蘇るジャズサンバの王道
ブラジリアン・ジャズの礎を築いた今もなお現役のジンボ・トリオ(Zimbo Trio)のオリジナルメンバーでピアニストのアミルトン・ゴドイ(Amilton Godoy)が自らジンボ・トリオをトリビュート!
1941年生まれの老齢であるにもかかわらず、今も衰えを知らないサンバジャズの巨匠アミルトン・ゴドイ。『Tributo ao Zimbo Trio』(2019年)では、ドラムスのエドゥ・ヒベイロ(Edu Ribeiro)、ベースのシヂエル・ヴィエイラ(Sidiel Vieira)というブラジリアン・ジャズを代表する二人を迎え、“若返ったジンボ・トリオ”とでも言うべき躍動感でジンボ・トリオがレパートリーとしていた名曲の数々を蘇らせた。
アルバムには(1)「Garota de Ipanema(イパネマの娘)」や(4)「Águas de Março(三月の水)」、(12)「Aquarela do Brasil(ブラジルの水彩画)」といった定番中の定番から、エグベルト・ジスモンチの(2)「Loro」、ジャヴァンの(5)「Avião」、さらにはミルトン・ナシメントの名曲のメドレー(6)「Pot-pourri Milton Nascimento」などなど、ブラジル音楽ファン垂涎ものの名曲がセレクトされており、往年のジンボ・トリオを彷彿させる(ピアニスト本人が弾いているのだから当たり前なのだけど)王道のジャズサンバ/ジャズボッサが繰り広げられる。
ブラジリアン・ジャズの生き証人、アミルトン・ゴドイ
アミルトン・ゴドイ(Amilton Godoy)は1941年、ブラジル・サンパウロ生まれのピアニスト/作編曲家。1960年代のジャズサンバ・ムーヴメントのさなか、1964年にピアノトリオ、Zimbo Trio(ジンボ・トリオ)をベーシストのルイス・シャヴェス(Luís Chaves, 2007年に逝去)とドラマーのルビーニョ・バルソッティ(Rubinho Barsotti, 2020年に逝去)と共に結成。多くのジャズサンバのバンドが短いブームの終わりとともに活動を止めるなか、Zimbo Trio は50年以上にわたり変わらぬスタイルで活動をつづけ、ジャズサンバの代名詞になるほどの世界的な知名度を得た。
これまでにジンボ・トリオとして50枚以上のアルバムをリリース。
ダニ・グルジェルやト・ブランヂレオーニなど多くの若手音楽家を輩出するサンパウロのClam音楽学校(Clam Escola de Música)を設立するなど、熱心な音楽教育者としても知られている。
Amilton Godoy – piano
Edu Ribeiro – bateria
Sidiel Vieira – baixo