シモン・ミカ 2025年新作『Agma』
ポーランドの若手実力派ギタリスト、シモン・ミカ(Szymon Mika)がクインテットを率いてリリースした2025年新譜『Agma』。これまでの彼のソロやデュオの作品とは異なり外向的な雰囲気を醸す作品で、事前のリハーサルなしで2日間の録音に挑んだメンバーの相互作用による即興演奏の化学反応が大いに楽しめる優れた音楽だ。
バンドのメンバーは韓国出身のシンガーソン・イ・ジョン(Song Yi Jeon)、スロバキア出身のトランペット奏者オスカル・トロク(Oskar Török)、ポーランド出身のベース奏者アンジェイ・シフィェンス(Andrzej Święs)、そしてハンガリー出身のドラムス奏者ペーテル・ショモシュ(Péter Somos)という、国際色豊かなジャズのトップランナーたち。アレンジは精緻で、とりわけシモン・ミカの繊細なギターが全体を包み込むように鳴っている。特筆すべきはソン・イ・ジョンの声。一部に歌詞のあるヴォーカル曲もあるものの、ほとんどの曲で彼女は声をひとつの楽器として巧みに操り、インストゥルメンタルのみの編成では表現の不可能な温かみをそれぞれの楽曲に与えている。
Szymon Mika 略歴
シモン・ミカは1991年4月14日にポーランドのビエルスコ=ビャワで生まれたジャズギタリスト/作曲家。幼少期から音楽に親しみ、4歳の頃からドラムスを叩き、11歳からクラシックギターを学ぶ。2016年にカトヴィツェ音楽アカデミーで修士号を取得した後、バーゼルのジャズキャンパスでさらに研鑽を積んだ。
彼の音楽スタイルは、ポーランドのフォークロアの影響を基調としつつ、ジャズの伝統と現代的な要素を融合させた独自のサウンドを探求するもの。ギターの弦の可能性を深く掘り下げるアプローチで知られ、メロディックなフレージング、卓越したテクニック、感情的な深みを兼ね備えた演奏が特長だ。
2016年にトリオ名義のアルバム『Unseen』でデビュー。ポーランドの若手ジャズミュージシャンの代表作として高く評価された。
Szymon Mika – guitars
Song Yi Jeon – voice
Oskar Török – trumpet
Andrzej Święs – bass
Péter Somos – drums