SSW│Musica Terra
TAG

SSW

  • 2024-12-14
  • 2024-12-11

フレンチポップの流れを汲む懐かしくて新しいアートポップ。注目のSSWアナット・モシュコフスキー

イスラエル・テルアビブのSSW、アナット・モシュコフスキー(Anat Moshkovski)の初のフルレンス・アルバム『ANAT』が素晴らしい。1970年代前後のフォークロックやフレンチポップの手触りのある良質なポップスで、アコースティック楽器を軸にした室内楽的な優しいサウンドに英語やフランス語の歌詞を乗せて優美に歌う。

  • 2024-12-12
  • 2024-12-11

多彩なゲストを迎えたポスト・ボッサ注目作。デリア・フィシェール『Beyond Bossa』

ブラジルのSSW/ピアニスト、デリア・フィシェール(Delia Fischer)の新作『Delia Fischer: Beyond Bossa』は、その名のとおりアントニオ・カルロス・ジョビンを参照するボサノヴァの雰囲気を残した良質な音楽だ。彼女がポルトガル語で書いた詩はすべてピアニスト/作曲家/ライターのアレン・モリソン(Allen Morrison)によって英語詞となり、デリア・フィシェールやその他多彩なゲストによって英語で歌われている。

  • 2024-12-05
  • 2024-12-04

MPBの遺産を受け継ぐSSW、マトゥ・ミランダ。 大物ゲストも参加した注目のデビュー作

マトゥ・ミランダ(Matu Miranda)というシンガーソングライター/ギタリストの登場は、今年(2024年)のブラジル音楽におけるひとつの重要なトピックだ。マットグロッソ・ド・スル州カンポ・グランデで生まれ、現在はリオデジャネイロを拠点とする彼は2023年にオーディション番組「The Voice Brasil」で準決勝まで進出。2024年9月に待望の初アルバム『Matutando』をリリースした。

  • 2024-11-03
  • 2024-10-31

時代を超越する普遍的な音楽。リアナ・フローレスのメジャーデビュー作『Flower of the soul』

ロンドンのシンガーソングライター、リアナ・フローレス(Liana Flores)のメジャーデビュー作『Flower of the soul』は、万人におすすめしたい傑作だ。イギリスのフォークに60年代のブラジルのボサノヴァとジャズの雰囲気をまぶし、時代を超えた魅惑のベッドルーム・ポップに仕立て上げる。

  • 2024-11-01
  • 2024-10-31

ジューイッシュ・ジャズの象徴ダニエル・ザミール、SSWとしての新章を告げる新譜

ダニエル・ザミール(Daniel Zamir)といえば、イスラエルの現代ジャズシーンを代表するソプラノサックス奏者として世界に広く知られていることに疑念の余地はない。その音楽観は非常に個性的で、彼は2000年代以降一種のムーヴメントとなった所謂“イスラエル・ジャズ”勢の中でも突出してユダヤの伝統に強くインスパイアされた“ジューイッシュ・ジャズ”の音を鳴らし続けてきた。

  • 2024-10-29
  • 2024-10-28

澄んだ歌声とスピリチュアルなジャズが魅力。インド系SSWシャラダ・シャシダール新作

米国ロサンゼルスを拠点とするインド系のシンガーソングライター、シャラダ・シャシダール(Sharada Shashidhar)。父親の影響で幼少時からインド古典音楽に触れ、ジャズを学んでいた兄の影響でジャズに傾倒、ニューヨークのニュースクールでジャズ・ヴォーカルを学んだという経歴の彼女の2nd EP『Soft Echoes』がリリースされた。エレクトロニック/ネオソウル色の強かったデビュー作『Rahu』(2020年)と比較すると、今作はよりオーガニックな前面に出し、ソウルフルなヴォーカルが映える作品となっている。

  • 2024-10-25
  • 2024-10-25

カメルーンをルーツに持つベルギーの女性コラ奏者/SSWルビアナ、音楽の本質を捉えた傑作新譜

カメルーンとベルギーのハーフであり、世界的に見ても珍しい女性コラ奏者/シンガーソングライターのルビアナ(Lubiana)の新譜『Terre Rouge』が素晴らしい。アルバムのタイトルはフランス語で“赤い大地”を意味する。それは彼女が幼少期から毎年家族とともに訪れた父の故郷アフリカ・カメルーンの真っ赤な土の色の記憶であり、コラの繊細な音に乗せて歌うその声にはアフリカへの強い望郷の想いが滲む。

  • 2024-10-24
  • 2024-10-19

ブラジルとラテンアメリカを結ぶ、懐かしくも新しい音楽紀行。マリ・ジャスカ 1st『Disparada』

シンガーソングライター/ギタリストとして12年のキャリアを持つブラジルのマリ・ジャスカ(Mari Jasca)が、自身初のアルバム『Disparada』をリリースした。ブラジルやラテンアメリカの伝統音楽を参照しながら、現代的なサウンドテクスチャに落とし込んだ注目すべき作品に仕上がっている。

  • 2024-10-22
  • 2024-10-21

コロンビアを代表するSSWマルタ・ゴメス、豊かな詩情に包まれる新譜『Seré Guitarra』

コロンビアを代表する女性シンガーソングライター、マルタ・ゴメス(Marta Gómez)による新作『Seré Guitarra』がリリースされた。子供時代のインスピレーションをもとにしたという純真な感性に満ちた作品となっており、オリジナル曲には世界を変えることはできないかもしれないが、少なくともそれを試みようという詩的なメッセージが散りばめられている。

  • 2024-10-14
  • 2024-10-12

現代の歌姫マイラ・アンドラーデ、ロンドンのユニオン・チャペルでのライヴ盤リリース

カーボベルデ出身のSSW、マイラ・アンドラーデ(Mayra Andrade)の5年ぶりのアルバム『reEncanto (Live at Union Chapel)』は、自身2枚目となるライヴ盤となった。歴史ある教会でありながら、優れた音響のライヴ・コンサート会場としても有名なロンドンのユニオン・チャペルで2023年11月に行われた演奏を記録したもので、伴奏者はギターのジョジェ・アルメイダ(Djodje Almeida)のみという編成で極上のクレオール・ポップのひとときを味わえる。

  • 2024-10-11
  • 2024-10-11

ブラジル音楽の粋が浮き立つ。ドイツのSSWドータ・ケール、深く美しい幸福感を醸す新作

ドイツ・ベルリンを拠点とする女性SSWドータ・ケール(Dota Kehr)と、ブラジル北東部のセアラー州フォルタレザ出身の男性SSWダニーロ・ギリェルミ(Danilo Guilherme)による双頭名義(通称 Dan & Dota)のアルバム『De Repente Fortaleza』がリリースされた。ブラジル北東部特有の空気を纏った軽妙で美しいロック/トロピカリアを継承するサイケロックで、主にポルトガル語で歌われる二人のヴォーカルが織りなす世界観が素晴らしいアルバムだ。

  • 2024-10-10
  • 2024-10-09

至福の歌とギター。イスラエルのSSWナルキス・ラアムのデビュー作『אחיזה אחרת』

イスラエルのシンガーソングライター/ギタリストのナルキス・ラアム(Narkis Raam, ヘブライ語表記:נרקיס רעם)のデビュー・アルバム『אחיזה אחרת』がとても良い。穏やかで瑞々しい彼女の歌とギターを中心としつつ、センスよく注意深くアレンジされた控えめなバンドによる彩りが添えられている。