- 2026-03-13
- 2026-03-12
地中海メノルカ島出身ピアニスト、マルコ・メスキーダが呼び覚ます“音楽の触覚”
スペイン・メノルカ島出身のジャズピアニスト/作曲家のマルコ・メスキーダ(Marco Mezquida)は、新作『Táctil』で“音の手触り”を表現しようとしている。Táctilとはスペイン語で「触覚の」「手触りの」といった意味を持つ単語で、音楽における触覚的な感覚を呼び覚まそうとする試みだ。
ラテンジャズ
スペイン・メノルカ島出身のジャズピアニスト/作曲家のマルコ・メスキーダ(Marco Mezquida)は、新作『Táctil』で“音の手触り”を表現しようとしている。Táctilとはスペイン語で「触覚の」「手触りの」といった意味を持つ単語で、音楽における触覚的な感覚を呼び覚まそうとする試みだ。
2021年のデビュー作『Laura Itandehui』での内省的で伝統を重んじたソングライティングからの明らかなフェーズの転換だ。メキシコシティのシンガーソングライター、ラウラ・イタンデウイ(Laura Itandehui)の2ndアルバム『Si Me Ven Alegre』(2025年)は近隣ラテン圏への旅を経てより明るく、開放的になった。歌詞や曲調には人生の喜びを前面に押しだし、その声にも向うべき未来への確固たる信念や自信を覗かせる。
全員がベネズエラの首都カラカス出身だからカラカス・トリオ(Caracas Trio)という安直なネーミングや、あまり売る気のなさそうなジャケットはさておき、『Folklore』は確かなクオリティのアルバムだ。このトリオではデビュー作だが、3人はいずれもニューヨークの現代ジャズシーンを彩る手練れで、洗練された現代ジャズに、タイトルに掲げるようにベネズエラの多様な伝統を織り交ぜている。
コロンビアのボゴタを拠点とするパワフルな女性3人組ラ・ペルラ(La Perla)と、フランスのトゥールーズを拠点とするファンキーなジャズロック・カルテットのプルシネルラ(Pulcinella)がコロンビアで出会い、混成した7人組プルシペルラ(Pulciperla)のデビュー作『Tatekieto』が衝撃的な楽しさだ。ジャズ、ラテン、レゲエ、ロマ音楽、ヒップホップ、エレクトロニックなどなど様々な音楽要素がごちゃ混ぜになり彼らの世界観を作る。それはまるで極彩色のパーティーのように、終わりがなく、ずっとずっと気持ちいい音が続く。個人的には2000年代のバルセロナ・ミクスチャーの活況に満ちたシーンを彷彿させるサウンドに心が躍った!
ブラジルにルーツを持ち、ロンドンで生まれ育った打楽器奏者ファビオ・ヂ・オリヴェイラ(Fábio de Oliveira)が率いるプロジェクト、バボ・モレーノ(Babo Moreno)のデビュー作『Babo Moreno』。この作品に寄せられた次の賛辞は、多様さを極めるロンドンのジャズシーンに忽然と現れた彼と、その作品への期待が滲み出ている。
大西洋を超え、現代のアフロ・ディアスポラ音楽を体現するふたつの音楽集団が出会い、『Calima』と題された素晴らしい作品を残した。一方はイギリス・ロンドンを拠点に活動し、西アフリカのマンデ族のリズムとジャズを融合する人気バンドのバリマヤ・プロジェクト(Balimaya Project)。もう一方は南米コロンビアを拠点とし、マリンバを中心にアフロ・コロンビアン音楽の熱気を表現するディスコス・パシフィコ・オールスターズ(Discos Pacifico All-Stars)。あわせて16名の規模となる大所帯で、複雑に連帯したリズムと即興的表現が絡み合い、ときにはヴォーカルやコーラスによるアクセントも加えた最高に高揚感のある音楽を聴かせてくれる。
西洋クラシックの作曲家の名曲をアフロ・カリビアン音楽で再解釈するプロジェクトが人気の米国のピアニスト/作編曲家ヨアキム・ホースレイ(Joachim Horsley)が最新作『Afro Bach』をリリースした。その名のとおり、“音楽の父”ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(Johann Sebastian Bach, 1685 - 1750)の名曲を独創的にカヴァーしており、そのアイディアに驚き(そしてたくさんの楽しさ)を提供してくれるアルバムとなっている。
