素朴で幻夢的な音空間が素敵、ブラジル北東部出身SSW/マルチ奏者ナイロン・イーゴル 初アルバム

Nyron Higor

ブラジル北東部出身SSW/マルチ奏者ナイロン・イーゴル

ブラジル北東部アラゴアス州マセイオ(Maceió)出身のシンガーソングライター/マルチ奏者のナイロン・イーゴル(Nyron Higor)が2025年にリリースした、初のフルレンス・アルバム『Nyron Higor』。ブラジル北東部の伝統音楽に根差しながら、現代的なベッドルーム・ポップの心地よさに包まれたサウンドを届けてくれる良作だ。

ナイロン・イーゴルは経済的に恵まれない環境で育ったが、自主制作したデビュー作『Fio de Lâmina』がジャイルズ・ピーターソン(Gilles Peterson)らの目に留まり、成功を収めた。今作もナイロン・イーゴル自身がベース、ギター、ドラムス、キーボード、パーカッションなどを演奏した宅録が各曲の軸となり、ミックスやマスタリングの工程をバタタ・ボーイ(Batata Boy)やブルーノ・ベルリ(Bruno Berle)らの協力を得てサンパウロで実施したという。彼にとって初めてのヴォーカル曲も含まれており、ブラジル新世代の多才なアーティストとして際立つ存在感を放つ。

(1)「Ciranda」

(1)「Ciranda」がとにかく素晴らしい。シランダやマルシャといったブラジル北東部の伝統的なリズム様式を用いながら、シンセサイザーで夢見心地に空間を彩り、ゲスト参加のチコ・リマ(Tico Lima)によるトロンボーンが主旋律を穏やかに奏でる。

ローファイな質感も最高な(2)「Louro Cantador」、オートチューンのかかったヴォーカルも印象的なサイケ&ソフトロック風の(4)「São Só Palavras」など、多くの曲が2分前後とコンパクトなものの間違いなく快適な時間を約束してくれる作品だ。

ジョアン・メネゼス(João Menezes)作の(9)「Eu Te Amo」

Nyron Higor – drums, electric bass, double bass, synthesizers, electric piano, keyboards, guitar, percussions, whistles, sampler, vocals

Tico Lima – trombone (1)
Alici Sol – vocals (4)
Bruno Berle – vocals (4, 5), bass (4), xylophone (9)
Johanna – vocals (5, 10)
Rubens Adati – piano, guitar, programming (5)
Stefan Costilhes – bass (5)
Batata Boy – programming (5), Rhodes (9, 10), guitar (10)
Nathalia Grilo – vocals (6)
João Menezes – guitar (9)
Bianca Godoi – drums (10)

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