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ジャズ

  • 2026-05-29
  • 2026-05-27

内なる精神世界を探求する、革新的ヒマラヤン・グループ The Three Seas 新譜『Antaḥkaraṇa』

西ベンガルの伝統音楽と、オーストラリアの現代ジャズ/エレクトロニカ・シーンの気鋭たちが融合したボーダレス・アンサンブル、ザ・スリー・シーズ(The Three Seas)。彼らが結成15周年の節目にリリースした2026年のアルバム『Antaḥkaraṇa』は、バンド史上最もスピリチュアルでありながら、独特のグルーヴに満ちた作品だ。近年の“ワールド・ジャズ”や“スピリチュアル・クロスオーバー”などのシーンから見ても相当に独自性が強い作品で、単なる伝統音楽/ジャズ/エレクトロニックの融合という枠を超えた精神的な深淵を感じさせる。

  • 2026-05-24
  • 2026-05-23

アルメニアのルーツに深く根差したピアニスト、ゼラ・マルゴシアン 苦難からの“癒し”を求める新譜『Remedy』

西洋クラシック音楽を深く学びながら、自身のルーツであるアルメニアの民族ジャズに強く惹かれ、ジャズピアニストになったレバノン生まれ・オーストラリア在住のゼラ・マルゴシアン(Zela Margossian)が、自身のクインテットでの第3作目となるアルバム『Remedy』をリリースした。前作『The Road』(2022年)からメンバーを変えず、完璧な音楽的意思疎通を見せるクインテットでの演奏に加え、今作では多様なゲスト・ミュージシャンもフィーチュア。アルメニアのルーツを強く匂わせる叙情性の豊かな作品となっている。

  • 2026-05-23
  • 2026-05-21

現代グウォカ・ジャズの旗手ソニー・トルーぺ、伝統をジャズと室内楽で革新する『Evy Danse』

グアドループの伝統的な音楽「グウォカ」を現代的に再解釈する活動で知られるドラマー、ソニー・トルーぺ(Sonny Troupé)。2026年リリースの『Evy Danse』は、2013年の『Voyages et rêves』、2017年の『Reflets Denses』から連なる三部作の完結編として位置付けられており、アルバムを通して断片的に語られる架空の女性「Evy」の物語を通して、ソニー・トルーぺ自身の音楽の変容とその終着点を表現する野心的な作品となっている。

  • 2026-05-22
  • 2026-05-22

現代グローバル・ジャズを代表する音楽家たちによる故エルメート・パスコアール・トリビュート

現代のブラジル音楽やジャズ、あるいは音楽という概念そのものに絶大な影響を与え、2025年に惜しまれつつ亡くなったブラジルの音楽家エルメート・パスコアールへの最大限の敬意が込められたトリビュート・アルバム『Hermeto Universal』がリリースされた。アルバムはブラジル出身の超絶的なハーモニカ奏者ガブリエル・グロッシ、フランス出身の鍵盤奏者ローラン・クーロンドルの双頭名義だが、リズムセクションにスナーキー・パピー主宰者でベーシストのマイケル・リーグ、キューバ出身の名ドラマー ルイ・アドリアン・ロペス・ヌッサを擁するスーパーバンドでの演奏が核となっている。

  • 2026-05-19
  • 2026-05-07

イスラエルの人気ピアノトリオ Shalosh、深く内省的なオリジナルと驚くような選曲のカヴァー

現代ジャズを代表するピアノトリオ、シャローシュ(Shalosh)の2026年新作『What We Are Made Of』がリリースされた。オリジナルのほか、ロックやポップスからの大胆なカヴァーも収録。凝ったアレンジとダイナミックな演奏で、万人が楽しめるアルバムとなっている。

  • 2026-05-17
  • 2026-05-10

新たに生まれ変わるLAのジャズ発信拠点に響く、豊穣なサックスの音色。ダニエル・ロテム ソロ新譜

ロサンゼルスのジャズ文化の発信拠点であり、同時にあらゆるクリエイティヴなインスピレーションの源であったジャズクラブ・ブルーホエール(Bluewhale)は、かつて世界を覆った、あの狂乱のような新型コロナ禍の影響で2020年末に閉店を余儀なくされた。リトル・トーキョーとして知られるLAのダウンタウンで韓国出身の元ジャズシンガーであるジュン・リー(Joon Lee)が2009年に創業したこの店は、自由で開かれた資本主義社会のなかにありながら、商業至上主義に陥らずに、新しい芸術や文化の発信拠点として頑固なまでにその独自路線を貫き、数多くの音楽家たちからリスペクトされていた。