カナダ・トロントを拠点とするピアニスト/作曲家ジェレミー・レッドベター(Jeremy Ledbetter)率いるピアノトリオの2024年新譜『Gravity』。スナーキー・パピー(Snarky Puppy)のドラマーとして知られるラーネル・ルイス(Larnell Lewis)と、スティーヴ・コールマン(Steve Coleman)との活動で知られるベーシストのリッチ・ブラウン(Rich Brown)とのトリオで、2018年のデビュー作『Got a Light?』以来の新作だ。
カナダ生まれの鍵盤奏者/作曲家のジェレミー・レッドベター(Jeremy Ledbetter)が、トリニダード・トバゴや中南米諸国での長期滞在を経てカナダに戻り結成した超絶ラテンジャズバンド、ケインファイア(CaneFire)が最高に面白い。2005年にデビュー作『Kaiso Blue』、2010年に2nd『Pandemonium』をリリースしており、いずれもクリエイティヴなエネルギーに満ちた最高の音楽だが、今回は2ndアルバムに焦点を当てて紹介したい。
ブラジルの貧しいシングルマザーの家庭に生まれ、10歳からプロとして音楽活動を行い家計を支えてきたムニール・オッスン(Munir Hossn)が、ユニークなライヴ体験を提供する米国フロリダ州マイアミのブラック・ルーム・セッションズ(Black Room Sessions)での素晴らしい演奏を収録したライヴ盤『Munir Hossn & Elas (Live at the Black Room Sessions)』をリリースした。
『Mestizx』は、公私共にパートナーであるボリビア出身の女性シンガーソングライター/マルチ奏者イベリッセ・グアルディア・フェラグッティ(Ibelisse Guardia Ferragutti)と、プエルトリコにルーツを持つシカゴ出身の男性ジャズドラマー/パーカッショニスト、フランク・ロザリー(Frank Rosaly)の共同名義によるデビューアルバムだ。アルバムタイトルは中南米におけるスペイン植民地時代に性別を問わず“混血の人”を意味する言葉として使われたもので、ブラジル、ボリビア、プエルトリコという二人の多様なルーツから来る多様性と、脱植民地という重要なテーマをアーティスティックに扱っている。
米国のラテンジャズ・ピアニストのザッカイ・カーティス(Zaccai Curtis)のソロ名義での新作『Cubop Lives!』は、タイトルの通りキューバ音楽とビバップの融合した“キューバップ”を表現する心踊るジャズだ。ラテンの名曲からジャズ・スタンダード、そして彼のオリジナルまで17曲を収録。アフロ・キューバン・ジャズへの溢れんばかりの愛が今にも爆発しそうな圧巻の演奏が素晴らしい。
卓越した演奏技術とジャズ、ラテン、プログレなど幅広い音楽性で注目されるコロンビア出身の鍵盤奏者、ヘスス・モリーナ(Jesus Molina)の最新作『Selah』がリリースされた。アルバムのタイトルは「賞賛」や「高揚」を意味する祝福の言葉で、音楽に対する彼のスピリチュアルなアプローチを表している。
カナダ・ケベックシティを拠点とする鍵盤奏者/作曲家マチュー・フィゼ(Mathieu Fiset)の新譜『Des Marteaux & Des Cordes』。一言でいうと、ラテン・ジャズやフュージョン、プログレッシヴ・ロックといった要素が高度に融合した、鳥肌の立つようなかっこいい音楽だ。録音にはラーネル・ルイス(Larnell Lewis)、アントワン・デュホール(Antoine Dufour)、トミー・ゴティエ(Tommy Gauthier)といった凄腕たちが揃っており、各々の細かいプレイの隅々まで最高に楽しいセッションが繰り広げられる。