- 2021-03-31
- 2021-03-31
スコットランドの新星ジャズピアニスト、ファーガス・マクリーディー 待望の2nd
2018年に自主制作盤『Turas』で彗星のように現れたピアニスト/作曲家、ファーガス・マクリーディー(Fergus McCreadie)の待望のセカンド・アルバム『Cairn』(2021年)。北欧ジャズの透明感、確かなテクニック、そして何よりも彼の故郷スコットランドの伝統音楽へのリスペクトが感じ取れる、ありそうでなかったスタイルが強く印象に残る。
2018年に自主制作盤『Turas』で彗星のように現れたピアニスト/作曲家、ファーガス・マクリーディー(Fergus McCreadie)の待望のセカンド・アルバム『Cairn』(2021年)。北欧ジャズの透明感、確かなテクニック、そして何よりも彼の故郷スコットランドの伝統音楽へのリスペクトが感じ取れる、ありそうでなかったスタイルが強く印象に残る。
クラシックを原点としながら、大胆なエレクトロニカやヴォイス・パーカッション、ポエトリー・リーディングや変則バンドなど様々な表現方法で毎回驚かせてくれるオーストリア出身の奇才ジャズピアニスト/作曲家、デヴィッド・ヘルボック(David Helbock)の新譜『The New Cool』。
バート・ヨリス(Bert Joris, tr)と、エンリコ・ピエラヌンツィ(Enrico Pieranunzi, p)による2021年のデュオ作品『Afterglow』。二人が持ち寄った曲を収録した本作はジャケットのハイウェイの写真のように都会的な印象を受ける最高級のジャズで、時にリリカルに、時にフリーに淀みなく展開されるピアノとトランペットの語り合いがこの上なく美しい。
ポーランドのピアニスト、アレクサンドル・デンビチ(Aleksander Debicz)と同じくポーランドのギタリスト、ウーカシュ・クロパチェフスキ(Łukasz Kuropaczewski)のデュオアルバム『Adela』はクラシックにカテゴライズされてはいるが、明らかにその範疇を超えているオリジナリティに溢れた作品だ。
ドイツのベテラン・ピアニスト、ヨアヒム・キューン(Joachim Kühn)の新譜『Touch the Light』は極上のソロピアノ作品だ。派手さはないが、思慮深く鍵盤を撫でるように弾く至福の全13曲。
マダガスカル島から東へ800km、絶海の孤島レユニオン島出身のピアニスト/シンガー・ソング・ライター、メディ・ジェルヴィル(Meddy Gerville)の2020年作『Mon Maloya』は、彼の持ち味であるレユニオンの伝統音楽マロヤと、洗練されたジャズが見事に融合した傑作だ。
フランス海外県マルティニーク出身の気鋭音楽家二人──ピアニストのグザヴィエ・ベリン(Xavier Belin)と、同じくマルティニーク出身のドラマー、ティロ・ベルトロ(Laurent-Emmanuel "Tilo" Bertholo)の双頭名義のアルバム『Pitakpi』は、近年盛り上がりを見せるマルティニークのジャズの要注目作だ。
キャッチーでポップな音楽性、音楽家から尊敬される超絶技巧、そしてユーモアまで兼ね備えた稀有なピアノトリオ、トリオ・トウケアット(Trio Töykeät)。1988年に結成され2008年に解散するまで10枚ほどのアルバムを残しているが、それら諸作の中でも2000年リリースの『Kudos』はジャズ史に残るべき大名盤だと思っている。
イタリアのピアニスト、エンリコ・ピエラヌンツィ(Enrico Pieranunzi)とデンマークのベース奏者トーマス・フォネスベック(Thomas Fonnesbaek)のデュオによる2021年新譜『The Real You』は、彼らが敬愛する偉大なジャズピアニスト、ビル・エヴァンス(Bill Evans)へのトリビュート作品だ。
ティグラン・ハマシアンやシャイ・マエストロ、エリック・トラファズといった現代ジャズのトップアーティストのバンドに参加するスイス出身のドラマー、アーサー・ナーテク(Arthur Hnatek)の初リーダー作『Static』がリリースされた。サックス、ベース、ドラムスという編成で、適度なエフェクトで空間に広がりを持たせつつ即興主体で演奏している。
スウェーデンのピアニスト/作曲家、ヤコブ・カールソン(Jacob Karlzon)の2019年作『Open Waters』は、彼自身の“内なる映画”を表現した壮大な芸術的なピアノトリオ作品だ。
スウェーデンのトロンボーン奏者/作曲家、カリン・ハマー(Karin Hammar)の2020年新譜『Strings Attached』は、自身のカルテットを基本編成としつつ、数曲でゲストにクロマチック・ハーモニカ奏者のオリヴィエ・ケル・オゥリオ(Olivier Ker Ourio)と弦楽四重奏が参加。クラシカルな雰囲気が漂う落ち着いた良盤だ。
フランス北部のピアノトリオ、ヤニック・セディキ・トリオ(Yannic Seddiki Trio)の2ndアルバムとなる新譜『E-Life』はその名の通り電子機器が支配する現代生活を描いたジャズ作品だ。
ギリシャのピアニスト/作曲家、タニア・ジャンノウリがトランペット奏者アンドレアス・ポリツォゴプロスとウード奏者キリアコス・タパキスという変則ピアノトリオで制作した2020年作『In Fading Light』は、ジャズとクラシックの境界線に静かに香る地中海の空気のような感覚をもった作品だ。