音楽大国ブラジルの新世代ジャズの象徴。Joabe Reis 新作
ブラジルのトロンボーン奏者/作曲家ジョアべ・ヘイス(Joabe Reis)の新譜『DRIVE SLOW – A ÚLTIMA DAS FANTASIAS』は、ジャズを基調にファンクやヒップホップ、UKガラージ、エレクトロニックなどの要素を取り込んだハイブリッドなサウンドが鋭くも心地良い、要注目の作品だ。高度な作曲や演奏の技術、それを洗練されたサウンドに仕立て上げるプロダクションが完璧に噛み合い、最高に魅力的なアルバムだ。
今作には現代のブラジルを代表する若い才能たちが多数ゲスト参加し、新たな潮流の勢いを感じさせる。ピアノのエドゥアルド・ファリアス(Eduardo Farias)、ハーモニカのガブリエル・グロッシ(Gabriel Grossi)、ベースのフレデリコ・エリオドロ(Frederico Heliodoro)といった強力なメンツのサポートは、今作を佳作から傑作へと引き上げている大きな要因だろう。
(7)「DRIVE SLOW」にはラッパーのズジジラ(Zudizilla)と米国のトランペット奏者シオ・クローカー(Theo Croker)が参加。打ち込み主体のリズムを軸に、洗練された演奏を聴かせるこのトラックはまるで現代の”エレクトリック・マイルス”のようだ。
ラストの(9)「MUNDO」には歌手エロア・オランダ(Heloá Holanda)が参加。ギターのカッティングやブラス・オブリガートが効果的に響くダンサブルな四つ打ちのファンクに乗せて、ソウルフルな彼女の声が感情の高揚を煽る。
Joabe Reis プロフィール
ジョアべ・ヘイスはブラジル・サンパウロ出身のトロンボーン奏者/作曲家/音楽プロデューサー。コンテンポラリージャズを基調にヒップホップ、ネオソウル、ファンク、ポップなどの要素を融合させたスタイルで知られる。ジャズシーンで注目を集め、これまでにボブ・ミンツァー(Bob Mintzer)、エルメート・パスコアール(Hermeto Pascoal)、メイシー・グレイ(Macy Gray)、ロビン・ユーバンクス(Robin Eubanks)、マーシャル・ギルケス(Marshall Gilkes)、エヂ・モッタ(Ed Motta)といった国内外の著名なアーティストとの共演やレコーディングに参加している。
キャリアの始まりはブラジル国内での活動からで、2020年にソロデビューアルバム『Crew In Church』をリリース。2021年には短編フィルム『I Just Wanna Breathe』でサンパウロの街を舞台にジャズを披露し注目を浴びるなど、ブラジル新世代ジャズの代表格として位置づけられる。
Joabe Reis – trombone
Marcelo De Lamare – synthesizers
Eduardo Farias – piano
Josué Lopez – tenor saxophone
Sidmar Vieira – trumpet
Rafael Castilhol – Rhodes
Dedê Silva – drums
Adalberto Miranda – synth bass
Léo Mucuri – percussion