- 2022-05-29
- 2022-05-29
トルコ新世代歌手エリフ・サンチェス、世界観を拡げる中東×スパニッシュな新譜『Mi Voz』
2021年にアルバム『Elif Sanchez』でデビューしたばかりのトルコ出身のヴォーカリスト/オーボエ奏者エリフ・サンチェスの新作『Mi Voz』が早くも届いた。中東・東欧のフォークミュージックをベースにした前作からすると、今作は驚くほどスペインのフランメンコに寄せられており大きく音楽的な変貌を遂げている。
2021年にアルバム『Elif Sanchez』でデビューしたばかりのトルコ出身のヴォーカリスト/オーボエ奏者エリフ・サンチェスの新作『Mi Voz』が早くも届いた。中東・東欧のフォークミュージックをベースにした前作からすると、今作は驚くほどスペインのフランメンコに寄せられており大きく音楽的な変貌を遂げている。
『Solomon's Dreams』は長年の海外生活を終えイスラエルに戻ったクラリネット奏者/作曲家ハレル・シャハル(Harel Shachal)が結成したバンド「The Ottomans」の5年間の活動の集大成だ。バンドはG管クラリネットのハレルのほか、カーヌーン、ウード、ヴァイオリン、ダルブッカ、リクという6人編成。ターキッシュ・クラリネットを軸としたアンサンブルで極上の中東ジャズを奏でる。
ダゲスタン共和国出身の人気ケマンチェ奏者/サズ奏者/作曲家マーク・エリヤウ(Mark Eliyahu)の2022年新譜『About Love』は、いわゆるワールドミュージック/グローバルミュージックを聴き慣れない人にも入りやすく、おすすめできる一枚だ。
ペルシャの伝統楽器タールとフルートを操るイタイ・アルモン(Itai Armon)を中心とするイスラエルのジャズ・カルテット、Brioのデビューアルバムが素晴らしい。イスラエル〜ペルシャ周辺の伝統音楽やプログレッシヴ・ロックをジャズの語法に乗せた作品で、ピアノトリオと絡むタールの煌びやかで歴史の深みを感じさせる音色、技巧的かつオリエンタルなフルートが際立つ。
伝統と革新性が同居するハイブリッドなアラビック・クロスオーヴァーの好盤、シリア出身のカーヌーン奏者マヤ・ユセフ(Maya Youssef)の新譜『Finding Home』。カーヌーンはアラブ地域で広く使われるチター属の伝統的な楽器で、その煌びやかな音色が魅力的だ。
トルコの伝統的な笛、カヴァルをフィーチュアしたバンド、カピコ(KAPIKO)による新譜 『Nova』は、カヴァー曲を中心としつつもアナトリア〜バルカンの音楽的エッセンスを巧みに加えた個性的で楽しいエスノ・ジャズ・フュージョンだ。
イスラエルのギタリスト、オリ・アザニ(Ori Azani)が自身のバンド“the Hijazz Messengers”を率いて録音したデビュー作『Sha'atnez』が素晴らしい。中東音楽や父親が持っていたソウルやR&B、ロックのレコードを聴きながら育ったという。このデビュー作ではそれらの音楽的な特徴が自然に融合し、独特の世界観に昇華されている。
トルコ出身のヴォーカリスト/オーボエ奏者、エリフ・サンチェス(Elif Sanchez)のデビューアルバム『Elif Sanchez』(2021年)は、彼女がこれまでに影響を受けてきたトルコやアゼルバイジャンの伝統曲をジャズを基調とした現代的なアレンジで再解釈した作品。
トルコの南に浮かぶ島国キプロス共和国のバンド、ムッシュ・ドゥマニ(Monsieur Doumani)の2021年作『Pissourin』。一聴すると地中海地域や中東地域の伝統音楽をロックやヒップホップ、エレクトロ・ミュージックといった現代の広域的な共通価値観とブレンドすることに成功した面白い作品だ。
Ktzat AcheretやSheshetといったグループの中心人物として1970年代のイスラエル・プログレジャズポップ界隈を牽引したシンガーソングライター/ピアニスト/フルート奏者のシェム・トーヴ・レヴィ(Shem Tov Levi)の2016年作『שם יש』の紹介。
たくさんの共鳴弦を張った特注のギター“ホエール・ギター”でインド音楽を取り入れた個性的な演奏を行うイスラエルのギタリスト、オフェル・ミズラヒ(Ofer Mizrahi)のライヴ盤『Ofer Mizrahi Trio Live Album』がサブスクでリリースされた。日系のチェロ奏者マユ・シュヴィロと、Shaloshのベース奏者ダヴィド・ミハエリとのトリオで紡がれる素晴らしく魅力的な音楽だ。
イスラエルのウード/打楽器奏者/作曲家、イノン・ムアリム(Yinon Muallem)の新譜は『Norwegian Oud』。もうこのタイトルだけで興味津々なのだが、内容もとても良かった。表題曲の1曲目「Norwegian Oud」はタイトル通り、ビートルズの名曲「Norwegian Wood」のアラブ風カヴァー。
西洋音楽の標準である「十二平均律」の範疇を外れる「微分音」を用いた魅力的な音楽やメロディーたち。今回は現代的で比較的聴きやすい、「ジャズ」と「微分音音楽」のハイブリッドな楽曲たちをプレイリストにまとめました。これまで意識することさえなかった、音律という新たな視点で音楽を聴いていただきたいと思います。
フランスのターキッシュ・クラリネット奏者/作曲家、ヨム(Yom)の2021年新譜『Celebration』はピアノとクラリネットを軸に中東音楽に特徴的な微分音、さらにはエレクトロニカなども大胆に用いた、音作りだけを聴けば実験的でありながらも音楽・演奏面ではキャッチーさやスリルも併せ持った非常に興味深い作品だ。