- 2023-09-25
- 2023-10-07
緻密な構成の作編曲でジャズとクラシックを繋ぐ。伊出身ヴァイオン奏者ルドヴィカ・ブルトーネ
ジョン・バティースやドリーム・シアター、アリジット・シンやカミラ・メサなど豊富な共演歴を誇るイタリア出身のヴァイオリニスト、ルドヴィカ・ブルトーネ(Ludovica Burtone)のデビュー作『Sparks』。弦楽四重奏での優雅なジャズヴァイオリンが聴けたかと思えば、突如フリージャズやブラジル音楽も顔を覗かせるなど多彩な音楽性が楽しい注目の作品だ。
ジョン・バティースやドリーム・シアター、アリジット・シンやカミラ・メサなど豊富な共演歴を誇るイタリア出身のヴァイオリニスト、ルドヴィカ・ブルトーネ(Ludovica Burtone)のデビュー作『Sparks』。弦楽四重奏での優雅なジャズヴァイオリンが聴けたかと思えば、突如フリージャズやブラジル音楽も顔を覗かせるなど多彩な音楽性が楽しい注目の作品だ。
1994年生まれの米国のジャズ・シンガー、ヴェロニカ・スウィフト(Veronica Swift)が歌手デビュー20周年での初のセルフ・タイトル作『Veronica Swift』をリリースした。単なるジャズ・シンガーの範疇に止まらない多彩な表現力を誇る彼女の集大成的な作品となっており、ビバップ、マヌーシュ・スウィング、ブルース、クラシック、ボサノヴァ、さらにはロックといった様々な種類の音楽が高次元で混ざり合い、次々と飛び出すアイディアに驚きが止まらないハイクオリティな作品に仕上がっている。
アルメニア神話の水、海そして雨の女神ナール(ツォヴィナール)にインスパイアされたというオーストラリアのジャズバンド、ヴィジョンズ・オブ・ナール(Visions of Nar)がデビュー作『Daughter of the Seas』をリリースした。サックスの旋律はアルメニアの民族音楽に強く影響されたものだが、空間系エフェクターを多用したギターや、テクニカルなタブラの音など無国籍感に溢れる不思議で美しい音楽となっている。
ジャケット絵に驚いて聴かずにスルーしてしまうのはあまりに勿体ない。これはフィンランドの現代ジャズシーンを代表するピアニスト、アキ・リッサネン(Aki Rissanen)の2023年新譜『Hyperreal』。同郷トランペット奏者ヴェルネリ・ポーヨラ(Verneri Pohjola)と、トルコ出身ドラマーのロバート・メメット・イキズ(Robert Mehmet Ikiz)を迎えた今作で、知的で情熱的なサウンドスケープを繰り広げる。
イラン・テヘラン出身のギタリスト/作曲家、マハン・ミララブ(Mahan Mirarab)の2022年作『Say Your Most Beautiful Word』。“ジャズのペルシャ側”(Persian side of jazz)を標榜する彼の武器はフレッテッドとフレットレスの2本のネックを備えたギターだ。スピリチュアルな女性ヴォーカルやヴァイオリン、クラリネットなどバンドメイトの音も滋味深く、マハン・ミララブのオーストリアでの15年近い活動の中でも今作はより深い精神性を探求する作品となった。
フランスのピアニスト/作曲家ナタリー・バラリーニ(Nathalie Ballarini)のアルバム『Pleinair』は、エリック・サティなどのクラシック音楽や民族音楽、ロックやプログレ、フィリップ・グラスなどのミニマル音楽といった幅広い影響がうかがえるジャズ・ピアノトリオ作品だ。
ブラジルのバンドリン奏者アミルトン・ヂ・オランダ(Hamilton de Holanda)による最高にグルーヴィーで独創的なジャヴァン曲集『Samurai』をリリースした。アルバムにはMPB(ブラジルのポピュラー・ミュージック)の生きる伝説ジャヴァン(Djavan)本人を含む豪華すぎるゲストも参加し、ジャヴァンの名曲たちを新鮮なアプローチのアレンジで演奏している。
「Route66」「Avalon」「And The Melody Still Lingers On (A Night in Tunisia)」...ムジカテーハ読者であれば、聴いたことのあるであろうJAZZスタンダードの数々が並ぶ一枚のアルバム。第46回日本レコード大賞企画賞、第19回日本ゴールドディスク大賞ジャズ・アルバム・オブ・ザ・イヤー、第19回日本ゴールドディスク大賞ジャズ・アルバム・オブ・ザ・イヤーを獲得した2004年発表の紛うことなきJAZZアルバムである本作は、他でもないあのSPEEDのhiro(島袋寛子)のプロジェクト、Cocod'Or(ココドール)によるものである。
フランスのベーシスト、ピエール・ブサゲ(Pierre Boussaguet)とイタリア出身のピアニスト、ジョヴァンニ・ミラバッシ(Giovanni Mirabassi)の珠玉のデュオ作『Duo』。二人のオリジナルのほか、(6)「My funny Valentine」や(10)「La vie en rose」といったスタンダードも交えリラックスした演奏を聴かせてくれるジャズの絶品だ。
ロンドンのジャズシーンで活躍する1993年生まれのドラマー、ユセフ・デイズ(Yussef Dayes)が待望の初リーダー作 『Black Classical Music』をリリースした。タイトルが示す通り、ジャズのルーツ、つまり黒人のクラシック音楽を探求しながら自身の音楽として昇華させる内容となっている。その中心にあるのは“ビート”であり、“リズム”であり、それらが緻密に絡み合って生まれる“グルーヴ”だ。
米国出身のドラマー/パーカッション奏者ジョン・ハドフィールド(John Hadfield)が、グレゴリー・プリヴァ、クリス・ジェニングスというパリのジャズシーンで最高峰の二人を迎え、新作『Drum of Stories』をリリースした。近年、ナナ・ヴァスコンセロスやコリン・ウォルコットが演奏していた楽器を入手した彼の楽器や音楽への想いが凝縮されたアルバムだ。
ベトナム系フランス人ギタリスト、グェン・レ(Nguyên Lê)の新生トリオによる新作『Silk and Sand』。ベースにカナダ出身のクリス・ジェニングス(Chris Jennings)、パーカッションにモロッコ出身のラーニ・クリージャ(Rhani Krija)という俊英を迎え、アジアのテイストが感じられる彼らしい特別なギタージャズ/フュージョンを展開する。
クォータートーン・トランペットを用いた思索的な演奏が中近東の風を運ぶ素晴らしいジャズ。イスラエルの歴史ある港町ヤッファに生まれ、現在はニューヨークで活躍するトランペット奏者/作曲家イタマール・ボロホフ(Itamar Borochov)が4枚目のアルバム『Arba』をリリースした。静かに凄みを帯びた演奏は、音楽の演奏表現を次なる高みへと導く彼の最高傑作だと断言できる素晴らしさだ。
中国系アイスランド人で、現在はロサンゼルスを拠点に活動するシンガーソングライター/マルチ奏者レイヴェイ(Laufey)が2ndアルバム『Bewitched』をリリースした。キュートなルックスからは想像の難しい渋い低音ヴォイス、ジャズやボサノヴァの影響を受けた洗練された自作曲には恋愛中心の少女的で幼い歌詞が乗るなどそのギャップも魅力的な新世代のアーティスト。表現力豊かな声が、ジャズコンボやオーケストラ(ロンドンのフィハーモニア管弦楽団)を起用したサウンドでより妖艶な魅力を増した。