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アラブ音楽

  • 2025-05-02
  • 2025-05-02

魔法の町マコンドにインスパイアされた多国籍トリオ、Macondo Trio が描く魅惑の音楽『Morayò』

ベナン、ベルギー、イタリアとそれぞれ異なるルーツを持つ3人によるマコンド・トリオ(Macondo Trio)。ガブリエル・ガルシア=マルケスが『百年の孤独』で描いた魔法のような町の名前に因むトリオは、ヨルバ語で「喜びを見つけた」という意味を冠する新作『Morayò』で、ジャズやアフリカのリズム、アラブ文化が共生する奥行きのある音楽観を提示している。

  • 2025-04-30
  • 2025-04-30

マグレブ音楽と欧州文化を繋ぐアレフ・クインテット、異文化の“対話”から生まれる新しいジャズ

ベルギー・ブリュッセルを拠点に活動する多国籍ジャズバンド、アレフ・クインテット(Aleph Quintet)の第2作目『Hiwar』。アルバム名はアラビア語で「対話」を意味し、ジャズと北アフリカ音楽の“対話”を通じて異なる文化的視点や音楽的感性を結びつけようとする彼らの姿勢を強く反映した作品となっている。

  • 2025-04-08
  • 2025-04-06

アラブ社会と西洋音楽の架け橋を担うウードの巨匠アヌアル・ブラヒム、ガザの悲劇に寄り添う新作

チュニジア出身のウード奏者/作曲家アヌアル・ブラヒム(Anouar Brahem)の新譜『After the Last Sky』がリリースされた。ECMの傑作のひとつと称賛された前作『Blue Maqams』以来、実に8年ぶりとなる新作で、彼にとって初めての試みとなるチェロを加えた最大4人の編成でアラブ音楽やジャズ、クラシックを自然に融合させた美しい室内楽を聴かせてくれる作品となっている。

  • 2025-03-13
  • 2025-03-14

ジャズに魅了されたモロッコ出身の天才マルチ弦楽器奏者マフムード・ショウキが奏でる“交易の音”

モロッコ出身で現在は米国ニューオーリンズを拠点とするマルチ弦楽器奏者/作曲家マフムード・ショウキ(Mahmoud Chouki)。2024年リリースの『Caravan "From Marrakech To New Orleans"』は、ギターやウードを卓越した技巧で操り、マグレブ(北西アフリカ諸国)の音楽とニューオーリンズで生まれたジャズを融合した独創的な音楽で国際的に称賛される彼の新作だ。

  • 2025-03-04
  • 2025-03-03

バーレーン系女性ジャズ・トランペット奏者、ヤズ・アハメドが切り拓くアラビック・ジャズ新境地

ロンドンを拠点に活動する女性トランペッター/作曲家のヤズ・アハメド(Yazz Ahmed)が、自身のルーツである中東の島国バーレーンの伝統的文化にインスパイアされた新作『A Paradise In The Hold』をリリースした。真珠産業に従事する労働者やアラブの女性達の強さを祝い、また数曲で自身の作品として初めて歌手とのコラボレーションも行うなど、アラビック・ジャズの新たな境地を切り拓いた作品となっている。

  • 2025-01-18
  • 2025-01-18

パレスチナの鬼才ファラジュ・スレイマンが描く、非日常に生きる恋人たちの物語

パレスチナ人として初のジャズ・ピアニストと言われるファラジュ・スレイマン(Faraj Suleiman) が新作『Maryam』をリリースした。衝撃的なプログレッシヴ・ジャズの前作『As much as it takes』のリリースが2023年9月29日。そのわずか10日後に彼の世界は一変し、一時はその怒りとショックから所謂西側メディアから姿を消してしまった彼だが、2024年のモントルー・ジャズ・フェスティバルへの出演を機に徐々に復帰。こうしてまた、素晴らしい音楽作品を届けてくれた。

  • 2024-12-10
  • 2024-12-10

超絶技巧なサントゥールとドラムスの驚異のデュオ「Marvash」が導くペルシアン・ジャズの新時代

イラン・テヘラン出身のサントゥール奏者/作曲家スィヤーヴァシュ・カムカール(Siavash Kamkar)と、オランダ・ユトレヒト出身のドラマー、マーティン・スーターブローク(Martijn Soeterbroek)のデュオ・ユニット、マルヴァッシュ(Marvash)の音楽が面白い。

