Sambas & Bossas』を録音した。このアルバムは長らくお蔵入りとなっていたが、2021年に正式にリリースされ話題となった。

2005年にファーストアルバム『Braseiro』をリリースし人気を得ると、2007年の2nd『Que Belo Estranho Dia Pra Se Ter Alegria』ではベスト・シンガー、ベスト・アルバム、ブレイクスルー・アーティスト・オブ・ザ・イヤーなどの賞を獲得しラテン・グラミー賞にもノミネートされた。
その後も活躍を続け、現在までブラジルを代表する女性歌手として高く評価されている。

Roberta Sá – vocal
Alaan Monteiro – bandolim
Gabriel de Aquino – violão

関連記事

Roberta Sa - Tudo Que Cantei Sou
Follow Música Terra