フラメンコ・ギタリスト、Fraskito 新作『Camino de Agua』
ロマ(ジプシー)の家系に生まれ育ったスペインのギタリスト、フラスキート(Fraskito)の新作『Camino de Agua』は、卓越した演奏技術に裏付けされた伝統的なフラメンコを基盤としつつ、そこに留まらない未来志向を感じさせる傑作だ。マヌーシュ・ジャズやラテン、ジャズの要素も取り込んだ新しい時代を目指そうとする彼の音楽の真髄を垣間見せる。
テーマは水の道(Camino de Agua = 水の道)を象徴的に用い、人生の旅路や夢、民族性をフラメンコのリズムで表現。ティノ・ディ・ジェラルド(Tino Di Geraldo)によるパーカッションやパルマス(手拍子)がフラメンコに特有の豊かなグルーヴを生み、そこにジャズやアフロ・キューバンの要素を加えたフュージョン感が魅力的だ。フラスキート自身はギターに集中しており、フラメンコギターに特有のアタックが強く歯切れの鋭い気持ちの良い演奏で魅せてくれる。
アルバムにはラテン・グラミー賞受賞経験のあるキューバ出身のベース奏者ジェルシー・エレディア(Yelsy Heredia)も参加。ラストに収録された(9)「Isabel」は特にラテン音楽の強い影響を受けた楽曲で、ソンのリズムを基調としつつ、情緒豊かなフラメンコギターやトランペットが感性に強く響く。