- 2020-03-21
- 2020-03-21
世界各地からサンパウロに集った移民たちが繰り広げる音楽の坩堝『OMRefugi』
中国、コンゴ、キューバ、フランス、ギニア、イラン、パレスチナ、シリア、チュニジアといった国々からの移民がブラジル・サンパウロで結成したバンド、オルケストラ・ムンダーナ・ヘフジ。2019年作『Caravana Refugi』では、洗練されたブラジル音楽をベースに各国の音楽文化が雑多に混じり合ったユニークな音楽を聴くことができる。
中国、コンゴ、キューバ、フランス、ギニア、イラン、パレスチナ、シリア、チュニジアといった国々からの移民がブラジル・サンパウロで結成したバンド、オルケストラ・ムンダーナ・ヘフジ。2019年作『Caravana Refugi』では、洗練されたブラジル音楽をベースに各国の音楽文化が雑多に混じり合ったユニークな音楽を聴くことができる。
カッサ・オーバーオール(Kassa Overall)の新譜『I Think I'm Good』はかつてなく強烈な印象を残すアルバムだった。この音楽はいったい何なのだろう。ジャズもヒップホップの文化も、カッサ・オーバーオールというシアトル生まれのドラマー/作曲家の元ではまったく等価だ。
創造力に溢れるイスラエルの女性ジャズピアニスト、ヌファル・フェイ(Nuphar Fey)の2020年新譜『Serenity Island』が素晴らしい。イスラエルの音楽文化もスペインのフラメンコも、西洋クラシック音楽も、南米のタンゴも、彼女の類稀な才能の礎となりこの世界に羽ばたくピアニストの最高傑作を生み出した。
カーボベルデ出身の両親を持つポルトガル生まれのヴォーカリスト、カルメン・ソウザ(Carmen Souza)による、同じくカーボベルデ出身の父親を持つ米国のファンキージャズを代表するピアニスト/作曲家、ホレス・シルヴァーへのトリビュート作品。
シカゴのジャズドラマー、ジェレミー・カニングハム(Jeremy Cunningham)は2008年に自宅に押し入った二人組の強盗が発砲したライフル銃により、最愛の兄弟を失った。2020年のソロデビュー作『The Weather Up There』は、そんな彼自身の個人的な想いを、銃が支配する米国社会に向けて音楽に託して吐露した作品だ。
いずれもスウェーデン出身。ジャズトロンボーン奏者/ヴォーカリストのニルス・ラングレン(Nils Landgren)とピアニストのヤン・ラングレン(Jan Lundgren)、姓はたった母音一文字違いの“Wラングレン”が夢の共演。水晶、英語でいう「Cristal」の意味のアルバムタイトル『Kristallen』のとおり、北欧ジャズらしい透明感のある絶品デュオ作品だ。
超絶ギタリスト、アル・ディ・メオラ(Al Di Meola)の2020年新作は『All Your Life』(2013年)以来2作目となる、自身が大きな影響を受けたビートルズ曲集となった。
ブラジルのジャズピアニスト、ベンジャミン・タウブキン(Benjamim Taubkin)とヴィオラ・カイピーラ奏者のイヴァン・ヴィレラ(Ivan Vilela)によるデュオ作品『Encontro』(2019年)は、ブラジル音楽を極めた二人のベテランによる洗練された好盤だ。
現代UKジャズシーンの旗手、シャバカ・ハッチングス(Shabaka Hutchings)率いるバンド、シャバカ・アンド・ジ・アンセスターズ(Shabaka And The Ancestors)の新譜『We Are Sent Here By History』のテーマは、ずばり人類の避けられぬ運命=絶滅だ。アルバム全編を通じ、切迫した力強い演奏が繰り広げられる。
パレスチナ出身のファラジュ・スレイマン(Faraj Suleiman)という凄いピアニストがいる。彼は1984年にパレスチナ北部のアッパーガリラヤ(Upper Galilee)生まれ。アラビア音楽と東洋のリズムに影響された独特の感性で、近年ヨーロッパや中東でのジャズフェスティバルでも活躍する若い音楽家だ。
あらゆる音楽を吸収し、ラテン音楽を前進させるアフロ・キューバン・ジャズを代表するピアニスト、ロベルト・フォンセカ(Roberto Fonseca)の通算9枚目となる2019年作『Yesun』はとてもラテンジャズを基調としつつ、他ジャンルを積極的に取り入れてきた彼らしいバリエーション豊かな快作。
ポルトガルの若きファド歌手、リナ(Lina)とスペイン出身のマルチ奏者/プロデューサーのラウル・レフリー(Raül Refree)の2020年作『Lina_Raül Refree』は、ポルトガルの伝説的ファド歌手アマリア・ロドリゲス(Amália Rodrigues)が愛した楽曲群を現代的にアレンジした興味深い作品だ。
たった二人、ガットギターと声だけというシンプルな演奏なのに、この複雑さ、この深み…ギンガの音楽が持つ魅力は本当に底知れない──。比類なき作曲家/ギタリストのギンガ(Guinga)の名曲たちを、シンガー、ドゥドゥ・スペルブ(Dudu Sperb)が歌い上げる『Navegante - Dudu Sperb recebe Guinga』(2019年)。
ブラジル・ミナスジェライス州出身のピアニスト/作曲家ルイーザ・ミトリ(Luísa Mitre)の2018年のデビューアルバム『Oferenda』は、日本でも特に人気の高いブラジル・ミナスの近年の音楽の若くも洗練されたシーンを象徴し得る、素晴らしい作品だ。