TAG

ジャズ

  • 2026-09-04
  • 2026-09-03

ジャズとエレクトロニカを横断するDroid。NYシーンを牽引した、その長いキャリアを凝縮した初のスタジオ・アルバム

90年代からライヴ・エレクトロニクスを駆使するジャズ・ユニットとしてNYで活動してきたドロイド(Droid)。結成から約30年という彼らの長いキャリアのなかで、なんと初のスタジオ・アルバムとなる『CHARGE』が2026年にリリースされた。従来の即興・ライヴ中心のスタイルから一歩進み、Droidとして初めて本格的に作曲された今作は、ジャズ、ファンク、ドラムンベース、エレクトロニカ、実験音楽を横断してきた彼らの音楽性が凝縮された作品だ。

  • 2026-09-01
  • 2026-09-01

LAの創造的ジャズ・シーンを再定義するマウリシオ・モラレス&アダム・ハーシュ、初の共作アルバム

メキシコ出身で現在はロサンゼルスを拠点に活動するベーシスト/作曲家マウリシオ・モラレス(Mauricio Morales)と、アメリカ合衆国出身のピアニスト/作曲家アダム・ハーシュ(Adam Hersh)による初の共作アルバム『Between Dreams & Twilight』。2025年11月に発表された本作には、ギタリストのマイク・モレノ(Mike Moreno)、ヴィブラフォン奏者のウォーレン・ウルフ(Warren Wolf)、そしてドラマーのゲイリー・ノヴァク(Gary Novak)に加え、ストリングス・アンサンブルのローグ・レモン・コレクティヴ(Rogue Lemon Collective)も参加している。

  • 2026-08-30
  • 2026-08-30

レア・フレイリ、タチアナ・パーハら4人の女性音楽家による新譜“秋風”。松尾芭蕉が重要なテーマに

ブラジル・サンパウロを拠点に活動する4人の女性音楽家──フルート奏者/ピアニスト/作曲家レア・フレイリ(Léa Freire)、歌手/ピアニスト/作曲家のタチアナ・パーハ(Tatiana Parra)、ピアニスト/作曲家のタイス・ニコデモ(Thais Nicodemo)、歌手/ギタリスト/作曲家のタリータ・ヂ・ソウザ(Tarita de Souza)が、新グループ・クアルチーナス(Quartinas)を結成。スタジオ録音のデビュー・アルバム『Autumn wind』をリリースした。

  • 2026-08-28
  • 2026-08-26

ブラジル音楽と現代ジャズの幸福な接点を映し出す。新鋭ギタリスト、グスタヴォ・ヴィリッシモのデビュー作

ブラジル、リオグランデ・ド・スル州の新鋭ギタリスト/作曲家、グスタヴォ・ヴィリッシモ(Gustavo Virissimo)が、デビュー・アルバム『Reflexos』で瑞々しく素晴らしい創作力を証明してみせた。アルバムにはすべて彼自身の作曲による8曲が収録されており、フレーヴォやバイアォン、サンバといったブラジル音楽のリズム語法と、現代ジャズがごく自然に融合した楽曲群は驚くほどの完成度を誇る。アルバムタイトル「Reflexos(反射)」は、各楽曲が作曲者自身の記憶や人間関係、感情の断片を映し出すという意味が込められている。

  • 2026-08-26
  • 2026-08-24

イタリア最高峰ピアニスト、エンリコ・ピエラヌンツィ名盤『Racconti mediterranei』

イタリアのピアニスト/作曲家エンリコ・ピエラヌンツィ(Enrico Pieranunzi)が変則ピアノトリオで録音した2000年のアルバム『Racconti mediterranei』を聴き返している。サルヴァドール・ソブラルが2017年のユーロビジョン・ソングコンテストの授賞式で無邪気に言い放った言葉を借りれば、“内容のほとんどない、使い捨ての無意味な音楽が蔓延するこの世界”なのだからこそ、ときどきはこういう本物の音楽に立ち返り、体の芯から暖かく沸き立つような人間らしい感情の震えに身を任せたくなるのだ。

  • 2026-08-25
  • 2026-08-23

90年代NYの雑食性から生まれたブルックリン・ファンク・エッセンシャルズ。継承される文化と、新たな変化

1990年代初頭にニューヨーク・ブルックリンで結成されたジャズファンク集団、ブルックリン・ファンク・エッセンシャルズ(Brooklyn Funk Essentials, 略称:BFE)。メンバー変遷を重ねながら30年以上に渡り活動を続ける彼らが、通算8枚目となる新譜『Black Butterfly』をリリースした。ニューヨークのクラブ文化を中心に、ファンク、ヒップホップ、ジャズ、ソウル、レゲエ、ダブ、ラテン音楽、スポークン・ワードなどを自在に混ぜ合わせるグループ初期からの精神性を継承しつつ、欧州出身のメンバーが中心となった多国籍の視点から現代社会の状況を反映したアルバムとなっている。

