TAG

ジャズ

  • 2026-09-16
  • 2026-09-16

エズラ・コレクティヴ、待望の新譜はアフリカン・ディアスポラの音楽的ルーツを辿る大作!

エズラ・コレクティヴ(Ezra Collective)が第4作目となるスタジオ・アルバム『Here Because of Hope』をリリースした。ジャケットには日本でいう三猿(見ざる、聞かざる、言わざる)を思わせるポーズをした子ども達が写っている。今作は西アフリカからカリブ海を経てロンドンへと渡った黒人ディアスポラの歴史を、その土地から生まれた音楽によって辿る三部構成のコンセプティヴな作品となっており、その音楽を紐解いていくと、彼らがタイトル“希望ゆえにここにいる”に込められた想いや、印象的なジャケットの意味が見えてくる。

  • 2026-09-13
  • 2026-09-12

様々なジャンルの音楽が淡く混ざり合う、カナダのデュオ Violette & Jordan 最高のデビュー作『Dahlia』

シンガー/ピアニストのヴィオレット・ラピエール(Violette Lapierre)と、ギタリスト/シンガーのジョーダン・オフィサー(Jordan Officer)によるカナダ・ケベックの男女デュオ、ヴィオレット&ジョーダン(Violette & Jordan)のデビュー・アルバム『Dahlia』。

  • 2026-09-09
  • 2026-08-25

フィンランド発、アフロポップとジャズ、Lo-Fi Popの交差点。Sumuposauttaja Band『Work and Play』

フィンランドのアンダーグラウンド・シーンで活動するマルチ奏者/作曲家サミ・アレクシ・ケイナネン(Sami Aleksi Keinänen)が、ソロプロジェクト、スムポサウッタヤ(Sumuposauttaja)名義でのアルバム『Work and Play』をリリースした。ローファイ・ポップを起点に、パーカッション多めの生バンドのアンサンブルによって西アフリカ系のリズムを孕んだ、レトロな質感のある心地よいグルーヴを生み出す優れたアルバムに仕上がっている。

  • 2026-09-07
  • 2026-09-13

ジャズを「知る」前に、その豊かさに触れてほしい──「JAZZ A Living Atlas」を作った理由

ジャケットが気になって、まだ知らないアルバムに手を伸ばす。参加しているミュージシャンの名前から別の作品へ進み、いつの間にか、最初に聴こうと思っていた音楽とはずいぶん遠い場所にたどり着いている。こんな偶然の出会いの感覚を、ウェブの上に作れないだろうか。そんな思いから生まれたのが、ジャズの歴史と世界の音楽を辿るインタラクティブ・ガイド、「JAZZ A Living Atlas」です。

  • 2026-09-06
  • 2026-09-05

あまりに美しいルネサンス・ヴァイオリンが心を動かす。アダム・バウディヒ新譜『Endless』

ポーランドを代表するジャズ・ヴァイオリニスト、アダム・バウディヒ(Adam Baldych)が、新たに結成した多国籍カルテットでの演奏を収録した新譜『Endless』をリリースした。僕はこの音楽家の音色や表現力が大好きなので、やや偏愛的なレビューになってしまうかもしれないけれど、やはり彼の音楽は最高だ。この地球上で最高に美しい音楽のひとつだと言って過言ではないと思う。

  • 2026-09-04
  • 2026-09-03

ジャズとエレクトロニカを横断するDroid。NYシーンを牽引した、その長いキャリアを凝縮した初のスタジオ・アルバム

90年代からライヴ・エレクトロニクスを駆使するジャズ・ユニットとしてNYで活動してきたドロイド(Droid)。結成から約30年という彼らの長いキャリアのなかで、なんと初のスタジオ・アルバムとなる『CHARGE』が2026年にリリースされた。従来の即興・ライヴ中心のスタイルから一歩進み、Droidとして初めて本格的に作曲された今作は、ジャズ、ファンク、ドラムンベース、エレクトロニカ、実験音楽を横断してきた彼らの音楽性が凝縮された作品だ。

  • 2026-09-01
  • 2026-09-01

LAの創造的ジャズ・シーンを再定義するマウリシオ・モラレス&アダム・ハーシュ、初の共作アルバム

メキシコ出身で現在はロサンゼルスを拠点に活動するベーシスト/作曲家マウリシオ・モラレス(Mauricio Morales)と、アメリカ合衆国出身のピアニスト/作曲家アダム・ハーシュ(Adam Hersh)による初の共作アルバム『Between Dreams & Twilight』。2025年11月に発表された本作には、ギタリストのマイク・モレノ(Mike Moreno)、ヴィブラフォン奏者のウォーレン・ウルフ(Warren Wolf)、そしてドラマーのゲイリー・ノヴァク(Gary Novak)に加え、ストリングス・アンサンブルのローグ・レモン・コレクティヴ(Rogue Lemon Collective)も参加している。

