- 2022-04-11
- 2022-04-10
タールとフルートを自在に操る異才が率いる洗練の中東ジャズカルテット、Brio
ペルシャの伝統楽器タールとフルートを操るイタイ・アルモン(Itai Armon)を中心とするイスラエルのジャズ・カルテット、Brioのデビューアルバムが素晴らしい。イスラエル〜ペルシャ周辺の伝統音楽やプログレッシヴ・ロックをジャズの語法に乗せた作品で、ピアノトリオと絡むタールの煌びやかで歴史の深みを感じさせる音色、技巧的かつオリエンタルなフルートが際立つ。
ペルシャの伝統楽器タールとフルートを操るイタイ・アルモン(Itai Armon)を中心とするイスラエルのジャズ・カルテット、Brioのデビューアルバムが素晴らしい。イスラエル〜ペルシャ周辺の伝統音楽やプログレッシヴ・ロックをジャズの語法に乗せた作品で、ピアノトリオと絡むタールの煌びやかで歴史の深みを感じさせる音色、技巧的かつオリエンタルなフルートが際立つ。
オーストリア出身のピアニスト/作曲家ヴェレーナ・ツェイナーと、イスラエル出身のドラマー、ジヴ・ラヴィッツの初めてのデュオ作品『The Sweetness of Finitude』。互いにそれぞれの役割を持ちつつも、その親密なアンサンブルは個人の境界を曖昧にし馴染み合い、そしてやがて溶け合ってゆく。デュオというフォーマットで行われる即興音楽の情緒の極みとも思えるサウンドが夢見心地なアルバムだ。
スイス出身のギタリスト、ルイ・マトゥテ(Louis Matute)の新作『Our Folklore』が登場した。全曲がルイ・マトゥテの作曲で、既にスイス随一といわれるギター演奏技術だけでなく、ブラジル音楽やスムースジャズ、ネオソウルなど様々な音楽から影響を受け自然と自身の音楽に取り込んでいった彼の作曲能力の高さも窺わせる内容だ。
サウスロンドンを拠点とする鍵盤奏者/プロデューサーのノイエ・グラフィック(Neue Grafik)のバンド、Neue Grafik Ensembleが新作『Foulden Road Part II』をリリースした。今作は2019年の『Foulden Road』の続編となる作品で、即興演奏やグルーヴの喜びに満ちているが、その底流には重いテーマを掲げる。
フィンランドを代表するジャズピアニスト/作曲家のイーロ・ランタラ(Iiro Rantala)『Potsdam』。本作は2021年11月末にドイツ・ポツダムで行われたソロコンサートの実況録音盤である。オリジナル6曲に加え、ジョン・レノンの(6)「Woman」、レナード・バーンスタインの(8)「Candide Overture」、(9)「Somewhere」のカヴァーも収録。彼らしい個性的な演奏をたっぷりと聴かせてくれる。
米国の女性ギタリスト/作曲家ジョイス・クーリング(Joyce Cooling)のデビュー作である『Cameo』。特に1曲目「It's You」での複雑ながらスムースで美しいギターのコードワークや表現力豊かなソロ、Viva Brasilのクラウディオ・アマラル(Claudio Amaral)の伸びやかなヴォーカルには心を大いに射ち抜かれた。
トルコの伝統的な笛、カヴァルをフィーチュアしたバンド、カピコ(KAPIKO)による新譜 『Nova』は、カヴァー曲を中心としつつもアナトリア〜バルカンの音楽的エッセンスを巧みに加えた個性的で楽しいエスノ・ジャズ・フュージョンだ。
イスラエルのギタリスト、オリ・アザニ(Ori Azani)が自身のバンド“the Hijazz Messengers”を率いて録音したデビュー作『Sha'atnez』が素晴らしい。中東音楽や父親が持っていたソウルやR&B、ロックのレコードを聴きながら育ったという。このデビュー作ではそれらの音楽的な特徴が自然に融合し、独特の世界観に昇華されている。
現代最高峰のヴォーカリスト、セシル・マクロリン・サルヴァント(Cécile McLorin Salvant)の新譜『Ghost Song』は、彼女の豊かな歌の表現力が楽しめるだけでなく、タイトル通り亡霊やノスタルジア、憧れをテーマとしたコンセプト・アルバムとしてトータルに楽しめる作品に仕上がっている。
「大人になってから歌や楽器を始めたいけれど、この年齢じゃ遅すぎる」「自分には才能がないから、演奏がなかなか上達しない」…あなたもそう思った経験がないだろうか? 音楽が好きで名作・名演の数々を聴き込んできたからこそ、自分の才能のなさに落胆するという読者も少なくないだろう。バスケットボールのジュニア選手だったという異色のジャズピアニスト、ヤロン・ヘルマンの著書『創造力は眠っているだけだ』(プレジデント社)は、そんな思いにそっと手を差し伸べてくれる一冊だ。
スウェーデンのピアニスト/作曲家、ヤコブ・カールソン(Jacob Karlzon)の新譜『Wanderlust』は、ジャズの伝統に根差しつつも、そこに独自のエッジを加えることを身上とする気鋭音楽家らしい魅力的な作品だ。
2017年のデビュー作『Short Stories』での抒情性が高く評価されたベルギー出身のピアニスト、マルティン・サレミ(Martin Salemi)の新作『About Time』。収録の7曲はすべてマルティン・サレミのオリジナル。
Snarky PuppyやBanda Magdaなどで活躍するアルゼンチン出身打楽器奏者/作曲家、マルセロ・ウォロスキ(Marcelo Woloski)のデビューアルバム 『Mundo Por Conocer』。アルバムには10ヶ国以上から30名近い音楽家が参加し、躍動感の溢れる音楽がとても魅力的な一枚だ。
フランスのピアニスト/作曲家、アルフィオ・オリリオ(Alfio Origlio)の 『Piano』は、その名の通り飾り気のない至高のソロピアノ作品だ。流麗で創造的なピアノ演奏が素晴らしいのはもちろん、選曲自体も非常に魅力的で、日々の生活にぴったりと寄り添ってくれる大切な音楽だ。