魅惑のカルナティック・プログレメタル!人気ギタリスト、マティアス・エクルンドの超絶新譜

Mattias IA Eklundh - Resist The Erosion

スウェーデン出身ギタリスト、Mattias IA Eklundh の新作

スウェーデン出身の人気ギタリスト/作曲家、マティアス・”IA”・エクルンド(Mattias IA Eklundh)が放つ、プログレッシヴ・メタル×南インドの超絶バンド、フリーク・オーディオ・ラボ(Freak Audio Lab)の第一弾アルバム『Resist The Erosion』。バンドメンバーにインド出身でコナッコル1とムリダンガム2の名手B.C.マンジュナート(B.C. Manjunath)、そしてイスラエルの現代プログレ界隈で最強のリズム・セクションともいえるドラマーのヨゲフ・ガバイ(Yogev Gabay)とベースのリオール・オゼリ(Lior Ozeri)を迎え、激しく色彩豊かな音が繰り広げられる驚くべき作品だ。

(2)「People Ruin Beautiful Things」はレバノン出身の詩人ハリール・ジブラーン(Kahlil Gibran, 1883 – 1931)の有名な言葉「誰にも言わずに旅をし、誰にも言わずに本当の恋をし、誰にも言わずに幸せに暮らす。人は美しいものを台無しにしてしまうから」からタイトルを拝借している。

(2)「People Ruin Beautiful Things」

アルバムは南インドの伝統的なリズムのプログレ的解釈といえる複雑な構成の曲ばかり。もちろん伝統的なカルナティック音楽3をやっているわけではなく、全曲マティアス・エクルンドが作編曲したオリジナル。変拍子やメトリック・モジュレーション4を駆使し、4人が完璧に演奏する姿は驚異的で、アドレナリン全開のリズムの応酬に完全にノックアウトされてしまう。

マティアス自身が“猫舌”であることに由来する、(4)「Nekojita」

マティアス・エクルンドが使用するギターは自身が立ち上げたブランド「Freak Guitar Lab」の8弦ギター「ULV 8」。波打ったような特徴的なフレットは、12平均律(Equal Temperament)を基盤にし、ギター特有の物理的誤差(弦の伸び・テンション差)を1弦1フレットごとに補正し、全ポジションで正しい音程が得られるようにした数学的な設計によるもの。

(1)「I Dream Of Tetriminos」のMVは日本で撮影されている

Mattias IA Eklundh プロフィール

マティアス・IA・エクルンドは1969年スウェーデン・ヨーテボリ生まれのギタリスト/ヴォーカリスト/作曲家。本名はマティアス・ベルント・ヨハネス・エクルンド(Mattias Bernt Johannes Eklundh)であり、「IA」はマティアスの略称だ。

6歳のときにKISSの影響でドラムスを始め、11歳でフランク・ザッパ(Frank Zappa)の音楽に出会って衝撃を受け、13歳でギターに転向した。独学で音楽理論を学び、1988年にFrozen Eyesでデビューした後、デンマークのバンド、Fateに参加し1990年のアルバム『Scratch’n Sniff』で日本でも知られるようになった。1992年に自身のバンド、Freak Kitchenを結成し、ギターとヴォーカルを担当して現在も活動を続けている。

ソロでは1996年にMr. Libido名義のアルバムを発表したほか、スティーヴ・ヴァイ(Steve Vai)のFavored NationsからFreak Guitarシリーズをリリースし、複雑なリズムとユーモア豊かなメロディを融合させた独自のスタイルを確立。2005年にはJonas Hellborg Trioを結成してインドツアーを行い、Soilworkなどのゲスト参加も重ねた。

2024年にTrue Temperament社と共同でFreak Guitar Labを立ち上げ、波打つ特殊フレットを備えたUlv 8弦ギターを開発した。このギターを全編で使用して2025年にFreak Audio Lab名義のアルバム『Resist The Erosion』を発表し、南インドの伝統リズムをプログレッシブに解釈した新境地を開拓した。

毎年夏には、熱心なギタリストが集まるFreak Guitar Campをスウェーデンの森で主催し、後進の指導にも努めている。私生活では菜食主義者で非喫煙者として知られている。

(3)「Fat Devil」

Mattias IA Eklundh – guitar, keyboards, and vocals here and there
B.C. Manjunath – konnakol, mridangam
Yogev Gabay – drums, percussion
Lior Ozeri – bass

  1. コナッコル(konnakol)…南インドの伝統的なヴォイス・パーカッション(口ドラム、リズム言葉) 。口を使って複雑で数学的なリズムを歌い上げ、手や指の動きも伴って表現する高度な芸能。北インドでタブラを口で表現する「ボル(bol)」に似るが、ボルが主に演奏の記憶や伝達に使われるのに対し、コナッコルはより独立した芸術形式として発展した。 ↩︎
  2. ムリダンガム(mridangam)…主に南インド古典音楽(カルナティック音楽)で伝統的に用いられる、木製の樽型の両面太鼓。 ↩︎
  3. カルナティック音楽…南インドの主流の古典音楽。イスラム文化やペルシャ文化から影響を受けた北インドの古典音楽であるヒンドゥスターニー音楽と比べ、あまり他国の影響を受けておらず、古くからの原型を受け継いでいると言われている。 ↩︎
  4. メトリック・モジュレーション(Metric Modulation)…主にドラムスの演奏やリズムにおいて、楽曲の拍の感じ方(音価)を変えることで、実際のテンポは固定したまま、別のテンポに切り替わったように聴かせる高度な技法。 ↩︎

関連記事

Mattias IA Eklundh - Resist The Erosion
Follow Música Terra