旧チェコスロバキア出身の鬼才男女デュオ、現代ジャズの新境地を拓く『Sně』

Beata Hlavenková & Oskar Török

ジャズ、現代音楽、プログレなどが渾然一体『Sně』

チェコの女性ピアニスト、ベアタ・フラヴェンコヴァー(Beata Hlavenková)とスロヴァキアのトランペッター/ドラマー、オスカル・トロク(Oskar Török)のデュオによる『Sně』は、現代音楽のエッセンスがたっぷり詰まった個性的なジャズ作品だ。

たった二人のクレジットだが、ベアタ・フラヴェンコヴァーのピアノとシンセサイザーそして女声ヴォーカルと、オスカル・トロクによるトランペット、ドラムス、そしてハーモナイザーも駆使した男声ヴォーカルでサウンドは驚くほどに豊か。少し異国情緒も感じさせる緻密なコンポジションとも相まって、とても新鮮な音楽体験をもたらせてくれる。

このデュオの魅力が凝縮されたような動画があったので、ぜひ観てもらいたい。
これはアルバム収録の(2)「Prameny」のライヴ演奏を軸に作られたMVだ。これだけ豊かなサウンドをたった二人で生み出しているのだから驚きである。

(2)「Prameny」のライヴビデオ。
ハーモナイザーを駆使した魔法のような声と、光が降るようなピアノ、後半はドラムスやシンセベースの音も加わりデュオとは思えないサウンドの展開を見せる。

アルバムには他にも通してじっくりと聴きたい素敵な音が詰まっている。
上の動画では演奏されていないが内省的で北欧ジャズを思わせるオスカル・トロクのトランペットも素晴らしいし、ベアタ・フラヴェンコヴァーのピアノや歌もただ美しいだけではなく、極めて強烈な個性を感じさせる。
(4)「Slámka a slepýš křehký」、(6)「Socha」など曲によってはプログレ的な表現もあり、とても興味深い。

旧チェコスロヴァキア生まれの二人

ベアタ・フラヴェンコヴァー(Beata Hlavenková)は1978年チェコスロヴァキアのヴェンドリニェ生まれのピアニスト/作曲家/シンガー/音楽教師。2004年にバークリー音楽大学を卒業、作曲、ジャズ作曲、編曲の学位を取得している。ジャズ、クラシック、現代音楽、ロック、エレクトロニカなどを取り入れた独自の感性で注目され、本作を含めこれまでに自身の名義で5枚のアルバムを発表、さらにはチェコのギタリスト/シンガー、Lenka Dusilováとのプロジェクト『Eternal Seekers』など優れた作品に携わってきた。

オスカル・トロク(Oskar Török)は1980年チェコスロヴァキアのフメンネ生まれ(チェコ共和国とスロヴァキア共和国は1992年に分離独立しているから、生まれた時代でいえば二人は同郷)のトランペット/ドラムス奏者。2002年に結成されたジャズバンド、Vertigo Quintetのメンバー。
今作ではトランペットとドラムスというマルチな才能に加え、ヴォーカリストとしてもハーモナイザーを駆使するなど独自の表現力を発揮している。

(7)「Husa V mlze」のMV。
北欧ジャズ、ECM的な静謐さも。

Beata Hlavenková – piano, synth, vocals
Oskar Török – trumpet, drums, vocals

Beata Hlavenková & Oskar Török
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