- 2022-04-16
- 2022-04-15
自然の中に還るための音楽。スコットランドの天才ファーガス・マクリーディーのJAZZ
洗練された現代ジャズとスコットランド伝統音楽の融合で独自の個性を発揮するピアニスト、ファーガス・マクリーディー(Fergus McCreadie)のトリオによる3枚目の新譜『Forest Floor』がリリースされた。前2作と同じメンバーで、広がりのある雄大なサウンドスケープを描き出す。
洗練された現代ジャズとスコットランド伝統音楽の融合で独自の個性を発揮するピアニスト、ファーガス・マクリーディー(Fergus McCreadie)のトリオによる3枚目の新譜『Forest Floor』がリリースされた。前2作と同じメンバーで、広がりのある雄大なサウンドスケープを描き出す。
アン・パセオ(Anne Pacéo)の新譜は現在進行形のコンテンポラリー・ジャズの洗練を纏いながら、土着や野生を匂わせる驚くべき作品だ。『S.H.A.M.A.N.E.S』というタイトルも見事にその言葉(シャーマン=祈祷師)が喚起させるイメージが音に一致する。
南米出身のメンバーで構成され、オーストラリアを拠点に活動するアマル・トライブ(Amaru Tribe)の新譜『Between Two Worlds』。コロンビアの伝統的なダンス音楽であるクンビアや、ヒップホップが混ざり合った強烈なビートと個性的な作風が魅力的な一枚だ。
温かく魅力的な声を持つポルトガルのSSW/ヴァイオリン/マンドリン奏者マヌエル・マイオ(Manuel Maio)のソロデビュー作『Sem Olhar ao Tempo』がリリースされた。彼の音楽はポルトガルの伝統音楽ファドをルーツに、米英のフォーク・ミュージックやブラジル音楽などが混在する。
イタリアのドラマー/作曲家ニコラ・アンジェルッチ(Nicola Angelucci)の2021年作『Changes』は、良作が連発される近年のヨーロッパ・ジャズ作品の中でも特におすすめしたいアルバムだ。
ペルシャの伝統楽器タールとフルートを操るイタイ・アルモン(Itai Armon)を中心とするイスラエルのジャズ・カルテット、Brioのデビューアルバムが素晴らしい。イスラエル〜ペルシャ周辺の伝統音楽やプログレッシヴ・ロックをジャズの語法に乗せた作品で、ピアノトリオと絡むタールの煌びやかで歴史の深みを感じさせる音色、技巧的かつオリエンタルなフルートが際立つ。
ブラジル・ミナスジェライス州出身のピアニスト/作曲家クレイトン・プロスペリ(Clayton Prosperi)が初のソロ作『Cativo』をリリースした。本作にはトニーニョ・オルタ、マルコ・ロボ、テコ・カルドーゾ、ハファエル・マルチニなどミナスな重要な音楽家たちが多数参加。
今回取り上げるのは初期作の中でも完成度の高い94年発表の2nd『Resurrection』。まだまだラップが荒削りであったり若さを感じる部分はあるが、それは「今のコモンに比べて」という注釈入りのものであり、ジャジーなトラックも含め、この時代のHipHopのトーン&マナーを押さえた重要作と言っていいだろう。
スペイン・カタルーニャのSSWジェンマ・ウメット(Gemma Humet) の新譜『Rere tot aquest fum』がリリースされた。2020年作『Màtria』以来のソロ4枚目のアルバムとなる今作は、サウンド的にはよりエレクトロニックの比重を増しつつ、これまでと変わらない魔力を秘めた彼女の“声”を堪能できる独特の世界観を持った作品となっている。
アメリカ合衆国・ロサンゼルス在住のブラジリアン・ディアスポラたちによるバンド、モーフォホー(MôForró)の『O Rio Magoou』(2020年)は、ブラジル北東部のダンス音楽の楽しさがぎっしりと詰まった隠れた傑作だ。
オーストリア出身のピアニスト/作曲家ヴェレーナ・ツェイナーと、イスラエル出身のドラマー、ジヴ・ラヴィッツの初めてのデュオ作品『The Sweetness of Finitude』。互いにそれぞれの役割を持ちつつも、その親密なアンサンブルは個人の境界を曖昧にし馴染み合い、そしてやがて溶け合ってゆく。デュオというフォーマットで行われる即興音楽の情緒の極みとも思えるサウンドが夢見心地なアルバムだ。
ブラジルの男女混成ヴォーカル・グループ、Ordinariusの新譜 『Blanc』は、タイトル通りブラジルの詩人アルヂール・ブランキ(Aldir Blanc)が遺した数々の楽曲を取り上げた作品。ブランキ自身は新型コロナウイルス感染症のため2020年にこの世を去ってしまったが、偉大な作詞家の足跡を辿るように歌われる全12曲は多幸感に満ち、音楽や歌うことの素晴らしさをあらためて実感させてくれる。
スペインのSSW/ギタリストのポル・バトレ(Pol Batlle)が待望のソロ・デビューアルバム『Salt Mortal』をリリースした。彼は日本でも人気の歌手/トロンボーン奏者リタ・パイエスの夫で、リタと彼女の母エリザベト・ローマのデュオ2作目『Como la Piel』にも数曲で参加し、それまでの母娘の作品のテイストには全くなかったダーク・ファンタジーな風を吹き込んでいた張本人である。
スイス出身のギタリスト、ルイ・マトゥテ(Louis Matute)の新作『Our Folklore』が登場した。全曲がルイ・マトゥテの作曲で、既にスイス随一といわれるギター演奏技術だけでなく、ブラジル音楽やスムースジャズ、ネオソウルなど様々な音楽から影響を受け自然と自身の音楽に取り込んでいった彼の作曲能力の高さも窺わせる内容だ。