  • 2026-08-21
  • 2026-08-10

カナダ出身気鋭ドラマー アンソニー・ファング、丁々発止のギタートリオ作『Common Language』

カナダ出身のドラマー/作曲家アンソニー・ファング(Anthony Fung)の7枚目のリーダー作『Common Language』。彼の従来の作品で見られたホーン主体のコンテンポラリー・ジャズから一歩進み、ギタートリオという極めてシンプルな編成を軸に据え、ジャズの本質である“共通言語”、つまり言葉ではなく即興演奏による相互理解を追求している。

  • 2026-08-19
  • 2026-08-18

Shake Stew、10周年を記念する新譜『TEN ONE TWO』で見せたクラウトジャズの到達点

オーストリア・ウィーンを拠点とするジャズ集団シェイク・スチュー(Shake Stew)は、2016年の結成以降、その先進的な音楽性で注目を浴び、とりわけクラウトロックの反復するリズムやサイケデリックな感覚と現代ジャズやアフロビートなどを融合させた“クラウトジャズ”の代表格として称賛を浴びてきた。結成10周年を記念して制作された2枚組大作『TEN ONE TWO』は、そうした彼らの歩みを総括すると同時に、次の10年へ向けた宣言でもある。

  • 2026-08-18
  • 2026-08-16

南フランスの伝説的スタジオで録音された、ブラジル器楽音楽名手たちによるブラジリアン・ジャズ傑作

現代ブラジル器楽音楽を代表する4人──、ベース奏者のブルーノ・ミゴット(Bruno Migotto)、ギタリストのヴィニシウス・ゴメス(Vinícius Gomes)、ドラマーのエドゥ・ヒベイロ(Edu Ribeiro)、そしてアコーディオン奏者トニーニョ・フェハグッチ(Toninho Ferragutti)が、ECMレーベル作品を多数録音していることで知られる南フランスのスタジオ「La Buissonne」に集い録音したアルバム『O Tempo das Cores』をリリース。洗練された音楽性のなかに暖かく息づく、ブラジルらしい陽光が散りばめられた傑作だ。

  • 2026-08-16
  • 2026-08-16

イラン出身クラリネット奏者率いる、不安定な世界を表現するアヴァンギャルド・ジャズ・トリオ

イラン出身のクラリネット奏者シャブナム・パルヴァレシュ(Shabnam Parvaresh)率いる実験的ジャズトリオ、シーン・トリオ(Sheen Trio)の新譜『Transitory』が面白い。イギリス出身のギタリスト、ウラ・マーティン=エリス(Ula Martyn-Ellis)と、ドイツ出身ドラマーのフィリップ・ブック(Philipp Buck)という国籍や文化を超えたトリオで、構造的な側面と即興的な側面を自在に行き来し、不安定な現代社会の混乱と、それでも未来へと向かう希望のエネルギーを象徴するような音楽を奏でる。

  • 2026-08-14
  • 2026-08-03

中国出身、NYで活躍するジャンルレスな若き作曲家/ピアニスト、ストラッキー・イーが放つ初のジャズアルバム

中国出身、現在は米国ニューヨークで活動する作曲家/ピアニストのストラッキー・イー(Strucky Yi)が初のジャズ・アルバム『Setting Out』をリリースした。ギラッド・ヘクセルマン(Gilad Hekselman, g)やサイモン・ムーリエ(Simon Moullier, vib)といったNYの最前線で活躍するミュージシャンを迎え、楽曲ごとにバンド編成を変えつつ、高度なインプロヴィゼーションを交えながらストラッキー・イーの美しいオリジナル曲の演奏が繰り広げられる。

  • 2026-08-13
  • 2026-08-12

102歳のサックス奏者マーシャル・アレンは、今も冒険の船に乗る──驚異の新作『101: An Audio Odyssey』

マーシャル・アレン(Marshall Allen)、1924年生まれ。 サン・ラ・アーケストラ(Sun Ra Arkestra)のリーダーを、サン・ラ亡き後30年以上務めている人物だ。 筋力は30歳頃をピークに加齢で低下し、80歳以降は低下速度がさらに大きくなるという。サックス演奏に必要な呼吸筋、姿勢保持、指の巧緻性を100歳超で維持することは生理学的にも極めて難しいはずだ。これらの事実を鑑みれば、100歳で初のソロ名義のアルバム『New Dawn』をリリース後、わずか1年で第2作目となる本作『101: An Audio Odyssey』をリリースしてきたことに、奇跡に限りなく近いものを見る驚きを禁じ得ない。

  • 2026-08-11
  • 2026-08-10

G.ミラバッシ直系ピアニスト、トリスタン・メリアが奏でる至極耽美なソロピアノ『The Bird in My Heart』

フランスの新鋭ピアニスト、トリスタン・メリア(Tristan Mélia)のソロピアノ作『The Bird in My Heart』が素晴らしい。アルバムはピアノ演奏、録音、ミキシング、マスタリングがすべて彼自身によって行われており、真に内省的な制作プロセスを通じて生み出された音にはアーティストの独白が綴られており、さらにはその奥に秘められた彼の魂の咆哮を感じさせる。3曲のカヴァーと、5曲のオリジナルを収録。