  • 2026-08-30
  • 2026-08-30

レア・フレイリ、タチアナ・パーハら4人の女性音楽家による新譜“秋風”。松尾芭蕉が重要なテーマに

ブラジル・サンパウロを拠点に活動する4人の女性音楽家──フルート奏者/ピアニスト/作曲家レア・フレイリ(Léa Freire)、歌手/ピアニスト/作曲家のタチアナ・パーハ(Tatiana Parra)、ピアニスト/作曲家のタイス・ニコデモ(Thais Nicodemo)、歌手/ギタリスト/作曲家のタリータ・ヂ・ソウザ(Tarita de Souza)が、新グループ・クアルチーナス(Quartinas)を結成。スタジオ録音のデビュー・アルバム『Autumn wind』をリリースした。

  • 2026-08-28
  • 2026-08-26

ブラジル音楽と現代ジャズの幸福な接点を映し出す。新鋭ギタリスト、グスタヴォ・ヴィリッシモのデビュー作

ブラジル、リオグランデ・ド・スル州の新鋭ギタリスト/作曲家、グスタヴォ・ヴィリッシモ(Gustavo Virissimo)が、デビュー・アルバム『Reflexos』で瑞々しく素晴らしい創作力を証明してみせた。アルバムにはすべて彼自身の作曲による8曲が収録されており、フレーヴォやバイアォン、サンバといったブラジル音楽のリズム語法と、現代ジャズがごく自然に融合した楽曲群は驚くほどの完成度を誇る。アルバムタイトル「Reflexos(反射)」は、各楽曲が作曲者自身の記憶や人間関係、感情の断片を映し出すという意味が込められている。

  • 2026-08-26
  • 2026-08-24

イタリア最高峰ピアニスト、エンリコ・ピエラヌンツィ名盤『Racconti mediterranei』

イタリアのピアニスト/作曲家エンリコ・ピエラヌンツィ(Enrico Pieranunzi)が変則ピアノトリオで録音した2000年のアルバム『Racconti mediterranei』を聴き返している。サルヴァドール・ソブラルが2017年のユーロビジョン・ソングコンテストの授賞式で無邪気に言い放った言葉を借りれば、“内容のほとんどない、使い捨ての無意味な音楽が蔓延するこの世界”なのだからこそ、ときどきはこういう本物の音楽に立ち返り、体の芯から暖かく沸き立つような人間らしい感情の震えに身を任せたくなるのだ。

  • 2026-08-25
  • 2026-08-23

90年代NYの雑食性から生まれたブルックリン・ファンク・エッセンシャルズ。継承される文化と、新たな変化

1990年代初頭にニューヨーク・ブルックリンで結成されたジャズファンク集団、ブルックリン・ファンク・エッセンシャルズ(Brooklyn Funk Essentials, 略称:BFE)。メンバー変遷を重ねながら30年以上に渡り活動を続ける彼らが、通算8枚目となる新譜『Black Butterfly』をリリースした。ニューヨークのクラブ文化を中心に、ファンク、ヒップホップ、ジャズ、ソウル、レゲエ、ダブ、ラテン音楽、スポークン・ワードなどを自在に混ぜ合わせるグループ初期からの精神性を継承しつつ、欧州出身のメンバーが中心となった多国籍の視点から現代社会の状況を反映したアルバムとなっている。

  • 2026-08-21
  • 2026-08-10

カナダ出身気鋭ドラマー アンソニー・ファング、丁々発止のギタートリオ作『Common Language』

カナダ出身のドラマー/作曲家アンソニー・ファング(Anthony Fung)の7枚目のリーダー作『Common Language』。彼の従来の作品で見られたホーン主体のコンテンポラリー・ジャズから一歩進み、ギタートリオという極めてシンプルな編成を軸に据え、ジャズの本質である“共通言語”、つまり言葉ではなく即興演奏による相互理解を追求している。

  • 2026-08-19
  • 2026-08-18

Shake Stew、10周年を記念する新譜『TEN ONE TWO』で見せたクラウトジャズの到達点

オーストリア・ウィーンを拠点とするジャズ集団シェイク・スチュー(Shake Stew)は、2016年の結成以降、その先進的な音楽性で注目を浴び、とりわけクラウトロックの反復するリズムやサイケデリックな感覚と現代ジャズやアフロビートなどを融合させた“クラウトジャズ”の代表格として称賛を浴びてきた。結成10周年を記念して制作された2枚組大作『TEN ONE TWO』は、そうした彼らの歩みを総括すると同時に、次の10年へ向けた宣言でもある。