  • 2026-05-16
  • 2026-05-04

南米音楽の精華、ヤマンドゥ・コスタ×アンサンブル・レコベコ『La Quinta Esencia』

南米の土と緑の匂い、人々の風流な生活を感じさせる極上の弦楽器アンサンブル。『La Quinta Esencia』は、ブラジル出身のギタリスト、ヤマンドゥ・コスタ(Yamandu Costa)、そしてベネズエラ出身のヴァイオリニストのアレクシス・カルデナス(Alexis Cárdenas)と彼が率いるアンサンブル・レコベコ(Ensemble Recoveco)との共作アルバムだ。ヴァーチュオーゾたちの血肉に染みついた伝統音楽と、洗練された室内楽の技法、そして自由なジャズの饗宴だ。

  • 2026-05-13
  • 2026-05-07

「ジャズとダブには共通のDNAがある」イタリア発、ダブ・コレクティヴとサックス奏者の衝撃コラボ

イタリアのダブ・コレクティヴ、ウィキッド・ダブ・ディヴィジョン(Wicked Dub Division)とジャズサックス奏者フランチェスコ・ベアルザッティ(Francesco Bearzatti)による、驚くようなコラボレーション・アルバム『Jazz My Dub』。即興性を基調としながら、Wicked Dub Divisionの既存曲にベアルザッティのサックスが新たに加わるような形で「探求心・即興・自由」というジャズとダブの“共通のDNA”を探る、実験的なサウンドが面白い。

  • 2026-05-10
  • 2026-05-10

結成40周年。NYのクレズマー・バンド、The Klezmatics 人々が分断される時代への返歌

1986年にアメリカ合衆国ニューヨークで結成され、今年40周年を迎えたクレズマティックス(The Klezmatics)。クレズマー音楽のバンドとしては唯一グラミー賞受賞経験のある彼らの新作『We Were Made For These Times』は、急進的な政治や戦争などによってますます分断の進む現代社会の中にあって、彼らが今あげるべき声を凝縮した作品だ。

  • 2026-05-08
  • 2026-04-18

フルート奏者イタイ・クリス、NYの名手たちと繰り広げる軽やかなジャズ

イスラエル出身で現在はニューヨークを拠点とするジャズ・フルート奏者/作曲家イタイ・クリス(Itai Kriss)の『Daybreak』は、彼らしい軽やかさでジャズのリード楽器としてのフルートの素晴らしさを印象付ける、良質な作品だ。アルバムは夜明けから日没までの一日の流れを12の楽曲で表現。ゴスペルやサンバなどにも影響を受けつつ、多彩な技法で“充実した一日”を送る。

  • 2026-05-05
  • 2026-05-04

世界の伝統文化をジャズとエレクトロニックで表現するエンツォ・ファヴァータ『Paucartambo』

強烈な印象を残すジャケット写真は、ペルー南部クスコ地方の町パウカルタンボで毎年7月中旬に行われるビルヘン・デル・カルメンの祭り(Fiesta de la Virgen del Carmen)の様子だ。カトリックの聖母崇敬とアンデス先住民の信仰が混交したこの祝祭では、鮮やかな衣装や仮面を纏った人々が舞い踊りながら祈り、音楽や行列、花火がまるで“生きた劇場”のように町全体を埋め尽くすという。

  • 2026-05-04
  • 2026-05-02

時を織る経糸と緯糸。ジヴ・ラヴィッツ&クリストフ・パンザニ、音楽の進化の歴史を象徴する傑作

イスラエル出身のドラマー、ジヴ・ラヴィッツ(Ziv Ravitz)と、フランス出身のクリストフ・パンザニ(Christophe Panzani)のデュオによる『Warp & Weft』は、おそらく2026年屈指のジャズの名作だ。まるでそのテイクの少なさや、スタジオをレンタルした時間の短さで競うかのように、短期間のセッションでテーマと即興演奏を主体に録音されることの多いジャズという分野の、しかもデュオとしては間違いなく異例の、2年間という制作期間を経て誕生したアルバムは、タイトル「経糸と緯糸」という言葉が喚起するイメージの期待を裏切らない、素晴らしい芸術だ。

  • 2026-05-03
  • 2026-05-02

あらゆる世界に跨る巨木セイバのように。過去・現在・未来を繋ぐサイモン・ムーリエ新譜『Ceiba』

フランス出身のジャズ・ヴィブラフォン奏者、サイモン・ムーリエ(Simon Moullier)が早くも6作目となるアルバム『Ceiba』をリリースした。熱帯アメリカやアフリカに自生し、さまざまな文化で神聖視される巨木セイバをインスピレーションの源とし、ポスト・バップから現代のジャズ、そして未来のジャズまでをも見据えたエキサイティングな傑作だ。