ブラジル音楽の生き字引、アントニオ・アドルフォ新譜は軽快なサンバジャズ!

Antonio Adolfo - Samba Jazz Alley

ベテランピアニスト、アントニオ・アドルフォの新譜

1947年生まれのピアニスト/作編曲家のアントニオ・アドルフォ(Antonio Adolfo)
17歳の頃より、ブラジルを代表する歌手であるカルロス・リラ(Carlos Lyra)の伴奏を務めるようになり、その後もエリス・レジーナ(Elis Regina)などMPBやボサノヴァの大物アーティストのサポートをしてきたブラジル音楽の生き字引ともいえる大ベテランだ。

70歳を超えた現在も精力的に活動を行なっている彼が2019年に発表した最新作『Samba Jazz Alley』はかつてブラジルで一大ムーブメントになったジャズサンバ(サンバジャズ)の幸せな再来だ。

今作ではトランペットのジェッセ・サドッキ(Jesse Sadoc)、サックスのマルセロ・マルチンス(Marcelo Martins)、そしてトロンボーンのハファエル・ホーシャ(Rafael Rocha)といった今を輝く若手奏者が大きくフィーチュアされ、軽快なブラジリアンジャズを聴かせてくれる。

(2)「Hello Herbie」はその名の通りハービー・ハンコック(Herbie Hancock)の初期の名曲「処女航海(Maiden Voyage)」を彷彿とさせ、アントニオ・アドルフォのジャズピアニストとしてのルーツも垣間見える。

(6)「The Frog」、(9)「Corcovado」といった耳馴染みのあるブラジル音楽のスタンダード曲や、それより若干知名度は劣るもののバーデン・パウエルの(3)「 So Por Amor」やセルジオ・メンデスの「Casa Forte」といったブラジルの名曲を優れたアレンジと演奏で全編を通して心地よく聴ける良盤。

Antonio Adolfo - Samba Jazz Alley
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