  • 2024-09-23
  • 2024-11-23

トランペットに新時代到来! イブラヒム・マアルーフが導くジャズ・ルネッサンス

フランスのジャズ・トランペットのスーパースター、イブラヒム・マアルーフ(Ibrahim Maalouf)が16枚目のスタジオ・アルバム『Trumpets of Michel-Ange』をリリースした。編集やオーバーダブを用いず、大人数のバンドでライヴ録音された作品で、凄まじいほどの熱を帯びる。“ミケランジェロのトランペット”というタイトルは単にアルバムのタイトルというだけでなく、半世紀以上前に彼の父親が発明し、彼のトレードマークでもあるユニークな四分音トランペットを世界に広め、誰もが楽しめるようにすることを最終目標とする、大規模な教育プロジェクトの名称(T.O.M.A.)でもある。

  • 2024-09-06
  • 2024-09-06

北アフリカ文化とジャズを繋ぐ新星ベーシスト、チュニジア出身マルワン・アッラムのデビュー作

チュニジア出身、現在は米国ニューヨークで活動するベーシスト/作曲家マルワン・アッラム(Marwan Allam)がデビューアルバム『باب بحر』(英字転写:Bab Bhar)をリリースした。アルバムのタイトルは彼の祖国であるチュニジアの首都チュニスのヨーロッパ式の新市街とイスラム統治時代に栄えた旧市街(メディナ)を分つ歴史的な門「バブ・エル・バール(海の門)」、別名「ポルト・ド・フランス(フランスの門)」に因んで名付けられている。

  • 2024-07-25
  • 2024-07-24

Auster Loo、アフリカ、西洋、中東から日本までをも包む多国籍民族ジャズ

2016年に打楽器奏者シモン・ルルー(Simon Leleux)とフルート奏者リディー・トナール(Lydie Thonnard)の二人でアルバム『Rhythm and Breath』でデビューしたベルギーのデュオ、Auster Loo が多様なバックグラウンドを持つミュージシャンたちを迎えて制作した2ndアルバム 『Collective』をリリースした。アフリカから西洋、東洋まで、無国籍で混ざり合った豊かな音楽が楽しめる優れたワールドミュージック×ジャズの作品だ。

  • 2024-06-17
  • 2024-06-16

オリエンタル・マカームの新時代を開拓するエジプトの天才ウード奏者モハメド・アボゼクリ

エジプトの天才的ウード奏者モハメド・アボゼクリ(Mohamed Abozekry)の新作『Roh El Fouad』。とかく伝統楽器としての側面が注目され、古典的な振る舞いを求められがちなウードという楽器の伝統に囚われない自由で先進的な演奏が新鮮。6人編成のバンドでアラビック・ミュージックをジャズの語法に持ち込んだ、大胆かつ美しいアルバムだ。

  • 2024-04-20
  • 2024-04-20

コーチェラで歴史を作ったアラビック・ポップの新星エリアナ。パレスチナ生まれの才媛、デビュー!

新しいアラビック・ポップスターの誕生だ。中東パレスチナと南米チリをルーツに持つシンガー、エリアナ(Elyanna)が驚くべきデビューアルバム『WOLEDTO』をリリースした。2023年のコーチェラ・フェスティバルで史上初の全編アラビア語で歌い切ったアーティストとして大きな話題となり一躍メインストリームに躍り出た彼女による、アラビック・ポップの新時代の幕開けを告げる象徴的なアルバムだ。

  • 2024-04-04
  • 2024-04-02

インスタンブール発・中東ジャズロック!微分音満載の魅惑の7人組バンド、Develer

トルコ・イスタンブールを拠点とする7人編成のバンド、デヴェラー(Develer)。ピアノ、シンセ、ドラムス、エレクトリック・ベースという西洋音楽の楽器に加え、弓弾きするタンブールやフレットレスのクラシックギター、ダラブッカといったこの地域特有の楽器を加えた微分音満載のジャズ・アンサンブルがなんとも魅惑的だ。

  • 2024-02-02
  • 2024-02-01

今、アラビック・ジャズが最高に熱い! ウード奏者アミン・アル・アイディ、驚異的なデビュー作

フランス人の母親とイラク人の父親を持つウード奏者/作曲家、アミン・アル・アイディ(Amin Al Aiedy)のデビュー作『SHAMS』は驚きに値する。西洋とアラブ、常に二つの文化が当たり前に存在する環境で育った彼が今作で魅せるのは西洋の音楽理論をベースにしていながら、従来その枠内では発想することさえ難しかった斬新な旋律だ。