最高のジャズ・エンターテイナー! SSW/ピアニスト、ジョン・バティースの傑作『Hollywood Africans』

Jon Batiste - Hollywood Africans

ジョン・バティースの傑作『ハリウッド・アフリカンズ』

TV番組の音楽ディレクターや国際ジャズ博物館のアートディレクター、最近では2020年秋公開のピクサー新作映画『ソウルフル・ワールド』への楽曲提供も話題になるなど幅広く活躍し、米フォーブス誌の「世界を変える30歳未満の30人(30 under 30)」にも選出されるなど人気絶頂のSSW/ピアニストのジョン・バティース(Jon Batiste)の2018年作『Hollywood Africans』は、シンプルな内容ながら彼の音楽家/エンターテイナーとしての稀有な魅力がたっぷりと詰まった作品だ。

ジャズ、ブルース、ゴスペル、ブギウギ、クラシックなど豊かな音楽文化を築き上げてきた先人達への愛と敬意に満ちた本作。オリジナル曲から、カヴァー曲まで選曲もバリエーション豊かだ。

ピアノ弾き語りによる(2)「What a Wonderful World(この素晴らしき世界)」は数多あるこの曲のカヴァーの中でも随一の傑作かもしれない。シンプルなピアノと、優しく包み込むようなジョン・バティースのヴォーカルが静かに心に響く。

自身が音楽ディレクターを務めるTV番組、『ザ・レイト・ショー・ウィズ・スティーヴン・コルベア』で演奏された(2)「What a Wonderful World」

(3)「Chopinesque」は“ピアノの詩人”ショパンの夜想曲第20番「レント・コン・グラン・エスプレッシオーネ」を主題にジョン・バティースがジャズアレンジを加えた曲で、クラシカルな曲調にブルーノート・スケールによる流麗なフレーズが大胆に絡むさまに度肝を抜かれた。

(7)「Green Hill Zone」は日本を代表するバンド、Dreams Come True のリーダー/ベーシストの中村正人作曲の、TVゲーム『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』で使われていた楽曲。

チャールズ・チャップリン(Charles Chaplin)の名曲(10)「Smile」は左手がドローン(楽曲の中で変化なしに持続する音)のごとく単音で繰り返される新鮮なアレンジで、独特な緊張感を生んでいる。

(11)「Don’t Stop」のMV。

ジョン・バティース(“ジョン・バティステ”の表記が多いが、実際の発音は“バティース”あるいは“バティースト”に近い)は1986年、米国ルイジアナ州生まれ。彼のバンド「Stay Human」とともに作った2013年作『Social Music』が米国のジャズチャートで1位を獲得、2015年から人気TV番組『The Late Show with Stephen Colbert』のハウスバンドのリーダーを務め、大きな支持を集めるようになった。

2020年6月には“Black Lives Matter”運動においてもニューオーリンズの音楽家たちを率いて参加し、音楽を通じて人種や性別を超えた支援を呼びかけ、選挙の投票によって自分たちの役割を果たすことを求めた。

Jon Batiste - Hollywood Africans
Follow Música Terra