トルコ/アゼルバイジャンの伝統曲を現代ジャズで歌うエリフ・サンチェス、洗練のデビュー作

Elif Sanchez

歌手エリフ・サンチェスのデビュー作『Elif Sanchez』

トルコ出身のヴォーカリスト/オーボエ奏者、エリフ・サンチェス(Elif Sanchez)のデビューアルバム『Elif Sanchez』(2021年)は、彼女がこれまでに影響を受けてきたトルコやアゼルバイジャンの伝統曲をジャズを基調とした現代的なアレンジで再解釈した作品。

ジェンク・エルドガン(Cenk Erdoğan)が弾くフレットレスのガットギターの印象的な音に導かれる(1)「Ay Oğlan Yiğit Misin」から(8)「Yemenimin Oyası」まで、ドラムスやベース、トランペットも加わったコンテンポラリーなアレンジで演奏される中東ジャズ。エリフ・サンチェスの歌もトルコ音楽らしい微分音を駆使した魅力的な節回しが面白い。唯一、メキシコの歌手アルマンド・マンサネーロのカヴァーである(9)「Contigo Aprendí」はスペイン語で歌われているが、これは今作にも参加しているエクアドル出身のトランペット奏者である夫・パウル・サンチェス(Paul Sanchez)の影響だろうか。

(1)「Ay Oğlan Yiğit Misin」

伝統音楽と、世界の文化に関心を抱くElif Sanchez

エリフ・サンチェス(Elif Çakmut Sanchez)はトルコのイスタンブール出身。両親はトルコ東部のエルズルム出身で、その方言はアゼルバイジャン語とよく似ており、彼女が言語への関心を抱くきっかけにもなった。母親はエリフのためにトルコやアゼルバイジャンの伝統曲をよく歌っていたといい、エリフ自身が両国の歌を歌うのも母親の影響が強い。

イスタンブール大学国立音楽院ではオーボエとイングリッシュホルンを専攻。予てより海外の生活を夢見ていた彼女は2013年に奨学金を得てボストンのバークリー音楽大学に入学し、ジャズオーボエと声楽を専攻した。卒業後はニューヨークに移り、地中海音楽を演奏するグループ、The Mediant Collective などで活動。これまでにティグラン・ハマシアン(Tigran Hamasyan)、デイヴ・リーブマン(David Liebman)、テレンス・ブランチャード(Terence Blanchard)、ハビエル・リモン(Javier Limon)らと共演している。

Elif Sanchez – vocal
Gilad Barakan – guitar
Cenk Erdoğan – fretless guitar
Paul Sanchez – trumpet, flugelhorn, keyboards
Enver Muhamedi – double bass
Nedim Ruacan – drums

Elif Sanchez
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