- 2023-05-11
- 2023-05-10
奇術のようなサウンド・デザイン。仮面のピアニスト、ランバート新譜『All This Time』
仮面で素顔を隠し活動するドイツのピアニスト/作曲家ランバート(Lambert)による実験的な新譜『All This Time』。カテゴライズするとしたら、ジャズか現代音楽、もしくはクラシック・クロスオーヴァーか。エレクトロニックも交え、刺激的な世界観だが、音は聴きやすく万人にもおすすめできる作品だ。
仮面で素顔を隠し活動するドイツのピアニスト/作曲家ランバート(Lambert)による実験的な新譜『All This Time』。カテゴライズするとしたら、ジャズか現代音楽、もしくはクラシック・クロスオーヴァーか。エレクトロニックも交え、刺激的な世界観だが、音は聴きやすく万人にもおすすめできる作品だ。
もう半世紀近く名実ともに世界最高のチェリストと称えられながら、今でもジャンルを超えた野心的なプロジェクトで新しい音楽を聴かせてくれるのがヨーヨー・マ(Yo-Yo Ma)という音楽家だ。2021年9月にリリースされた新譜『Notes for the Future』では世界中から多様なゲストを迎え、あらゆる言語の歌で平和を願い、世界を繋ぐ。
バスタルダ&ジョアン・デ・ソウサ(Bastarda & Joao de Sousa)の『Fado』。ポーランドのクラリネット、コントラバスクラリネット、チェロのトリオとポルトガルのSSWジョアンが生み出した音楽史上稀に見る傑作だ。
フルート、バスクラリネット、ギター、ピアノという編成で奏でられる美しく創造的なエグベルト・ジスモンチ曲集『Rhizomes』。演奏しているのはAntoinette Trioと、かつてフランスを代表するビッグバンドでディレクターを務めたピアニスト/作編曲家のDenis Badaultの4人。ジスモンチの名曲にフランスらしい創造的なエスプリを濃厚に詰め込んだアレンジと演奏が素晴らしい。
グラミー賞受賞作曲家/歌手のキャロライン・ショウ(Caroline Shaw)と、ブルックリンを拠点に活動する打楽器集団ソー・パーカッション(Sō Percussion)の共演作『Let the Soil Play Its Simple Part』はクラシックや現代音楽に分類されてはいるが、その範疇にとどまらない驚くべき作品だ。
トルコの現代ジャズを代表するピアニスト/作曲家のチャグリ・セルテル(Çağrı Sertel)新譜『Kuytu』はピアノの機構音も生々しく収録したアンビエントなソロピアノ。エレクトロ・ジャズバンド Sonic Boom での活動や、自身のエレクトロ・ジャズ路線のアルバムの制作も並行して進めている彼が魅せるアンビエントな世界観が心地いい、わずか16分間の音楽紀行だ。
ブラジル系アメリカ人の歌手/作曲家/マルチ奏者のクラリス・アサド(Clarice Assad)の新譜『Archetypes』が、美しさと狂気に満ちた(もちろん褒めてる)素晴らしい作品だったので紹介したい。
ドイツのヴァイオリン/フィドル奏者/作曲家フロリアン・ウィライトナー(Florian Willeitner)のデビュー作『First Strings on Mars』が、名門ACTレーベルからリリースされた。同じくヴァイオリン奏者のイグマー・ジェナーと、ダブルベース奏者ゲオルク・ブラインシュミットとのトリオで、ジャズ、クラシック、スウィング、カントリーなどを横断する表現力豊かな珠玉のアンサンブル作品だ。
アルゼンチンのマルチ奏者/作曲家/プロデューサーのネストル・ディアス(Néstor Díaz)と、歌手/女優/作曲家のルス・ヤシアンシ(Luz Yacianci)による共作アルバム『India, Sinfonía Circular Aborígen』は、オーガニックで瞑想的なサウンドがとても美しい良作だ。
スウェーデンのトロンボーン奏者/作曲家、カリン・ハマー(Karin Hammar)の2020年新譜『Strings Attached』は、自身のカルテットを基本編成としつつ、数曲でゲストにクロマチック・ハーモニカ奏者のオリヴィエ・ケル・オゥリオ(Olivier Ker Ourio)と弦楽四重奏が参加。クラシカルな雰囲気が漂う落ち着いた良盤だ。
ギリシャのピアニスト/作曲家、タニア・ジャンノウリがトランペット奏者アンドレアス・ポリツォゴプロスとウード奏者キリアコス・タパキスという変則ピアノトリオで制作した2020年作『In Fading Light』は、ジャズとクラシックの境界線に静かに香る地中海の空気のような感覚をもった作品だ。
1989年のベルリンの壁崩壊は、バルカン半島南西部の当時社会主義国家だったアルバニアにも経済危機と貧困、そして激しい紛争をもたらした。紛争は首都ティラナの音楽院でチェロを学んでいた一人の少年「レディ・アサ(Redi Hasa)」も無縁ではいられなかった。
ティグラン・ハマシアンの作品にヴォーカリストとして参加していることでも知られる作曲家/ピアニスト/シンガーのアレニ・アグバビアン(Areni Agbabian)のECMデビュー作『Bloom』。共作者としてドラマー/パーカッショニストのニコラス・ストッカー(Nicolas Stocker)がクレジットされている。
アラ・マリキアン(Ara Malikian)はレバノンの首都ベイルート生まれのアルメニア系。現在はスペインを活動の拠点にしている異色のヴァイオリニスト。ボサボサの髪、伸ばしっぱなしの髭。ステージでは舞い踊りながら派手なパフォーマンス。奇想のヴァイオリニスト新作の紹介。