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  • 2024-09-10
  • 2024-09-10

ブラジリアン・ロック新世代の Chico Chico、北東部音楽との融合が魅力の新譜『Estopim』

ブラジルのシンガーソングライター、シコ・シコ(Chico Chico)がロックやMPB、そしてブラジル北東部音楽などにインスパイアされた新作『Estopim』をリリースした。ソロ名義では2021年の『Pomares』以来となる第二作目で、都会的な洗練と、田舎風の素朴さを併せ持った彼らしい素直な音楽が楽しめる作品に仕上がっている。

  • 2024-09-07
  • 2024-09-07

中南米の多様なルーツに根差した革新的な混血音楽。注目の男女デュオが放つデビュー作『Mestizx』

『Mestizx』は、公私共にパートナーであるボリビア出身の女性シンガーソングライター/マルチ奏者イベリッセ・グアルディア・フェラグッティ(Ibelisse Guardia Ferragutti)と、プエルトリコにルーツを持つシカゴ出身の男性ジャズドラマー/パーカッショニスト、フランク・ロザリー(Frank Rosaly)の共同名義によるデビューアルバムだ。アルバムタイトルは中南米におけるスペイン植民地時代に性別を問わず“混血の人”を意味する言葉として使われたもので、ブラジル、ボリビア、プエルトリコという二人の多様なルーツから来る多様性と、脱植民地という重要なテーマをアーティスティックに扱っている。

  • 2024-09-05
  • 2024-09-05

この世界に温かいハグを。NYのSSWイングリッド・マイケルソン新作『For the Dreamers』

米国のシンガーソングライター、イングリッド・マイケルソン(Ingrid Michaelson)の2024年新譜『For the Dreamers』。オリジナルだけでなく、「夢はひそかに」の邦題で知られるディズニーの名曲(4)「A Dream Is a Wish Your Heart Makes」、(6)「What a Wonderful World」(この素晴らしき世界)といったカヴァーも丁寧に仕上げられており、ドラムレスの曲が多い構成でリラックスして聴ける作品となっている。

  • 2024-08-27
  • 2024-08-27

古今東西の詩人たちにインスパイアされた究極的スピリチュアル・フォーク。ルカ・クプロフスキー新作

カナダのシンガーソングライター、ルカ・クプロフスキー(Luka Kuplowsky)による、江戸時代後期の禅僧/詩人・良寛(Ryōkan Taigu, 1758 - 1831)をはじめとした世界各地の詩人たちにインスパイアされた新作『How Can I Possibly Sleep When There is Music』。ザ・リョウカン・バンド(The Ryōkan Band)と名付けられたバンドによる静謐で哲学を感じさせるバンドサウンドと、ルカ・クプロフスキーと女性歌手フェリシティ・ウィリアムス(Felicity Williams)による男女ヴォーカルが詩的な世界へと連れていってくれる素晴らしい作品だ。

  • 2024-08-23
  • 2024-08-23

夢見心地のベッドルーム・ジャズポップ。フレデリコ・エリオドロ新譜『Máximos Eventos』

ブラジル・ミナスジェライス出身のベーシスト/マルチ奏者/SSWフレデリコ・エリオドロ(Frederico Heliodoro)が自身名義の新作EP『Máximos Eventos』をリリースした。ベッドルーム・ポップの繊細さと、高度なジャズの要素がミナス特有の浮遊感に見事に融合した、短いながらも幸福感に溢れた美しい音楽に浸ることができる。

  • 2024-08-09
  • 2024-08-10

生粋の天才サンビスタ、ニルジ・カルヴァーリョ 音楽や人生への限りない愛に満ちた久々の新作

ブラジルの天才音楽家ニルジ・カルヴァーリョ(Nilze Carvalho)。芸歴45年を迎えた彼女が久々の新譜『Nos Combates da Vida』をリリースした。ほとんどの曲でヴォーカルとカヴァキーニョを弾き、生粋のサンビスタとしての強かな生き様を静かに見せてくれる素晴らしい作品に仕上がっている。呼吸をするように楽器を弾き、声だけでなく体中で音楽を表現する。その姿はあまりに自然で、まるで体の中から音楽が溢れ出しているかのように思える。

  • 2024-08-04
  • 2024-08-03

UKジャジー・ソウル新鋭ブライオニー・ジャーマン=ピント、様々な変化を経て深化した5年ぶり2作目

2019年のデビュー作『Cage And Aviary』が大絶賛された英国のSSW、ブライオニー・ジャーマン=ピント(Bryony Jarman-Pinto)が待望の2ndアルバム『Below Dawn』をリリースした。パンデミックや自身の出産といった出来事を経験し様々な心境の変化を経て、彼女のサウンドや歌はより落ち着きと深みを増し、進化している。

