ジャズの次代を担うトランペッター、マーキス・ヒル
2019年の前作『Love Tape』が高く評価されたシカゴ出身、LAを拠点に活動するトランペット/フリューゲルホルン奏者、マーキス・ヒル(Marquis Hill)がそのフォローアップ作品『Love Tape: With Voices』をリリースした。
ベースにユニウス・ポール(Junius Paul)、ドラムスにマーカス・ギルモア(Marcus Gilmore)という強力なリズムセクションはそのままに、マーキス・ヒルのスピリチュアルな楽曲群に生きた歌という新たな息吹が与えられた。
前作『Love Tape』ではR&BやHip-Hopを経由したリズム、印象的なシンセ使いにポエトリー・リーディング、そして(3)「Won’t You Celebrate with Me」での久石譲作曲「空から降ってきた少女」(映画『天空の城ラピュタ』より)に見られるようなユニークなサンプリング等で新境地を開いて見せたマーキス・ヒル。自身のトランペットも究極的には人間の声のようなサウンドを目指したいと語る彼にとって、前作で書いたインストゥルメンタル曲にも歌声によるメロディーが自然にイメージされていたという。
そんな流れで新譜『Love Tape: With Voices』は制作され、2019年10月リリースの前作から僅か4ヶ月後にリリースとなった。
前作の(9)「Wednesday Love」にゲストヴォーカルとして参加していたクリスティ・ダシィール(Christie Dashiell)が同曲の再録(9)を含む3曲で参加。ほかにもNYのソウル・シンガー、クリス・ターナー(Chris Turner)、シカゴの歌手/マルチ奏者のPhoelix、さらにThe Isley Brothersのギタリスト、アーニー・アイズリーの娘としても知られる女性歌手アレックス・アイズリー(Alex Isley)といった実力派シンガーが参加。幻想的に広がるハーモニーと、ゆったりとしたグルーヴが夢を見ているような心地に誘う。
マーキス・ヒルは1989年米国シカゴ生まれ。2014年に新人ジャズメンの登竜門といわれるセロニアス・モンク・コンペティションで優勝、2016年に『The Way We Play』でメジャーデビューを果たした。
Hip-Hopやソウルのグルーヴ感覚を備えた次世代を担うアーティストとして、今最も注目されるジャズトランペッターだ。
Marquis Hill – flugelhorn
Mike King – piano, keyboards, Fender Rhodes
Junius Paul – electric bass
Marcus Gilmore – drums
special guests:
Christie Dashiell – vocals
Chris Turner – vocals
Phoelix – vocals
Alex Isley – vocals
Kate K-S – vocals
Kaycee Shakur – vocals
Josh Johnson – alto saxophone