UKアフロジャズの代名詞ヌビヤン・ツイスト、AI生成の時代に抗う有機的グルーヴの5th

Nubiyan Twist - Chasing Shadows

Nubiyan Twist 5thアルバム『Chasing Shadows』

UKジャズ/アフロビートのシーンを代表するジャズ・コレクティヴ、ヌビヤン・ツイスト(Nubiyan Twist)の5枚目となるスタジオ・アルバム『Chasing Shadows』がリリースされた。今作は“デジタル化が進む世界の中で、人間同士のつながり・温もり・即興性を再発見すること”をテーマとし、人間らしいエネルギーに溢れた音楽が繰り広げられる。

前作『Find Your Flame』(2024年)がRolling Stone、Jazzwise、NPRなどで高評価を受けたことを受け、さらにソウルフルで多層的なサウンドに進化。ジャズ、エチオジャズ、アフロビート、ヒップホップ、エレクトロニックなどの要素を融合し、有機的・人間的なビートと、現代的なデジタルな感覚の間を探求している。

(2)「Red Herring」

今作について、ギタリストでバンドリーダー兼プロデューサーのトム・エクセル(Tom Excell)はこう語っている:

「AIが数秒でフーガを作れる時代だが、人間同士が部屋で一緒に演奏する時の化学反応や混沌は再現できない。それを掴み取るために、喜びに満ちた“defiantly human(断固として人間らしい)”な作品を作りたかった。『Chasing Shadows』は、そうした人間性を守るためのアルバムだ。」

nubiyantwist.bandcamp.com

注目はサウス・ロンドンの名門校トリニティ・ラバン(Trinity Laban)を卒業したばかりのシンガー、エニオラ(Eniola)だ。彼女のフレッシュでソウルフルな歌声は多くの曲でフィーチュアされ、アルバムの核となっている。
アルバムの幕開けとなるのはエニオラが歌う(1)「Azimuth」。タイトルは航海・天文学用語で「方位角」(北を基準とした方向角)を意味するが、バンドはこれをアルバムのテーマである「人生の方向を見失う現代の混乱の中で、再び自分自身や他者とのつながりを探す」メタファーとして用いている。また、同名のブラジルの伝説的フュージョンバンドへのオマージュも込めらており、バトゥカーダ1の挿入も印象的だ。

(3)「Chasing Shadows」

アルバムにはほかにファトゥマタ・ジャワラ(Fatoumata Diawara)、エズラ・コレクティヴの鍵盤奏者ジョー・アーモン=ジョーンズ(Joe Armon-Jones)、ピアニスト/歌手のパトリース・ラッシェン(Patrice Rushen)、ラッパーのブーティー・ブラウン(Bootie Brown)、マニフェスト(M.anifest)、ミスター・ウィリアムズ(Mr.Williamz)、タンザニアのザウォセ・クイーンズ(The Zawose Queens)といった多彩なゲストが参加している。

Nubiyan Twist :
Eniola – vocals
Tom Excell – electric guitar
Nick Richards – alto saxophone
Luke Wynter – bass
Lewis Moody – keyboards
Denis Scully – tenor saxophone
Jonathan Enser – trumpet
Hannah-Mae Birtwell – bass saxophone
Finn Booth – drums

Guests :
Bootie Brown – rap (2)
Fatoumata Diawara – vocals (3)
M.anifest – rap (4)
Mr.Williamz – rap (6)
The Zawose Queens – vocals (7)
Patrice Rushen – piano (10)
Joe Armon-Jones – piano (11)

  1. バトゥカーダ(batucada)…ブラジル音楽のサンバのサブスタイル。主にメロディーや歌のない、打楽器のみのアンサンブルを指す。 ↩︎

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