  • 2024-07-28
  • 2025-01-03

インドネシア伝統音楽を基調に、革新性も探求する現代のガムラン。ペニ・チャンドラ・リニ新譜

インドネシア・ジャワ島の伝統音楽に根差しながら、独自の現代的な感性を持ったシンガーソングライター、ペニ・チャンドラ・リニ(Peni Candra Rini)の新作『Wulansih』。米国の民族音楽博士アンディ・マグロウ(Andy McGraw)やニューヨーク出身のチェロ奏者レスター・セントルイス(Lester St. Louis)らとともに作り上げた、“未来志向の伝統音楽”とも呼ぶべき素晴らしい作品だ。

  • 2024-07-27
  • 2024-07-27

ブラジルとフランスの風が吹く。新世代SSWナンナ・ミラーノ あまりに素晴らしいデビュー作

ブラジル・サンパウロ出身で、サンパウロとフランス・パリの二拠点で活動するシンガーソングライター、ナンナ・ミラーノ(Nanná Millano)の極上のデビューアルバム『Can't Translate Saudade』。ボサノヴァ、ジャズ、MPB、フレンチポップなどがほのかに香る非常に完成度の高いサウンドで、新世代の歌姫の登場を強く印象づける。

  • 2024-07-26
  • 2024-07-24

ブラジルのSSWパウロ・オハナ、耳心地の良いジャジーなインディーロック『Língua na Orelha』

ブラジリア出身で現在はサンパウロを拠点に活動するシンガーソングライター、パウロ・オハナ(Paulo Ohana)の4枚目のアルバム『Língua na Orelha』。2本のギターを中心に、フェルナンド・サガワ(Fernando Sagawa)によるジャジーなサックスがアクセントとなったバンドサウンドに自然体のヴォーカル、爽やかで馴染みやすいメロディーラインが特徴的な親しみやすいアルバムだ。

  • 2024-07-21
  • 2024-07-18

気鋭SSWリタ・ヴィアン、エレクトロニック・ファドで紡ぐ言葉と歌

ポルトガルのシンガーソングライター、リタ・ヴィアン(Rita Vian)による初のフルレンス・アルバム『Sensoreal』(2023年)。2021年のデビューEP『CAOS'A』がポルトガル・ミュージック・アワードの新人賞にノミネートされ話題となった気鋭アーティストが放つ絶妙のセンスのエレクトロニック・ファドだ。

  • 2024-07-13
  • 2024-10-21

カタルーニャの才媛リタ・パイエス、懐かしく斬新な独創的音楽観の沼へと誘う必聴の新譜

バルセロナの青少年ジャズバンド、サン・アンドレウ・ジャズバンド(Sant Andreu Jazz Band)出身の若きスターの一人、シンガーソングライター/トロンボーン奏者のリタ・パイエス(Rita Payes)が新作『De camino al camino』をリリースした。アーティストとして常に進化を続ける彼女は、耳心地のよい従来作との安易な比較を拒むほど独特のファンタジーな音楽観で、世界中のリスナーを魅了する。

  • 2024-07-07
  • 2024-07-07

沈黙の中の小さな声も、やがて大きな音になる──SSWヴェロニカ・フェヒアーニが望む未来

ブラジル・サンパウロ州ヒベイラン・プレト出身のSSW/ギタリスト、ヴェロニカ・フェヒアーニ(Verônica Ferriani)の2024年新譜『Cochicho no silêncio vira barulho, irmã』。タイトルのポルトガル語は直訳で「静寂の中での囁きはやがて騒音になるよ、シスター」の意味で、2枚組のアルバムのほぼ全てが女性だけで作られており、コンセプトも女性そのものの存在と、その存在がもたらす様々な事象をテーマとして扱っている重要作だ。

  • 2024-07-04
  • 2024-07-04

洗練されたリズムとハーモニー、日本語と英語が混ざる新感覚のSSWメイ・シモネス 必聴の新作EP

アメリカ合衆国ミシガン州アナーバー出身、現在はNYブルックリンで活動する女性ギタリスト/SSWメイ・シモネス(Mei Semones)。ジャズやブラジル音楽を軸にした卓越したギター演奏と洗練されたリズムやハーモニーの感覚、英語と日本語で歌う個性的で自然体のシンガーソングライター然とした佇まいが魅力の新進気鋭アーティストだ。彼女の最新EP『Kabutomushi』がとても良いので紹介したい。